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第ニ章
実食!!トングのムニエル
しおりを挟む数分後、ウェイトレスがみんな分の料理を運んできた。
「お待たせしました~、本日の日替わり定食になります。」
日替わり定食には、トングとやらのムニエルに白パンとスープ、サラダがついている。
「こちらのスープは魚の骨から出汁をとったものに、塩のみで味をつけたものになります。お料理と合わせてお飲みください。」
ほぅ……これはまた塩だけというのがいい。出汁の味、風味をダイレクトに感じれるだろう。
「それではごゆっくりどうぞ~。」
ウェイトレスが料理の説明を終えると、個室から退室していった。
「とってもいい匂い~。」
シアが料理の香りを嗅いで、表情を蕩けさせていた。
「バターがいい香りを出してるな。さぁ、冷める前にいただこう。」
「「「いただきます!!」」」
俺は真っ先にスープを一口飲む。すると、濃厚な魚の出汁の味と香りが伝わってきた。
とても美味しい。塩加減もバッチリで、出汁の味を際立たせている。
「さて、メインのムニエルはどうかな。」
フォークでムニエルを刺すと、サクッという心地のよい音がした。そしてナイフでムニエルを切り分けて口へと運んだ。
口に入れた途端に、バターのいい香りがフワリと広がった。
表面はサクサクで中はフワフワだ。バターはしっかりと香るが、油がしっかりと切られているためクドさもない。
「うん、美味しいな。」
文句なしの美味しさだ。
「お兄しゃんこのお魚美味しいね!!」
「あぁ、美味しいな。いい勉強になったよ。」
そして料理を楽しんでいると、ランがふとあることを問いかけてきた。
「ねぇ、ヒイラギもこれと同じ料理は作れるの?」
「あ、それアタイも気になったよ。どうなんだい?」
「まったく同じ味のものを作るのは難しいかもしれないが、ほぼ同じものなら作れるな。」
「それじゃあ今度はシア、お兄さんの作ったやつが食べたい!!」
「そうか……なら明日魚が市場に入ったら、このトングって魚を買って作ってみようか。」
「ホントに!?」
「あぁ、約束する。」
「えへへ、やったぁ!!」
みんなとそう約束をして、昼食の続きを楽しむのだった。
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