上 下
51 / 100
4章 青髪騎士団長お姉さん

第51話 こんな場所にキミを置いていけない

しおりを挟む
 リリィとソフィアと一緒にファビノ食堂に通いはじめて、2週間が経った。

 今のステラの好感度を攻略スキルで確認する。
-------------------------------------------
ステラ・ファビアーノ・エルネスタ
 好感度
  70/100
-------------------------------------------

 素晴らしい。少しずつではあるが、着実に好感度は上昇していた。

 オレたち4人は、朝から夕方まで一緒にいることで、ずいぶんと仲良くなった。
 朝はファビノ食堂でみんなで食事、昼からは騎士団の巡回とモンスター討伐で夕方までかかる、といった具合だからだ。

♢♦♢

「ソフィア!足止めをお願いします!」

「わかったわ!」

「リリィ!負傷者の治療をお願い!」

「はい!」

 巡回中、特級クラスのモンスターに遭遇し、そいつは群れで行動するタイプだったこともあり、苦戦を強いられていた。
 いつものステラ単騎のゴリ押し作戦では、敵の連携を崩せなかったのだ。

 しかし、オレたちは毎朝たっぷりと話す時間があった。つまり、それぞれの役割は完璧に理解し合っているし、連携の取り方を相談していたのだ。
 活かすとしたら今しかない。

「ステラ!ボスを挟み込むぞ!」

「はい!」

 言いながら、2人して剣を構えて駆けだした。

 ボスの周りに群がる下位種は無視し、2人してボスめがけて斬りかかる。ほぼ同時に届いた刃は、やつの首と心臓に届き、緩やかに絶命させた。

 これをきっかけに群れの連携はバラバラになり、騎士たちによって駆逐されていく。

「オレたち、いいパーティになれるかもな」

「…そうかもしれませんね」

 ステラは難しい顔をしている。

 食堂では楽しそうに話したり、笑ったりするのだが、騎士団では楽しそうにしているところを見たことがなかった。心配である。

 あ、あと、この数日で、オレの彼女の呼び方が〈ステラさん〉から〈ステラ〉へ変化した。
 モンスターとの戦闘のときだけでなく、日常でもステラと呼び捨てにすることを許してもらっている。

 毎朝一緒にご飯を食べているときに、オレたちのことを見ていたステラが
「みんな仲良くて羨ましいです…」
と呟いたもんだから、
「なら呼び方から変えてみよっか!もっと仲良くなれるよ!」
と提案し、こうなったのだ。

 その流れで、ステラ自身も、リリアーナさんからリリィ、ソフィアさんからソフィア、ライさんからライさんへと……変化が…

 ん?オレだけ変わっていないんだが…

 というのも
「ライさんはライさんですから!もう慣れちゃいました!」
 と言われて、オレだけ変更されなかった。

 ま、まぁ?好感度は順調に上がっているし?きっと問題ないだろう。



 特級クラスのモンスターとその群れの討伐が終わったあと、リングベルに戻ると、そこには大勢の騎士たちが町に入っていくところだった。

「…オズワルドたちが戻ったようですね」

 オズワルドというのは、騎士団の副団長だ。ステラを嫌い、化け物だのなんだのと陰口を叩く陰湿な貴族のぼっちゃんであった。そいつが率いる遠征部隊が今まさに任務を終えて戻ってきたようだった。

 オレたちも後に続き、駐屯地に戻ると、オズワルドのやつが話しかけてきた。

「ただいま帰還しました」

 そういうオズワルドは片目に包帯を巻いていた。帰還した騎士たちも包帯を巻いているものが多く、何人かは重症のように見えた。

「遠征お疲れ様でした。こちらの被害は?」

「3名の騎士が殉職…怪我人は…この有り様です」

 実に適当な報告ではあるが、詳しく報告したくない戦果なのだろう。

「残念です…殉職者の家族には手厚い対応を」

「はっ!」

 特に文句を言わずオズワルドが下がっていった。

「あの、皆さんの治療をいたしましょうか?」
 リリィが提案する。

「いえ、こちらにもポーションの備蓄はあります。それに冒険者のことを見下している者もあの中にはいます。リリィには嫌な思いをして欲しくないので」

「わかりました。ありがとうございます。ステラ」

 ステラは「いえ」と難しい顔をしたまま建物の中に入っていく。

 オレたちは報酬の受け取りを待っていたのだが、遠征部隊が帰還したことでバタバタしているのか、いつもよりだいぶ時間がかかっていた。

 以前も座った訓練場がよく見える大きな窓の近くの席に座っていると、外から声が聞こえてきた。窓を見ると少し開いていたようだ、そこから声が漏れてくる。

「おい!私が留守の間、あの化け物を始末する計画はどうなった!?」

「す、すみません。何度も実行しようとしたのですが、隙が見つからず…」

「くそっ!この無能め!これではいつになっても私が団長になれないではないか!」


「……あいつら、さすがにどうかしてるわ」

「ステラに報告すべきでしょうか…」

 リリィとソフィアが怒っている。

 当たり前だ。友人の殺害計画を堂々と聞かされているのだから。


「巡回中に隙をつくのが難しいのなら、次は毒でも使え!私が王都からとっておきの毒を取り寄せてやる!」

「は、はっ!次こそは必ず」


「……ねぇ!ちょっと!ライ!もう我慢できないわ!あいつらぶっ飛ばすわよ!」

 ソフィアが杖を取り出し、今にも立ち上がろうとするのを見て、なにも言わず、手だけで待って、とジェスチャーする。

 オレ自身もキレそうだったが、一旦、「ふー……」っと息をつく。

 ここでオレがキレて暴れたとしてどうなる?
 ステラの立場が悪くなるんじゃないか?

 考えるために目をつぶったところ、念じてもいないのに、攻略スキルのアドバイスが表示された。

-------------------------------
我慢しなくていいですよ。
-------------------------------

 ガタッ

 ブレーキを失ったオレは、すぐに椅子から立ち上がった。クソヤローのところへ向かう。

「おや?冒険者の諸君、なにか用かな?」

 とぼけた顔をしたオズワルドの胸ぐらをつかみ、
「おまえいい加減にしろよ!」と口を挟んだ。

「おやおや、一体どうしたんですか?野蛮ですねぇ」
 やつは両手をあげて降参のポーズをとる。

「誰を毒でどうするって?」

「いやー?なんの話です?ずいぶんと物騒なことだ」

 オレたちの騒ぎを聞きつけて、騎士たちが集まってきて、ざわざわし始めた。

「なにごとですか!」
 そこにステラも現れる。

「おぉ団長殿、あなたが雇った冒険者殿がなにやら錯乱しておられましてね。どうにかしていただけないでしょうか?」

「ライさん、その手を離してください」
 言われて一旦、手を離す。

「ふぅー、やはり、野蛮人が連れてくるのは野蛮人か…」

「どういう意味だ?」

「……」
 ステラはなにも言わない。

「いえいえ、なんでもありませんよ。ところで団長、貴族であるこの私に手をあげた平民に罰を与えてもよろしいか?」

「……なにかの行き違いでしょう。許可はできません」

「はっ!同族にはお優しいことで!」

 ヘラヘラとする目の前の男に怒りのボルテージがどんどんと上がっていく。

「さっきから、てめぇはなにふざけてやがる!」

「ライさん!やめなさい!」

「やめれるか!だってこいつはキミを毒殺するなんて言っていたんだぞ!」

 ステラが驚きの表情を見せるが、それよりも、オズワルドのニヤケ顔が気になった。〈待ってました〉と言わんばかりだ。

「なんという恐ろしいことを!私が団長を毒殺だなんて!そんな身も蓋もない話を!これは不敬罪にあたります!ここで処刑してあげましょう!」

 オズワルドは言いながら剣を抜いた。

 オレも剣を抜く。

「やってみろよ」

「2人ともやめなさい!」

「貴族のしきたりに口を出すな平民風情が!」

「おまえ!ふざけんな!」

「やめなさい!!」

 剣を交えそうになっているオレたちの間にステラが滑り込む。

「なんで止めるんだ!」

「騎士団での争いごとは許しません!」

「なにが騎士団だ!この騎士団に守る価値なんてあるのか!この組織は腐ってる!」

「……それでも私は…エルネスタ王国騎士団の団長なんです…」

「そんな肩書き捨てちまえ!こんなところにキミはいちゃダメだ!キミの身が危ないんだ!オレたちと来い!」

 言いながら、手をのばす。この手を今すぐ握って欲しかった。

「っ!」
 それを見て、彼女の目が少し揺らいだような気がした。

「おやおや!騎士団を愚弄しますか!これは陛下に陳情して一族郎党根絶やしにしてやりませんと!」

「……ライ、あなたに決闘を申し込みます」

「は?決闘?」

「あなたが勝てばオズワルドを罰しましょう。しかし、私が勝てば……もう2度と私の前に現れないでください…」

「なっ!私を罰する!?平民風情がなんの権利があって!?」

「彼が勝ったら、騎士団長権限であなたを国家反逆罪で処刑しましょう!静かに見てなさい!」

「なっ!?なにを…!」
 やつはステラの本気の目を見て静かになる。

「オレはキミと戦いたくない」

「なら、わざと負けて2度と私には関わらないでください」

「断る。キミはオレと来るんだ」

「では、決闘を…剣を構えなさい」

 戦意がないオレに向かって、ステラが殺気を放つ。

 あまりの殺気に、とっさのことでオレも強く剣を構えてしまった。

「それでいい…」

 彼女は言うなり、一瞬で間をつめ、斬りかかってくる。

 オレはなんとか剣の鍔で受けることができたが、そのまま剣を振り抜かれ後方に吹き飛ばされた。
 おもいっきり、背中から石壁に激突する。

「ぐっ!?……」

「ライ様!」
「ステラ!あんたなにするのよ!」

「来るな!」

 2人が駆け寄って来そうになったがそれを制す。

「はぁはぁ……オレが勝ったら、一緒に来いよ?」

「……」
 ステラは答えない。

 オレは全力で駆け出し、ステラに斬りかかる。何度か剣戟を繰り出すが、全て止められる。彼女は疲れる素振りさえ見せない。

「もう……わかったでしょう…」

「まだまだ!」

 オレはさらに剣を振り回し、ライトニングも惜しみなく繰り出す。

 絶対に負けれない。

 こんな騎士団にステラを置いてなんていけない。

 強い思いを持って戦っているつもりだった。しかし、彼女のスピードにはついていけず、1発も当たらない。

 そうしているうちにオレの動きは鈍くなり、

「さよなら……」

 という彼女の言葉と共に、身体に何発もの峰打ちを貰うことになった。



 オレは地面に倒れて、天を仰いでいる。身体は動かない。

「これでこの騒ぎは終わりです!オズワルドの罪は不問とします!解散!」

「ライ様!」
「ライ!」

 2人が駆け寄ってきてくれて、リリィが治療をしてくれる。

 この日、オレは自分の弱さを何度も後悔した。




-----------------------------------------------------------------------------------
エルネスタ王国騎士団西方支部を壊滅させ、ステラを攫ってください。
-----------------------------------------------------------------------------------

 リリィとソフィアに肩を貸してもらいながら駐屯地の門をくぐると、オレの瞼に新しいアドバイスが表示され、オレは静かにその内容を噛み締めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います

八神 凪
ファンタジー
 平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。  いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――  そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……  「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」  悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?  八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!  ※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

国家魔術師をリストラされた俺。かわいい少女と共同生活をする事になった件。寝るとき、毎日抱きついてくるわけだが 

静内燕
ファンタジー
かわいい少女が、寝るとき毎日抱きついてくる。寝……れない かわいい少女が、寝るとき毎日抱きついてくる。 居場所を追い出された二人の、不器用な恋物語── Aランクの国家魔術師であった男、ガルドは国の財政難を理由に国家魔術師を首になった。 その後も一人で冒険者として暮らしていると、とある雨の日にボロボロの奴隷少女を見つける。 一度家に泊めて、奴隷商人に突っ返そうとするも「こいつの居場所なんてない」と言われ、見捨てるわけにもいかず一緒に生活することとなる羽目に──。 17歳という年齢ながらスタイルだけは一人前に良い彼女は「お礼に私の身体、あげます」と尽くそうとするも、ガルドは理性を総動員し彼女の誘惑を断ち切り、共同生活を行う。 そんな二人が共に尽くしあい、理解し合って恋に落ちていく──。 街自体が衰退の兆しを見せる中での、居場所を失った二人の恋愛物語。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...