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4章 青髪騎士団長お姉さん
第55話 神級魔法
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-ソフィア視点-
『妾ども、貴様らどこにいる』
そんな声が聞こえてきた。ライがわたしの大好きなやつが戦っていた相手の声だった。
なんで?なんでライの声は聞こえないの?
『リングベルの付近、シエロス山脈の山の麓におります』
隣のリリィがその声に答える。
わたしたちは居ても立っても居られず、山の入り口まで来ていたのだ。でも、どこにライがいるのかわからず、立ち往生していた。
『どうか!ライ様の命だけは!代わりにわたしの命を!どうか!』
リリィが両手を合わせて跪きながら泣いている。わたしも泣きそうだ。でも、なにも言葉を発することができない。
『貴様の命1つでなんになる。待っておれ』
それだけ言って雷龍からの交信は途絶えた。
少しして上空に巨大な龍が近づいてくるのが確認できた。
夢であって欲しかったが、夢ではなかった。
わたしはその光景を呆然と眺めることしかできなかった。
「ライ様!」
リリィがあいつの名前を呼ぶ、大好きなあいつの名前だ。
ライ?意識を強く持とうと努力し、しっかりと龍のことを観察する。
ライが……ライが、雷龍の前足に掴まれている。ピクリとも動かない。
い、生きているだろうか?もしかして……
ぶんぶん!
わたしは頭を振って自分に言い聞かせる。
ライは生きてる。
ライは生きてる。
わたしが守る。
「……わたしが守る。」
わたしはぶつぶつと呟く。
「わたしが2人を守るんだから!!」
わたしは涙を片手で拭いてからリリィの前に飛び出した。
「異界の門よ、異界の扉よ
こことは異なる理を持つ世界よ
われの呼びかけに応え
扉を開けよ」
空に暗雲が現れる
「異界の雷雲、異界の雷
すべての光を集結させし者よ」
暗雲がバリバリと光を帯びる
「われの元に集結し、われの声を聞き入れよ
われは雷炎の使い、雷帝の使者
すべての雷の声を聞く者なり
われの声に力を授けよ!
紫電!!招来!!」
呪文の詠唱と共に、空一面に広がった暗雲の中から紫色の雷が雷龍に向かって何本も発射された。
バリバリッ!と強烈な轟音を鳴らしながら、雷龍の身体に電撃を浴びせ続ける。
しかし、雷龍は羽ばたくのをやめない。効いているようには見えなかった。
「わたしが!わたしが2人を助ける!!」
わたしは雷を翼の一点だけに集中させることにする。
あいつを撃ち落として!
ライを助けるんだ!
ズガーンッ!っと最後の雷が落ち、すべてを出し切ったわたしは膝から崩れおちる。
すぐに顔をあげるが、やつは、雷龍は羽ばたいたままであった。
「あ、あぁ……」
ここで、わたしたちは死ぬんだ…
雷龍がゆっくりと羽ばたいてきて目の前に降り立った。
「小娘、名は?」
「……え?」
「貴様だ。魔法使いの娘よ」
「……ソフィア・アメジスト」
「ソフィア、貴様ほどの使い手、久方ぶりに見た。我に同属性魔法で傷をつけた者など、人間では初めてだ」
翼をみると鱗が少しだけ焦げているようだった。
「貴様にも我の加護をやろう」
雷龍がそういうと、わたしの杖の宝石が1つ、パリンッと割れ、綺麗な黄色の石がどこからともなく現れて埋め込まれた。
「それと、この小僧、ライ・ミカヅチを休ませてやると良い」
いいながら、そっと、ライを地面に離してくれる。
「ライ様!」
リリィがすぐに駆け寄って、抱きつく。
「ライ様ライ様!」と呼び掛けていたが、すぐに我に返って泣きながらヒールを唱えている。
わたしはそれをボーっと眺めていた。
「ソフィアよ、ライにこの剣を」
わたしのまえに大きな銀色の剣が現れる。
その剣はとても綺麗でとても力強く、一目で神聖なものだとわかった。
「そして、ライに伝えよ!今から3日間に限り、そなたに助力しようとな!」
そういって、雷龍はリングベルの方に向かって飛んでいった。
わたしはまだ呆然としている。
「ソフィア!ライ様は無事です!生きてます!」
わたしは泣き続けているリリィの横にフラフラと移動すると、ストンとあいつの横にしゃがみ込んだ。
ライはボロボロだけどスースーと息をしていた。
その手を握る。
あったかい。
生きてる。
そこで、やっと現実感がわいてきて、わたしはリリィと一緒に大泣きした。
『妾ども、貴様らどこにいる』
そんな声が聞こえてきた。ライがわたしの大好きなやつが戦っていた相手の声だった。
なんで?なんでライの声は聞こえないの?
『リングベルの付近、シエロス山脈の山の麓におります』
隣のリリィがその声に答える。
わたしたちは居ても立っても居られず、山の入り口まで来ていたのだ。でも、どこにライがいるのかわからず、立ち往生していた。
『どうか!ライ様の命だけは!代わりにわたしの命を!どうか!』
リリィが両手を合わせて跪きながら泣いている。わたしも泣きそうだ。でも、なにも言葉を発することができない。
『貴様の命1つでなんになる。待っておれ』
それだけ言って雷龍からの交信は途絶えた。
少しして上空に巨大な龍が近づいてくるのが確認できた。
夢であって欲しかったが、夢ではなかった。
わたしはその光景を呆然と眺めることしかできなかった。
「ライ様!」
リリィがあいつの名前を呼ぶ、大好きなあいつの名前だ。
ライ?意識を強く持とうと努力し、しっかりと龍のことを観察する。
ライが……ライが、雷龍の前足に掴まれている。ピクリとも動かない。
い、生きているだろうか?もしかして……
ぶんぶん!
わたしは頭を振って自分に言い聞かせる。
ライは生きてる。
ライは生きてる。
わたしが守る。
「……わたしが守る。」
わたしはぶつぶつと呟く。
「わたしが2人を守るんだから!!」
わたしは涙を片手で拭いてからリリィの前に飛び出した。
「異界の門よ、異界の扉よ
こことは異なる理を持つ世界よ
われの呼びかけに応え
扉を開けよ」
空に暗雲が現れる
「異界の雷雲、異界の雷
すべての光を集結させし者よ」
暗雲がバリバリと光を帯びる
「われの元に集結し、われの声を聞き入れよ
われは雷炎の使い、雷帝の使者
すべての雷の声を聞く者なり
われの声に力を授けよ!
紫電!!招来!!」
呪文の詠唱と共に、空一面に広がった暗雲の中から紫色の雷が雷龍に向かって何本も発射された。
バリバリッ!と強烈な轟音を鳴らしながら、雷龍の身体に電撃を浴びせ続ける。
しかし、雷龍は羽ばたくのをやめない。効いているようには見えなかった。
「わたしが!わたしが2人を助ける!!」
わたしは雷を翼の一点だけに集中させることにする。
あいつを撃ち落として!
ライを助けるんだ!
ズガーンッ!っと最後の雷が落ち、すべてを出し切ったわたしは膝から崩れおちる。
すぐに顔をあげるが、やつは、雷龍は羽ばたいたままであった。
「あ、あぁ……」
ここで、わたしたちは死ぬんだ…
雷龍がゆっくりと羽ばたいてきて目の前に降り立った。
「小娘、名は?」
「……え?」
「貴様だ。魔法使いの娘よ」
「……ソフィア・アメジスト」
「ソフィア、貴様ほどの使い手、久方ぶりに見た。我に同属性魔法で傷をつけた者など、人間では初めてだ」
翼をみると鱗が少しだけ焦げているようだった。
「貴様にも我の加護をやろう」
雷龍がそういうと、わたしの杖の宝石が1つ、パリンッと割れ、綺麗な黄色の石がどこからともなく現れて埋め込まれた。
「それと、この小僧、ライ・ミカヅチを休ませてやると良い」
いいながら、そっと、ライを地面に離してくれる。
「ライ様!」
リリィがすぐに駆け寄って、抱きつく。
「ライ様ライ様!」と呼び掛けていたが、すぐに我に返って泣きながらヒールを唱えている。
わたしはそれをボーっと眺めていた。
「ソフィアよ、ライにこの剣を」
わたしのまえに大きな銀色の剣が現れる。
その剣はとても綺麗でとても力強く、一目で神聖なものだとわかった。
「そして、ライに伝えよ!今から3日間に限り、そなたに助力しようとな!」
そういって、雷龍はリングベルの方に向かって飛んでいった。
わたしはまだ呆然としている。
「ソフィア!ライ様は無事です!生きてます!」
わたしは泣き続けているリリィの横にフラフラと移動すると、ストンとあいつの横にしゃがみ込んだ。
ライはボロボロだけどスースーと息をしていた。
その手を握る。
あったかい。
生きてる。
そこで、やっと現実感がわいてきて、わたしはリリィと一緒に大泣きした。
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