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第ニ章

イクラのお味は…

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 出来上がった朝食を持ってテーブルにいくと……。

「お魚の匂い!!朝ご飯お魚っ!?」

 いつの間に起きたのか、シアがすでにいつもの場所に座り今にもよだれを垂らしそうになっていた。

「あぁ、今日の朝食はお魚だ。」

「お魚大好き~楽しみっ!!」

「たくさん食べていいからな。」

 ぽんぽんとシアの頭を撫でていると、続々とドーナたちも目を覚まし始めた。

「んぁ、あれ?もうご飯の時間?」

「ん~っ!!くっはぁ~、久しぶりに結構飲んだから寝すぎちまったねぇ。」

「もうご飯っすか!?自分お腹減ったっす~。」

 まだ少し重そうな瞼をこすりながら、みんな席に着く。

「よし、それじゃあ食べよう。」

「「「いただきます!!」」」

 食材に感謝し、ジュエルサーモンの親子丼を食べ始める。すると、プチプチと口の中で弾ける不思議な食感にみんな驚いていた。

「このプチプチ美味しい!!」

「新しい食感だわ、こんなの初めて。」

 新しい食感に驚いていたようだが、イクラの味は好評のようだ。みんな食べる手が止まらない。
 そんなみんなの様子を一緒に少し眺めていたイリスは、満足そうに笑みを浮かべていた。

「なるほど、これが食べてもらう幸せ……。幸福感で満たされますね。」

「なかなかいい気分だろ?それが味わいたくて料理人やってるんだ。さ、イリスもそろそろ食べたほうがいい。」

「えぇ、それではいただきますね。」

 促されて、イリスも海鮮丼を口へ運ぶ。そしてゆっくりと味わうと顔をほころばせた。

「ふふふ、これはとても美味しいですね。」

 イリスも食べ始めたし、そろそろ俺も食べようか。

 醤油を軽く上から回しかけ、刺し身とイクラとご飯を一緒に口へと運んだ。噛む度にプチプチとイクラが弾け、甘味がご飯と刺し身に絡みとても美味しい。
 普通の鮭のイクラよりこちらは少し甘味が強く食感がいいようだ。

 すべてが抜群に美味しく、あっという間に完食してしまった。

「ふぅ……美味しかった。」

 朝から少し豪華なご飯だったな。こういうのもたまにはいいだろう。

 満足して一つ大きなため息を吐き出していると、目の前にみんなが空になった丼を差し出してきた。

「お兄さん!!おかわりっ!!」

「ワタシも~。」

「アタイももらっていいかい?」

「んぐっゴクッ…プハッ!!自分も欲しいっす!!」

「わかった、ちょっと待っててな。」

 そしてみんなの分のおかわりを盛り付けに行こうとすると、イリスも一緒に席を立った。

「お手伝いしますよ、ヒイラギさん。」

 彼女の手には空になった自分の分の食器が持たれていた。

「ありがとう、助かるよ。」

 イリスに手伝ってもらい、全員分のおかわりを盛り付け、豪華な朝食は続くのだった。
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