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第ニ章
仕事のできる子
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「トングのムニエルのソースは柑橘の酸味と香りを効かせたソースにしようか。」
フライパンにバターを落として、軽く茶色になるまで炒める。そして香り付けの醤油、輪切りレモンを入れておしまい。
シンプルだが、これが美味い。
「よし、ソースもできたから仕上げていこう。」
塩を馴染ませていた魚から水分が出てくるため、それをキッチンペーパーで拭き取ってやる。
そして小麦粉を表面に薄くまぶし、バターを馴染ませたフライパンで焼いていく。
ここで1つコツがある。小麦粉をまぶした魚をフライパンに入れた後、しっかり衣が付くまで絶対に触ってはいけない。
下手に触ると衣が剥げて上手く焼けないのだ。ひっくり返す目安は、魚の縁の衣が茶色くなってきたら頃合いだ。
「よし、後はひっくり返して裏面もしっかり衣を付けて……。」
裏面も同様にひっくり返したあとは、動かさないように焼いていく。
焼き上がった後は、しっかり油を切ってやることで口当たりがしつこくならない。
「後はこのまま油を切っておこう。その間にサーモンの白子でカプレーゼを作るぞ。」
ジュエルサーモンの白子を、沸騰したお湯でさっと表面に火を通して氷水に移す。
しっかり冷ましたらスライスして、トマトと一緒に盛り付ける。
最後に上からパセリとブラックペッパーを振りかけて完成だ。
「よし、これでカプレーゼは終わり。筋子は今日は使わないから保存しておこう。」
筋子を水気を拭き取ってからタッパーに入れて、マジックバッグの中にしまう。
これは明日の朝食で使おう。
「よしムニエルはトマトとレタス、パセリとレモンを添えて完成……って、あっ!!」
しまった、ご飯炊くの忘れてた!!最近シアに任せっきりだったのが仇となってしまった。
急いで米を炊こうとすると、炊飯器からピーという音がなった。
「え?」
ご飯は炊けていた……いったい誰が?思わず困惑していると……。
「えへへ、シアえらい?」
シャワーを浴びて、ホカホカと湯気が立ち上っているシアが満面の笑みでこちらを見ていた。
「シア、ありがとう助かったよ。いつの間に炊いてたんだ?」
「お兄さんがお姉さん達と休んでるときに準備してたの!!」
あの時一瞬シアがいなくなっていたのは、コレをやるためか。
頭をいつもより多めになでなでしてあげると……。
「えへへぇ~♪お兄さん大好きっ!!」
ぎゅーっとシアが抱きついて来た。可愛いな……と呑気に思っていると、俺の体から変な音が聞こえた。
ミシミシッ……。
い、以前とはまるで力が違う……。こ、これは不味い。
「し、シア……と、取りあえず料理が冷めちゃって美味しくなくなっちゃうから。」
「それはイヤッ!!早く食べる~!!」
シアはハッと我に返ると、すぐに目の前から瞬間移動でいなくなった。
俺もシアの力に耐えられるように強くならないとな……と切に思うのだった。
フライパンにバターを落として、軽く茶色になるまで炒める。そして香り付けの醤油、輪切りレモンを入れておしまい。
シンプルだが、これが美味い。
「よし、ソースもできたから仕上げていこう。」
塩を馴染ませていた魚から水分が出てくるため、それをキッチンペーパーで拭き取ってやる。
そして小麦粉を表面に薄くまぶし、バターを馴染ませたフライパンで焼いていく。
ここで1つコツがある。小麦粉をまぶした魚をフライパンに入れた後、しっかり衣が付くまで絶対に触ってはいけない。
下手に触ると衣が剥げて上手く焼けないのだ。ひっくり返す目安は、魚の縁の衣が茶色くなってきたら頃合いだ。
「よし、後はひっくり返して裏面もしっかり衣を付けて……。」
裏面も同様にひっくり返したあとは、動かさないように焼いていく。
焼き上がった後は、しっかり油を切ってやることで口当たりがしつこくならない。
「後はこのまま油を切っておこう。その間にサーモンの白子でカプレーゼを作るぞ。」
ジュエルサーモンの白子を、沸騰したお湯でさっと表面に火を通して氷水に移す。
しっかり冷ましたらスライスして、トマトと一緒に盛り付ける。
最後に上からパセリとブラックペッパーを振りかけて完成だ。
「よし、これでカプレーゼは終わり。筋子は今日は使わないから保存しておこう。」
筋子を水気を拭き取ってからタッパーに入れて、マジックバッグの中にしまう。
これは明日の朝食で使おう。
「よしムニエルはトマトとレタス、パセリとレモンを添えて完成……って、あっ!!」
しまった、ご飯炊くの忘れてた!!最近シアに任せっきりだったのが仇となってしまった。
急いで米を炊こうとすると、炊飯器からピーという音がなった。
「え?」
ご飯は炊けていた……いったい誰が?思わず困惑していると……。
「えへへ、シアえらい?」
シャワーを浴びて、ホカホカと湯気が立ち上っているシアが満面の笑みでこちらを見ていた。
「シア、ありがとう助かったよ。いつの間に炊いてたんだ?」
「お兄さんがお姉さん達と休んでるときに準備してたの!!」
あの時一瞬シアがいなくなっていたのは、コレをやるためか。
頭をいつもより多めになでなでしてあげると……。
「えへへぇ~♪お兄さん大好きっ!!」
ぎゅーっとシアが抱きついて来た。可愛いな……と呑気に思っていると、俺の体から変な音が聞こえた。
ミシミシッ……。
い、以前とはまるで力が違う……。こ、これは不味い。
「し、シア……と、取りあえず料理が冷めちゃって美味しくなくなっちゃうから。」
「それはイヤッ!!早く食べる~!!」
シアはハッと我に返ると、すぐに目の前から瞬間移動でいなくなった。
俺もシアの力に耐えられるように強くならないとな……と切に思うのだった。
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