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第ニ章
ドーナ&ランVSバフォメット
しおりを挟む「ドーナ、行くわよ!!」
「わかってる!!」
二人は同時に飛び出すと、すさまじい速さでバフォメットの懐を侵略する。
「うむ、以前と比べて動きの無駄がなくなったか。」
「感心してる間に終わらせてあげるわ。」
懐に侵入した二人を迎撃するべく、バフォメットが攻撃を繰りだすが…受けを体得している二人には単純な攻撃は通用しない。
「貰ったわ……よっ!!」
「むっ!!」
自分へと向かって放たれた拳をランは流すと、勢いを利用してバフォメットの顎を拳で撃ち抜いた。
大きくのけぞるバフォメットの首にドーナが手を回す。
「それも使わせてもらうよっ!!」
のけぞったエネルギーをさらに加速させ、ドーナはバフォメットの頭を地面にたたきつける。
「お~、力の流れをうまく味方にできてるな。」
ドーナたちとバフォメットの戦闘を遠目で眺めているが、ドーナとランの成長スピードがすさまじい。
稽古はあの時の一回だけしかしていないのにもかかわらずこの仕上がり。やはり天才だ。
だが、バフォメットのタフさもまた異常……二人の攻撃をくらって尚、平然と奴は立ち上がった。
「この自らの力を敵に使われる感覚……ヒイラギ、この小娘どもに貴様の技を吹き込んだな?」
楽しそうに笑いながら、こちらに視線を送ってくるバフォメット。
「まぁな。」
「クク、いまだ未熟とはいえ侮れん。だが、我も学ぶ……必ず攻略の糸口を見つけてやるぞ。」
「やってみなさいよ、その前にぼっこぼこにしてやるんだから!!」
「覚悟しな!!」
そしてまたドーナたちはバフォメットと激しい戦闘を始めた。
その傍ら、俺もあることに挑戦しようと準備を始める。
「よし、それじゃあ俺もそろそろ始めよう。シア、グレイスを連れて少し離れててくれるか?」
「……??わかった!!」
そしてシアを少し離れさせると、俺は両腕に魔力を集中させた。
「まずはフレイムブレスからだ。」
スキルであるフレイムブレスを両腕に纏わせる。
俺が使えるブレスは全部で六種類、フレイムブレス、ブリザードブレス、ハリケーンブレス、ウォーターブレス、サンダーブレス……そして最後にブレスオブディザスター。
基本的に遠距離攻撃のスキルだが、これを近距離攻撃に利用できないか……試してみよう。
「な、なかなか集中力が必要だなこれは。」
少しでも集中を切らすと、腕に纏わせているブレスの効果が切れてしまいそうになる。
「だが、上手いこと扱えれば……ふんっ!!」
フレイムブレスを纏わせた拳を前に突き出すと、炎の爆発が巻き起こる。
「うん、こいつは使える。」
他のブレスではどうなるだろうか?試してみよう。
そしてドーナたちがバフォメットと戦っている傍らで、俺は新たな技の開発に勤しむのだった。
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