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2章 ダンジョンと刀
第82話 生き様
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《荻堂視点》
俺のバカ弟子どもが俺をからかいながら、後を追いかけてくる。態度はムカつくが、不思議と悪い気はしない。
足が動かなくなって、思うように剣を振るえなくなったのに、俺の心は曇っていなかった。
俺に成せなかったことを成したこいつらのことを尊敬しているし、まだまだ鍛えてやりたいと思っているからだろうか。
そもそも、足が動かなくなったことや、双葉が閉じ込められたことは、俺の責任でもある。
ボス部屋の扉が突然閉じるのは、以前、俺も経験していたのに、何故、対策できなかったのか?それは、俺が勘違いしていたせいだ。
8年前のあのとき、俺のダチは、神器を俺に渡してから、俺を部屋の外に突き飛ばした。すると、すぐに扉が閉じ、最後の仲間が殺された。
俺は、このときの現象を侵入者を逃さないためのトラップだったのだと理解していた。俺がたまたま逃げれただけなのだと。だが、違った。あの扉は、侵入者を捕えるものではなく、神器を盗む盗人を捕えるために作動するものだったのだ。
だから、何も持たずに部屋を出るときには扉は作動せず、神器に手をかけたら作動したのだろう。
そこまで合点がいって、俺の認識が間違っていたと、改めてこいつらに説明したし、頭も下げた。
あと、足が動かなくなったことについてだ。
医者からは、「もう少し無酸素状態の時間が短ければ、後遺症が残らなかったかも」と言われた。ま、そんなもんは眉唾だが、そういうことなら、こっちの件も俺に責任がある。
あいつらをゲートから逃した後、俺はあそこに残って死ぬ気だったんだ。
全員が外に出たのを確認してから、ゲートに背を向け、城の方を眺めた。
『やっと、おまえらと同じところに行ける。俺の弟子がおまえらの仇をとってくれたぞ』そう考えながら目を閉じようとした。
だが、そのとき、町の門の前にあいつらがいるのが見えた。俺の仲間たちだ。
6人とも、笑いながら駆け寄ってきて、声は聞こえないが、バンバンと背中を叩いてきた。試合前の恒例行事だった。
意味は、〈絶対に負けるな〉だ。
「まだ戦えって?」そう質問した。
あいつらは笑って、頷いた。
バカやろーが。
そうかよ。なら、戦ってやるよ。死ぬまでな。そう思って、また城に背を向けた。
どっかのバカがこう言っていた。
『俺たちは最強だ!現代の7人の侍とは俺たちのことだ!!』
本当にバカなやつだ。だが、そんなおまえらが、俺は好きだった。
俺が侍になるところを、天国から見ててくれ。
そんなことを考えながら、ゲートをくぐったんだ。
ま、そういうことだ。今となっては朦朧とした意識で幻でも見てたんだろって話だが、あの時間がなければ、俺の後遺症もなかったかもしれない。でも、あの時間があったから、俺の心は軽くなったし、また闘志を燃やすこともできている。
俺はこれからも戦っていく。こいつらと共に。
============
【あとがき】
2章まで読んでいただきありがとうございます。
荻堂一心という漢の生き様はどうだったでしょうか。
筆者は書きながら、「荻堂……おまえってやつは……」みたいな感じでした。
日頃の態度とは裏腹に、弟子思いだったり、仲間思いだったりするのが彼の魅力なのかな、と思ったりする次第でございます。
ココまで読んでくれたみんなはサスガのサスガに〈ファンタジー小説大賞〉の投票してくれてるよね?
ねぇ?
ということで、マジでご協力お願い致します。
皆さんの応援で本作を書籍化させてください!陸人たちの姿を絵で見たい!
引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m
俺のバカ弟子どもが俺をからかいながら、後を追いかけてくる。態度はムカつくが、不思議と悪い気はしない。
足が動かなくなって、思うように剣を振るえなくなったのに、俺の心は曇っていなかった。
俺に成せなかったことを成したこいつらのことを尊敬しているし、まだまだ鍛えてやりたいと思っているからだろうか。
そもそも、足が動かなくなったことや、双葉が閉じ込められたことは、俺の責任でもある。
ボス部屋の扉が突然閉じるのは、以前、俺も経験していたのに、何故、対策できなかったのか?それは、俺が勘違いしていたせいだ。
8年前のあのとき、俺のダチは、神器を俺に渡してから、俺を部屋の外に突き飛ばした。すると、すぐに扉が閉じ、最後の仲間が殺された。
俺は、このときの現象を侵入者を逃さないためのトラップだったのだと理解していた。俺がたまたま逃げれただけなのだと。だが、違った。あの扉は、侵入者を捕えるものではなく、神器を盗む盗人を捕えるために作動するものだったのだ。
だから、何も持たずに部屋を出るときには扉は作動せず、神器に手をかけたら作動したのだろう。
そこまで合点がいって、俺の認識が間違っていたと、改めてこいつらに説明したし、頭も下げた。
あと、足が動かなくなったことについてだ。
医者からは、「もう少し無酸素状態の時間が短ければ、後遺症が残らなかったかも」と言われた。ま、そんなもんは眉唾だが、そういうことなら、こっちの件も俺に責任がある。
あいつらをゲートから逃した後、俺はあそこに残って死ぬ気だったんだ。
全員が外に出たのを確認してから、ゲートに背を向け、城の方を眺めた。
『やっと、おまえらと同じところに行ける。俺の弟子がおまえらの仇をとってくれたぞ』そう考えながら目を閉じようとした。
だが、そのとき、町の門の前にあいつらがいるのが見えた。俺の仲間たちだ。
6人とも、笑いながら駆け寄ってきて、声は聞こえないが、バンバンと背中を叩いてきた。試合前の恒例行事だった。
意味は、〈絶対に負けるな〉だ。
「まだ戦えって?」そう質問した。
あいつらは笑って、頷いた。
バカやろーが。
そうかよ。なら、戦ってやるよ。死ぬまでな。そう思って、また城に背を向けた。
どっかのバカがこう言っていた。
『俺たちは最強だ!現代の7人の侍とは俺たちのことだ!!』
本当にバカなやつだ。だが、そんなおまえらが、俺は好きだった。
俺が侍になるところを、天国から見ててくれ。
そんなことを考えながら、ゲートをくぐったんだ。
ま、そういうことだ。今となっては朦朧とした意識で幻でも見てたんだろって話だが、あの時間がなければ、俺の後遺症もなかったかもしれない。でも、あの時間があったから、俺の心は軽くなったし、また闘志を燃やすこともできている。
俺はこれからも戦っていく。こいつらと共に。
============
【あとがき】
2章まで読んでいただきありがとうございます。
荻堂一心という漢の生き様はどうだったでしょうか。
筆者は書きながら、「荻堂……おまえってやつは……」みたいな感じでした。
日頃の態度とは裏腹に、弟子思いだったり、仲間思いだったりするのが彼の魅力なのかな、と思ったりする次第でございます。
ココまで読んでくれたみんなはサスガのサスガに〈ファンタジー小説大賞〉の投票してくれてるよね?
ねぇ?
ということで、マジでご協力お願い致します。
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引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m
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