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第ニ章
日替わり定食
しおりを挟むさてさて、何を食べようか。この店が売りにしているものはやはり魚介か。
しかしながら、品切れが多いのは現在漁に入れないのが関係しているんだろう。
「俺はこの日替わり定食でいいかな。」
定食屋で迷ったらこれだ。日替わりメニューというのは、料理人の腕が一番見れる料理でもある。
メニューに載っている料理は試作を繰り返しているはずだが、日替わりの料理はそうはいかない。料理人の発想と経験で味が変わってくるのだ。
「シアもお兄さんと一緒でいい!!」
「ヒイラギがそれを頼むならワタシもそれでいいわ♪」
「アタイもヒイラギと同じのでいいよ。」
「ふむ、そうか。グレイスは……。」
「自分もそれがいいっす!!」
結局みんなこれを頼むことになった。
頼むメニューが決まると、トントンと扉がノックされ、ウェイトレスの人が飲み物を持ってきた。
「お待たせしました~、紅茶とこちらがオレンの果汁水です~。」
テーブルの上に飲み物が置かれていった。
「お料理の方はお決まりですか?」
「日替わり定食を5つ頼む。」
「かしこまりました~、本日の日替わり定食は、トングのムニエルとなってました。それでは少々お待ち下さい。」
トングか……どんな魚なのだろうか。英語で直訳すれば舌を意味しているが。
ムニエルというものがある辺り、こちらの食文化は洋食がメインなのかもしれないな。
誰か料理を広めた先駆者でもいるのだろうか?いたとしたら、ぜひとも会ってみたいものだな。
そして料理が来るのを待っている間、俺はランにウォータードラゴンのことについて聞いた。
「そういえば、ランはあのドラゴンと知り合いみたいだったが……。」
「えぇ、何回か会ったことあるわ。彼女、ものすごく大食いだから……明日にはあの辺の魔物はぜ~んぶ食いつくされてるでしょうね。」
「そんなに食べるのか!?」
「えぇ、信じられないぐらいたくさん食べるわよ?ワタシなんか比にならないわ。」
湖の魚が食いつくされなきゃいいが……。
ポン酢風の醤油はあっさり食べられるし、ニンニクと生姜は食欲増進効果と臭みを消す効果があるから、下手したらやりかねないな。
「ま、まぁ俺の予感が当たらないことを祈っておこう。」
明日朝一番で行って確認してみよう。結構不安になってきた。
不安を抱えながらも頼んだ料理を待つこと10分程で、個室の扉がノックされた。
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