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第ニ章

ディザスターデーモンの宝玉

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 マジックバッグに手を入れて取り出したのは、重厚な輝きを放つ丸い宝玉。レスから手に入れたものだ。

「これの中には言語理解のスキルが詰まってる。」

「これ、シアが食べていいの?お兄さんが食べたほうが良いんじゃ……。」

 迷うシアのおでこをコツンと指でつついた。

「んにゃっ!?」

「子供は遠慮なんてするもんじゃないぞ?それにこれを食べれば、やっとシアも誰とでも何不自由なく会話できるんだ。俺が強くなるよりもその方がよっぽど有意義さ。」

 そうシアに声をかけていると、グレイスがパタパタと翼を羽ばたかせてシアの肩にとまった。

「シアちゃんみんなとお話したくないっすか?」

「……したい。」

「なら遠慮なんてする事ないじゃない。ヒイラギも良いって言ってるんだし?」

「そうだよ、アタイも言語理解のスキルをもらったおかげでシアと話せるようになったんだ。何不自由なく話せるってのはやっぱりいいもんだよ。」

 そうみんながシアを説得すると、シアの中でも決意が固まったらしい。

「お兄さん、それ本当にシアが食べてもいいの?」

「あぁ、最初からそのつもりだったから。」

 俺はシアに宝玉を差し出した。すると、シアはそれを両手で受け取った。

「じゃあシア食べる!!みんなとお話したいから!!」

「ありがとう。」

 ポン……とシアの頭に手を置くと、シアは宝玉にかぶりついた。そしてあっという間に食べ終えてしまうと、俺の方をじっと見つめて口を開く。

「ど、どうかなお兄さん。シアちゃんと話せてる?」

「俺の耳にはしっかり聞こえてるけど……俺にはもともと言語理解のスキルがあるからなぁ。こればっかりは街に出て誰かに話しかけてみないとわからないな。」

「そっかぁ……。」

 少し残念そうにするシアに、俺はあることを問いかける。

「シア、体の方はどうだ?何か変わった感じはしないか?」

「ん~、わかんない!!でも今だったら何でもできそうな気がするの!!」

 あの滅茶苦茶に強かったレスの宝玉を取り込んだのだ。

「試しにシアのステータス見てみてもいいか?」

「うん!!はいっどーぞ♪」

 大きく手を広げてシアがアピールしている。

 なんて可愛らしい姿だろうか……。ずっと見ていられる光景だが、しっかりと確かめるものは確かめておかないとな。

「鑑定。」

 シアに手をかざし、鑑定と唱えると俺の目の前にシアのステータス画面が表示された。
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