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第ニ章

大喰らい

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 みんな分のおかわりとウォータードラゴンの朝食を作り終え、それをテーブルへ向かう。

「はいよ、お待たせ。」

「うわあぁ~♪ありがとうございますぅ~。もう食べていいですか!?」

 運んできた料理を目の当たりにすると、ウォータードラゴンが目を輝かせた。

「お腹いっぱい食べてくれ。」

「それじゃあ……あ~んっ!!んぐんぐ、ん~ッ♪とっても美味しいです~。」

 驚くべきことに彼女は、グラタントーストを大きな口で一口で食べてしまったのだ。一口でほおばりながらも、しっかりと味わって飲み込んだ彼女は次の料理をロックオンする。

「次はこれっ!!んふふふっ♪美味しいぃ~。」

 こ、これはさすがに予想外だ……いくら何でも食べるペースが速すぎる。ランが彼女は大食いだと言っていたのは覚えているが、まさかここまでとは。

 チラッとランの方を見ると、彼女は少し呆れた表情……いやそれよりかは、もはや諦めたような表情でそれを眺めていた。

 そしていま一度ウォータードラゴンへと目線を戻すと……。

「あのぉ~、も、もう少し食べたいんですけどぉ~…ダメですかぁ?」

 彼女の前にあったはずの料理が無い。残されていたのは料理が盛り付けられていたはずのお皿だけ。

「いいぞ今作ってくる。」

「あっ、ヒイラギさん私ももう少し食べたいです♪」

 イリスもお代わりのお願いをしてきた。

「あぁ、わかった。少しだけ時間貰うぞ。」

 再び厨房へと赴くと、気合を入れなおすため前掛けの紐を再び強く結んだ。

「まずこの器に焼いたパンを敷き詰めて上から大量にホワイトソースをかける。」

 宴会用の大きいグラタン皿に焼いたパンを敷き詰める。その上に温めたホワイトソースをかけ上にチーズをのせてバーナーでチーズを溶かした。

「次はこのフライパンでオムレツだ。」

 卵を10個使って大きな鉄のフライパンでオムレツを作る。このぐらいの大きさになると、もはや手でトントンするぐらいでは返せないため、フライパンを軽く火口に打ち付けてオムレツを返していく。

「じゃがいもは茹でてる時間が惜しい、じゃがバターにしよう。」

じゃがいもに切れ込みを入れラップでくるみ電子レンジに入れ、火を通す。

「よし、後はこの上にバター、パセリ、塩で味付けて完成。」

 同時進行でイリスの分も作っているのだが……こうしてウォータードラゴンのものと並べてみると、イリスのおかわりの分がどれだけ少ないかがわかる。
 実際には少なくはないのだが……ウォータードラゴン用の料理が多すぎるだけだ。

 出来上がった大量の料理をワゴンに乗せて彼女たちのもとへと運ぶ。

「はいよ、このぐらいあれば大丈夫だろ?」

「うわあぁぁ~こんなにいっぱい!!ありがとうございます~。」

 そして自分の前に料理が並べられると、ウォータードラゴンはまたバクバクと勢いよく食べ始めた。
 彼女の食べっぷりに終始驚かされながら、俺はイリスにもおかわりを配膳した。

「はい、これはイリスの分な。」

「ありがとうございます。」

 そして忙しい朝食は少しずつ終わりに近づいていくのだった。
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