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2章 ダンジョンと刀
第58話 勝手に加入させてみた
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荻堂さんと会った翌日の日曜日、オレは訓練場でアトムと戦った後、地面に座り《クラス替え》スキルの画面を眺めていた。
「うーむ……」
自分のステータスを見てみる。オレの今のステータスはこんな感じだ。
―――――――――――――――――――
氏名:咲守陸人(さきもりりくと)
年齢:15歳
性別:男
役職:学級委員
所有スキル:クラス替え
攻撃力:63(B+)
防御力:42(C+)
持久力:93(A+)
素早さ:78(A-)
見切り:24(D)
魔力:1(E-)
精神力:75(A-)
統率力:271(E+)
総合評価:B
―――――――――――――――――――
体力測定で注目されるためにステータスポイントの割り振りを行って、結構強くなったはずなのに、荻堂さんには手も足も出なかった。なので、気になった。
『あの人のステータス、どうなってんだ?』と。
気になりだすと止まらない。そわそわし始めて、確認したいという欲求が強くなる。オレは、なんとなく新規メンバー加入のボタンを押してみた。すると、
―――――――――――――――――――――――――
新たにクラスに加入させるのは、荻堂一心ですか?
Yes or No
―――――――――――――――――――――――――
と表示された。
「おお?へぇ~、本人が近くにいなくても加入させれるんだ?……」
じっと、〈Yes or No〉の選択肢をみる。
「……えい」
深く考えず、Yesを押すことにした。ようするに欲望に逆らわなかったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
荻堂一心がクラスに加入しました。
加入ボーナス5ポイント、好感度ボーナス5ポイントを付与します。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「おお!加入できた!ってことは、荻堂さん、やっぱオレのこと認めてくれてるんじゃん!なんか嬉しいな!ではさっそくステータスをば!」
ワクワクしながら、荻堂一心の座席をタップする。そこに表示されたステータスはというと――
「こ、これは!?」
♢
翌日、午前中の授業が終わり、お昼ご飯を教室で食べていると、廊下からバタバタと足音が聞こえてきた。
ウィーン。教室のドアが開き、知った顔が現れる。二日ぶりの顔だ。そしてキレ顔であった。
「咲守!おまえやりやがったな!」
荻堂さんであった。
ズカズカとオレの前までやってきて、襟を掴み持ち上げられる。
「あばばば」
オレはピーンとつま先だけで立つような姿勢になってしまった。
「おまえ!オレをクラスに入れやがっただろ!」
「あー!そうなんですよ!マジで師匠のステータスすげーっすね!オレこれからの修行が楽しみです!これからよろしくお願いします!」
「なにがよろしくだてめぇ!」
さらに持ち上げられ、足が地面から離れる。
「お、落ち着いて……し、ししょう、うえっ……」
「誰が師匠だ!」
「だ、だって、教えてくれるって……ぐるじい……」
「朝からわけわからん電話が鳴り止まなくって、呼び出されたとこに来てみれば今日から顧問よろしくだと!?なんなんだおまえのスキルは!誰も話が通じやしねぇ!俺は自分のルーティーンを崩されるのがなによりムカつくんだよ!わかったか!クソガキ!」
「……わ、わがりました……がくっ……」
「りっくん!?荻堂さん!りっくんが死んじゃう!」
「ちょっと、ノンデリ彼女無しオッサン、うちのノンデリーダー殺さないでよね。それでも最大戦力なんだから」
「なんなんだこのガキども!」
ポイッ。オレはそのあと、地面に捨てられたのだと、介抱してくれたゆあちゃんから聞いたのだった。
……そんなに怒らなくてもいいのに……なんか、ごめんなさい……
「うーむ……」
自分のステータスを見てみる。オレの今のステータスはこんな感じだ。
―――――――――――――――――――
氏名:咲守陸人(さきもりりくと)
年齢:15歳
性別:男
役職:学級委員
所有スキル:クラス替え
攻撃力:63(B+)
防御力:42(C+)
持久力:93(A+)
素早さ:78(A-)
見切り:24(D)
魔力:1(E-)
精神力:75(A-)
統率力:271(E+)
総合評価:B
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体力測定で注目されるためにステータスポイントの割り振りを行って、結構強くなったはずなのに、荻堂さんには手も足も出なかった。なので、気になった。
『あの人のステータス、どうなってんだ?』と。
気になりだすと止まらない。そわそわし始めて、確認したいという欲求が強くなる。オレは、なんとなく新規メンバー加入のボタンを押してみた。すると、
―――――――――――――――――――――――――
新たにクラスに加入させるのは、荻堂一心ですか?
Yes or No
―――――――――――――――――――――――――
と表示された。
「おお?へぇ~、本人が近くにいなくても加入させれるんだ?……」
じっと、〈Yes or No〉の選択肢をみる。
「……えい」
深く考えず、Yesを押すことにした。ようするに欲望に逆らわなかったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
荻堂一心がクラスに加入しました。
加入ボーナス5ポイント、好感度ボーナス5ポイントを付与します。
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「おお!加入できた!ってことは、荻堂さん、やっぱオレのこと認めてくれてるんじゃん!なんか嬉しいな!ではさっそくステータスをば!」
ワクワクしながら、荻堂一心の座席をタップする。そこに表示されたステータスはというと――
「こ、これは!?」
♢
翌日、午前中の授業が終わり、お昼ご飯を教室で食べていると、廊下からバタバタと足音が聞こえてきた。
ウィーン。教室のドアが開き、知った顔が現れる。二日ぶりの顔だ。そしてキレ顔であった。
「咲守!おまえやりやがったな!」
荻堂さんであった。
ズカズカとオレの前までやってきて、襟を掴み持ち上げられる。
「あばばば」
オレはピーンとつま先だけで立つような姿勢になってしまった。
「おまえ!オレをクラスに入れやがっただろ!」
「あー!そうなんですよ!マジで師匠のステータスすげーっすね!オレこれからの修行が楽しみです!これからよろしくお願いします!」
「なにがよろしくだてめぇ!」
さらに持ち上げられ、足が地面から離れる。
「お、落ち着いて……し、ししょう、うえっ……」
「誰が師匠だ!」
「だ、だって、教えてくれるって……ぐるじい……」
「朝からわけわからん電話が鳴り止まなくって、呼び出されたとこに来てみれば今日から顧問よろしくだと!?なんなんだおまえのスキルは!誰も話が通じやしねぇ!俺は自分のルーティーンを崩されるのがなによりムカつくんだよ!わかったか!クソガキ!」
「……わ、わがりました……がくっ……」
「りっくん!?荻堂さん!りっくんが死んじゃう!」
「ちょっと、ノンデリ彼女無しオッサン、うちのノンデリーダー殺さないでよね。それでも最大戦力なんだから」
「なんなんだこのガキども!」
ポイッ。オレはそのあと、地面に捨てられたのだと、介抱してくれたゆあちゃんから聞いたのだった。
……そんなに怒らなくてもいいのに……なんか、ごめんなさい……
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