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第ニ章
朝ご飯は元気の源
しおりを挟む出来上がった朝食を持って厨房を出ると、既にみんな起きていた。
「あ、おはようヒイラギいい朝ね。」
「ヒイラギおはよう、今日も朝からいい匂いがするねぇ。」
「お兄さんおはよ!!」
「ヒイラギさんおはようございますっす!」
「おはよう、みんな。今日の朝ご飯はフレンチトーストだぞ~。」
テーブルの上にみんなの分のフレンチトーストとサラダとスープを配膳すると、席についた。
「さ、食べよう。」
「「「「「いただきま~す!!」」」」」
シア達は早速フレンチトーストを頬張ると、蕩けたような表情を浮かべていた。
そしてミルタさんも朝食に手をつけ始めた。
「これはまた、カリカリのパンの外側に反して、中はトロトロの半熟。甘さも砂糖だけではありませんな?あっさりとした甘さでとても美味しいですぞ!!」
ミルタさんは、フレンチトーストをいたく気に入ってくれたようだ。相変わらず食レポも上手い。
「口に合ってよかったです。」
「いやはや、よもやこんなところでこんなに美味しい料理にありつけるとは……本当に感謝申し上げますぞ。」
「いえいえ、まだまだ自分は半人前なので。」
「またまたご謙遜を。」
実際俺はまだ半人前なのだ。誰にも一人前と認められたこともないしな。
そんな会話をミルタさんとしていると、シアにクイッと服の裾を引っ張られた。
「お兄さんの料理は美味しいよ?」
「ありがとう。」
そう温かい言葉をかけてくれたシアの頭を撫でた。
そしてみんなで朝食を食べ進めると、俺達は出発の準備を整えた。
「さて、そろそろ出発しましょうか。今日中にはシュベールに着けると思います。」
「よろしくお願い致します。ここからですと順調に進むことができれば、恐らくは2、3時間ほどで着くかと思います。」
ふむ、意外ともう少しだったんだな。近くまで行ったら、グレイスには小さくなってもらって、歩いて関所を通ることにしよう。
グレイスがそのままで入るとなると、流石に面倒な事になりそうだからな。
「それじゃあみんな乗ってくれ。」
シアを筆頭にみんな馬車に乗り込んでいく。
「よし、グレイス今日も頼むぞ。」
「任せてくださいっす~。朝ご飯もしっかり食べて元気いっぱいっす!!全速力で行くっすよ~!!」
そして、ガラガラとグレイスが馬車を引っ張りシュベールを目指して進んだ。
様々な料理、食材等が入っているマジックバッグの中……。
時間が止まっているはずのこの空間で、ハウスキットの窓際に置かれた1つの植木鉢に異変が起こる。
土が盛り上がりピョコンと光輝く新芽を出したのだ。
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