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第ニ章
男の放つ違和感
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暴れる男を無理矢理引きずって闘技場の入り口までやってきた。そこでは何人かの冒険者が鍛錬をしていたが、俺達が入った瞬間に異変を察したらしくせっせと片づけを始め、闘技場から離れていった。
闘技場の中央に男のことを放り投げてやると、男は受け身もまともに取れずに地面に転がった。
「ぐあっ、く、貴様ァッ!!」
相当怒っているらしく、起き上がった男は再びこちらに剣を向けてくる。
オーソドックスな剣の構えだが、体の重心が定まっていないし剣先もぶれている。どうやらあまり剣の扱いはうまくないらしい。
「さ、ここなら思いっ切りかかってきていいぞ。遠慮はいらない。」
「言われなくてもッ!!」
そして剣を握る手に力を籠めると、大振りで剣を振り下ろしてくる。
「遅いな。」
体を半歩ずらし、最小限の動きで剣を避ける。それだけで男の剣は空を切り、勢いよく地面を叩く。
「くっ、まぐれで避けられたか!!」
「…………。」
その後も男は諦めずに袈裟斬り、逆袈裟など様々な角度方向から攻撃を繰り出してくるが、その剣が俺を捉えることはなかった。
すると立て続けに攻撃をしたせいか、男の息遣いが少しづつ荒くなってくる。ペースを考えずに無駄な攻撃を繰り出し続けているツケが回ってきたようだ。
「ぜぇ…ぜぇ…くそ、なんで当たらないっ!!」
息が切れている状態で無理に攻撃を繰り出してくるものだから、お粗末だった攻撃がさらにお粗末なものになってしまっていた。
こんな攻撃なら素人でも簡単に避けられるだろう。
そんな貧弱な攻撃をひらひらと躱し続けていると、ふとあることが疑問になった。
こんなお粗末な実力で冒険者をやっているのか?パーティーメンバーのあの二人の女性が強いのかな?
チラリと観客席のほうに視線を向けると、男の仲間の女性二人がこちらを見物していた。
二人のうち一人を鑑定すると、信じられない状態異常が表示されていたのだ。
状態異常:隷属化
もう一人の女性も確認してみるとやはり状態が隷属化となっていた。
隷属化についてさらに詳しく鑑定すると、彼女たちがなぜそういう状態になっているのか原因を突き止めることができた。
その原因は彼女たちが身につけている腕輪に原因があった。
・隷属の腕輪
それが彼女たちがつけている腕輪の名前だった。効果はそれを装着している者を自分の言いなりにするという物……。文字通り奴隷にしてしまう物だった。
(こいつ、まさかランにもこんなものを着けようとしていたのか?)
男の思惑が知れた途端……ドクンと心臓が一つ大きく脈打ち、心の奥底から怒りが沸き上がってきた。
闘技場の中央に男のことを放り投げてやると、男は受け身もまともに取れずに地面に転がった。
「ぐあっ、く、貴様ァッ!!」
相当怒っているらしく、起き上がった男は再びこちらに剣を向けてくる。
オーソドックスな剣の構えだが、体の重心が定まっていないし剣先もぶれている。どうやらあまり剣の扱いはうまくないらしい。
「さ、ここなら思いっ切りかかってきていいぞ。遠慮はいらない。」
「言われなくてもッ!!」
そして剣を握る手に力を籠めると、大振りで剣を振り下ろしてくる。
「遅いな。」
体を半歩ずらし、最小限の動きで剣を避ける。それだけで男の剣は空を切り、勢いよく地面を叩く。
「くっ、まぐれで避けられたか!!」
「…………。」
その後も男は諦めずに袈裟斬り、逆袈裟など様々な角度方向から攻撃を繰り出してくるが、その剣が俺を捉えることはなかった。
すると立て続けに攻撃をしたせいか、男の息遣いが少しづつ荒くなってくる。ペースを考えずに無駄な攻撃を繰り出し続けているツケが回ってきたようだ。
「ぜぇ…ぜぇ…くそ、なんで当たらないっ!!」
息が切れている状態で無理に攻撃を繰り出してくるものだから、お粗末だった攻撃がさらにお粗末なものになってしまっていた。
こんな攻撃なら素人でも簡単に避けられるだろう。
そんな貧弱な攻撃をひらひらと躱し続けていると、ふとあることが疑問になった。
こんなお粗末な実力で冒険者をやっているのか?パーティーメンバーのあの二人の女性が強いのかな?
チラリと観客席のほうに視線を向けると、男の仲間の女性二人がこちらを見物していた。
二人のうち一人を鑑定すると、信じられない状態異常が表示されていたのだ。
状態異常:隷属化
もう一人の女性も確認してみるとやはり状態が隷属化となっていた。
隷属化についてさらに詳しく鑑定すると、彼女たちがなぜそういう状態になっているのか原因を突き止めることができた。
その原因は彼女たちが身につけている腕輪に原因があった。
・隷属の腕輪
それが彼女たちがつけている腕輪の名前だった。効果はそれを装着している者を自分の言いなりにするという物……。文字通り奴隷にしてしまう物だった。
(こいつ、まさかランにもこんなものを着けようとしていたのか?)
男の思惑が知れた途端……ドクンと心臓が一つ大きく脈打ち、心の奥底から怒りが沸き上がってきた。
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