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3章 白髪クソガキ魔女っ娘

第22話 ハーレムへの第一歩

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 リリィの承諾も得たことだし、オレは攻略スキルを開いてマップ上の赤い点を選択し、『攻略対象に設定』と念じた。

 すると、攻略さんからすぐにアドバイスが表示される。

-----------------------------------------------------------------------------------------------
ギルドに行き、パーティ募集の貼り紙を確認してください。

その後、モンスター討伐依頼をこなし、夕方までにはギルドに戻って来てください。

ギルドに戻ったら、騒ぎを起こしている中心人物に接触し、なにを言われても反論せず、パーティに誘ってください。
-----------------------------------------------------------------------------------------------

「……」

 〈騒ぎを起こしている〉
 〈なにを言われても反論せず〉

 この2つの文言が気になる……気性が荒そうな人物である。

 まぁ!でも!会ってみないと何もわからないしね!

 オレはハーレムの第一歩を踏み出せることで謎のポジティブを発揮し、これ以上考えるのをやめた。

「じゃあ、そろそろギルドに行こうか」

 カーテンの向こうから、身支度が整ったリリィが出てきたので、そう声をかける。

「はい、お待たせしました」

♢♦♢

 オレたちはギルドに赴き、まずは攻略さんの指示通り、掲示板でパーティ募集の貼り紙を確認した。

 パーティ募集、パーティ募集、あ、この辺か。

 パーティ募集の張り紙は、掲示板の右端にまとまっており、今は3枚しかないようだった。

-------------------------------------------------------------------
1枚目
 [募集人材] 回復魔法が使える方
 [条件] ランク制限なし、どなたでも
 [現パーティ構成] 前衛職3名
 [ひとこと] アットホームな男の園です

2枚目
 [募集人材] 前衛職募集
 [条件] 冒険者ランク上級以上
 [現パーティ構成] 魔法職上級Aが1名
 [ひとこと] 特になし

3枚目
 [募集人材] 攻撃魔法が使える後衛職の方
 [条件] 冒険者ランク中級以上の女性の方
 [現パーティ構成] 前衛職の女性2名のパーティです
 [ひとこと] 優しくて気軽に話せる子がいいです
-------------------------------------------------------------------

 なるほど、この3枚のうち、攻略対象の子が出したものがあるとすれば、2枚目だろう。

 相手は魔法を教えることができるレベルの魔法使いだ。

 [現パーティ構成]のところを見ると、魔法職で冒険者ランクが上級Aということなので、たぶんこの張り紙を出した子が攻略対象なんだと思う。

 んー、だとしたらマズいな。

 相手は上級以上の冒険者をお求めのようだ。オレのランクは中級C。この募集条件には当てはまらない。
 まぁ、攻略さんを信じるなら、なんとかなるのだろう。

「とりあえず今日もモンスター討伐にいこうか」

「はい」

 オレはパーティ募集の張り紙から目を離し、リリィに向き直る。

 そこで、周囲から注目を浴びていることに気づく。主に男の冒険者たちからの目線だった。そいつらは皆、リリィの方を見て様子を伺っていた。今までもリリィのことを見てるやつはいたが今日はやけに多い。

 そりゃこんだけの美少女だ。目を引くのもわかるが、なんだ?

 あ、そうか、エマの防具だ。今までのシスター服は、わりと地味目であったので、そこまで注目を浴びなかったが、今は違う。
 女性的で可愛らしい服をきた絶世の美少女がいるのだ。注目されるのは当然のことだろう。

「おい、おまえ声かけてこいよ?」
「いや、でも男連れだぜ?」
「あいつの女じゃねーかもしれないだろ?」

 みたいな声が聞こえてくる。

「……」

 オレはおもむろにリリィの頭を撫でて、
「いやー!今日もオレのリリィは可愛いなぁ!」
 と少し大きめの声を発する。

「あの、ライ様、恥ずかしいです…」
 少し赤くなってしまうリリィ。

 その様子を見て、周りの男たちからの視線は感じなくなった。
 あからさまに「チッ」と舌打ちをしているやつもいた。

 これで声をかけてこないだろう。満足したので、依頼書を持って受付に向かうことにした。

♢♦♢

 適当なモンスター討伐として、中級Cレベルの猫型モンスターを討伐することにした。

 見た目は可愛らしいため、討伐するのに抵抗を覚えたが、いざ戦闘になるとかなりの素早さに翻弄されることになり、少し苦戦してしまった。
 だが、しばらくしたら対処できるようになり、無事8匹の討伐をこなすことができた。今は二股の尻尾を剥ぎ取っているところである。

 まだ日は高いが、夕方までにはギルドに戻れ、という攻略さんの指示だったので、早めに帰ることにする。

 さぁ、一体どんな女の子が待ち受けているのだろうか。

 オレは討伐の疲れなんてすっかり忘れて、ワクワクした足取りで町へ向かって歩いていった。
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