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第ニ章
キーマカレー
しおりを挟む一人厨房へ向かい、今日の昼食の調理を始める。
「まずは野菜からだな。」
まな板の上に玉ねぎ、人参、ニンニク、そしてアプルの実を用意した。
「これは全部みじん切りにしていく。」
一つ一つの食材を細かくみじん切りにしていく。
「次はさっきの豚と牛の切り落としをミンサーで挽き肉にして……。」
ミンサーとはその名の通り挽き肉を作る機械だ。日本では安価な物で2000円弱ぐらいで売っている。高いのだと肉を挽き肉にする機能の他に、様々な機能が搭載された機械が10万円位で売っている。
ミンサーで買ってきた肉を挽き肉にして、材料の下準備は完了だ。
「よし、それじゃあまずニンニクをオリーブオイルで炒めて香りを出していこう。」
底深の鍋にオリーブオイルを馴染ませニンニクを炒めていく。ある程度香りが出てきたら、玉ねぎ、人参、あとアプルの実を入れてじっくり炒めていく。
今回作る料理はこの行程が1番大事だ。弱火~中火位の火加減で、刻んだ野菜をじっくり飴色になるまで炒める。
野菜を炒めている間に他のフライパンで挽き肉を炒める。挽き肉はある程度炒めると、臭みの元となる脂が出始めるので、そういうものはキッチンペーパーで拭き取ってやると仕上がりがよくなる。
野菜が飴色になり、肉からも余計な脂が出なくなったら二つを合わせてさっと炒める。
「後はここにカレー粉とバターを入れて、少し炒めてカレーの香りを出す。」
カレー粉は油で炒めると香りが出てくるためバターで炒める。ある程度香りが出たら鍋に水を入れてコンソメ、蜂蜜、ケチャップ、中濃ソースで味をつける。
「よし、それじゃあカレールゥでとろみをつけてっと。」
カレールゥを溶かし入れて、グツグツ煮こみながら水分を飛ばしカレーの硬さを決める。この時水分が飛んでとろみがついてくると、鍋底が凄く焦げやすいから注意が必要だ。
あとは最後に味見をして味を調える。
「……うん、美味しい。でも少し甘味を足しておこうかな。」
微調整をして、また味を確かめる。
「よし、これでいい。後は目玉焼きを作って終わりだな。」
フライパンで目玉焼きを焼いて半熟で止める。皿にご飯を盛って、カレーをたっぷりかけてその上に目玉焼きをのせて完成だ。
「特製キーマカレーの完成だ。」
そしてみんなのキーマカレーを盛り付けている最中、こちらに複数の視線が向けられていることに気が付いた。
「「「「「じぃ~……。」」」」」
視線の方向へと目を向けてみると、カレーの香りに誘われて待ちきれなさそうにみんなが厨房を覗いていた。
「今できたからもう少しだけ待っててな。」
さてさて、異世界でもカレーの魔力というものが通用するのか……確かめるとしよう。
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