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第ニ章
酒場にて絡まれる
しおりを挟むダンジョンの入り口に繋がる扉に入り進んでいると、また同じような扉が見えてきた。その扉を潜り抜けるとダンジョンの入り口へと戻ってきていた。
「ふぅ、戻ってきたな。」
「あっ、ご無事だったんですね。」
扉の前でミースが待っていてくれたようだ。簡易的な机の上に書類が重なっているところを見るに、ここで仕事をしていたようだ。
「わざわざ待っててくれたのか?」
「なにかあったら大変ですから、これも仕事の一つですよ。」
「相変わらず仕事熱心だねぇミース。」
彼女の仕事っぷりに感心したようにドーナが言った。すると少しムッとした様子でミースが…。
「ドーナさんは働かなさすぎだったんです!!こういう書類だって大半は私が処理してたんですから!!」
「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないかい。」
「いーえッ、怒ります~だいたいドーナさんは……。」
そこからミースによる怒涛の説教タイムが始まった。いつもは強気なドーナが正座させられて、がみがみとミースの説教をひたすら聞かされている。
(これはしばらく終わりそうにないな。)
ドーナに上の酒場で待ってるぞと合図をして俺たちは先に酒場に上がった。
「ここらで座ってドーナを待とうか。」
「そうね、あの様子だとしばらくはあのままっぽいし。」
「ドーナお姉さん大丈夫かな。」
飲み物を頼みドーナを待っていると、何やら変な三人組が声をかけてきた。
「失礼、そこの綺麗なお姉さん?」
三人組のリーダーらしき男がランに声をかける。
めんどくさそうにランはその男に目を向けた。
「何の用?邪魔しないでほしいんだけど。」
「実は今パーティーメンバーを募集していてね。ぜひあなたに入ってもらいたいんだ。」
なるほど、パーティーの勧誘だったらしい。しかしランは男の勧誘をきっぱりと断る。
「ワタシ、自分より弱いやつに興味はないわ。不快だからとっとと消えてくれる?」
「僕よりもそこにいる男のほうが強いっていうのかい!?……そうか、わかったぞ!!君は弱みをその男に握られて無理やり従わされているんだな?」
(どうしてそういう発想に至るのか……。)
あまりに失礼だったので注意しようとすると……。
「あのな、さすがに失礼じゃ……。」
「喋るな、この屑野郎!!ちょっと待っててくれ、僕がこいつを倒して君を解放してみせる。」
失礼な態度に言動……流石にここまで侮辱されるとイラっと来るな。
相変わらず一人で喋り続けている男にどんな対応をするべきか考えながら、俺以上に怒り心頭の様子のランを宥めることに努めるのだった。
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