転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

文字の大きさ
上 下
81 / 1,052
第ニ章

一番魚を捕まえたのは……

しおりを挟む

 ……ん、少し寝てしまっていたようだ。皆はどうなっているかな。

 ゆっくりと体を起こし、周りを見ると異様な光景が飛び込んできた。

「なんだこれは。」

 目の前にはおびただしい数の魚が岸にうちあげられていた。10匹や20匹ではない、その倍以上の数はいるだろう。

「あっ!!お兄さん起きた!!」

 シアがこっちに走ってくる。

「お兄さんシアが1番だったの!!」

「おぉ、頑張ったな。おめでとう。」

「えへへぇ~♪やったぁ~。」

「まさかシアに負けちゃうなんてね。」

「全くだよ。獣人族の才能ってやつを味わった気がする。」

 この二人が負けたのは意外だったな。

 さて、グレイスは何をしているだろうか。辺りを見渡して、彼女のことを探してみると……。

「この魚美味しいっす~♪」

 グレイスは、川の畔でバリバリと骨ごと魚を噛み砕き食べていた。

 生で大丈夫なのだろうか……。まぁ、ワイバーンだから胃袋が丈夫なのだろうな。

「お兄さん!!シアもおさかな食べたい!!」

「ワタシも動いたからお腹減っちゃったわ~。」

「やっぱり動くと腹が減るんだよねぇ。」

「あっ、あっ!自分もヒイラギさんのご飯食べたいっす!!」

「わかった、それじゃあここらで昼食にでもしようか。」

 とはいえ、まずこの魚をバッグにしまわないとな。鮮度が落ちてしまう。

 地面にうちあげられている魚を、一匹ずつ締めて次々にバッグにしまっていった。

 回収している最中、その中に1m位の大きいヤツもいることに気が付く。これは誰が捕ったのだろう?何か鋭い角もついてるし、もしかしたら魔物なのか?

「鑑定……。」

ソードフィッシュ

・淡水に生息する魔物
・気性が荒く好戦的だが、自分より強い存在には決して近づかない。
・身は白身だが脂がのっており美味。
・生食は不可。

 うん、やっぱり魔物だったな。それにしても白身で脂がのっている……か。今夜にでも使ってみよう。

 そして全ての魚をしまい、ハウスキットを展開する。これがないと料理は始められない。

「さて、やるか。」

「シアもお手伝いする~♪」

「ワタシ達もやるわよ~。」

 と、みんな手伝ってくれる気満々なところ大変申し訳ないのだが……。

「あー、悪いが今回はそんなに手伝いは要らないかもしれないな‥。」

「「「え゛っ……。」」」

「今回はとてもシンプルにいこうと思っててな、やることといったらご飯を炊く位しかないんだよ。」

「それじゃあシアだね!!」

「ず、ずるいわよ~。」

「アタイらも何かしたいんだけどねぇ。」

 ふむ……それなら少し手の込んだ料理を作ろうか。

「わかった。それじゃあ今回は調味料を計る担当と、野菜を切る担当で分けよう。」

 さ、今日からは一人ずつ包丁を握ってもらおうかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜

黒城白爵
ファンタジー
 とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。  死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。  自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。  黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。  使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。 ※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。 ※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い異世界転生。何も成し遂げることなく35年……、ついに前世の年齢を超えた。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。 全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。 ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。 これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

処理中です...