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1章 奪う力と与える力
第16話 運命の日の前日
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「3日間もどこにいってましたの?わたくし、心配してましたのよ?」
「ごめんなさい……」
「だ!か!ら!どこに行ってましたの!」
「言えません……」
僕は、第四王子の別荘から自宅に帰ってきた翌朝、朝食の最中に、ピャーねぇに詰められていた。
「むー、ですわ……ディセ、セッテ」
「はい!ピアーチェス様!」
「な、ななな!なんでしょう!ピャー様!」
「ジュナがどこに行ってたか、教えてくださいます?」
ピャーねぇに笑顔で質問され、戸惑っている2人に対して、僕は首を横に振った。『絶対に言うな』の意だ
「ぴ、ぴぴぴ、ピャー様!今日はデザートがございましゅ!」
セッテが目をグルグルさせながら、プリンを運んでくる。震えまくって、お皿の上のプリンが激しくプルプルしていた。必死に誤魔化そうとしてくれているようだ。すごく申し訳ない気持ちになる。
「あら?美味しそうですわね……ディセ、あなたは答えてくださいますわよね?」
ニッコリ。
「……ピアーチェス様、これはサプライズというやつです」
「サプライズ?」
「ジュナ様は、それはそれはピアーチェス様のことを考えて行動されていましたよ」
「それは一体?」
「サプライズ、と言うやつです」
「そうですの?つまり……プレゼントですわね!テンションあがりますわー!」
ピャーねぇがアホで良かった。今日ほど、そう思った日は無かった。
「ふぅ……」
安心して息を吐いているディセと目が合い、お互いに笑い合う。その隣で、セッテがスプーンでプリンをすくってピャーねぇに食べさせていた。
「とっても美味しいですわー!」
今日も平和な我が家であった。
♢
-ギフト授与式前日-
僕は明日の授与式で起こることをシミュレーションしながら、金色の鍵を右手に持っていた。第四王子から奪ったギフトキーだ。
「すぅ……すぅ……うーん……じゅなぁ……むにゃむにゃ……」
目の前には、僕の家のソファで眠るピャーねぇ。
「ジュナ様、効果が薄い睡眠薬です。お早く」
「うん……」
ディセに促されて、ピャーねぇの前に跪く。
僕のこの行為は自分勝手なものなのかもしれない。ピャーねぇは、自分自身の力でなんとか国を守ろうと、これまで必死に生きてきた。その美しい志を汚してしまう行為かもしれない。
でも、志だけでは……この国では、通用しない。力が、圧倒的な力が必要なんだ。
だから僕は――
「……我が所持せし力の一端を汝に与えよう。《ギフト・キー》」
ピャーねぇの胸元に金色の鍵を当てがう。その鍵は光りと共に身体の中に差し込まれ、「カチリ」、僕がひねると同時に小さな音が鳴った。
鍵が開くようなそんな音が……
金色の鍵が光の粒になり、ピャーねぇの身体の中に吸い込まれていく。
「ごめん……ピャーねぇ……でも、きっとこれでピャーねぇは助かるから……」
「……うぅん……」
もぞもぞと動き出したピャーねぇから、一歩下がって目覚めるのを待つ。
「……あら?……ジュナ?わたくし、寝ておりましたの?」
「うん、明日は授与式だし、緊張してたのかもね」
「そうかしら?なんだか、ディセが淹れてくれた紅茶を飲んでいたら、とても気分が良くなりましたの。ありがとうですわ、ディセ」
「いえ……」
「今日もセッテのプリンはあるかしら?」
「はい!ございます!ピャー様!」
「それは嬉しいですわ。みんなで食べましょう。ほら、ジュナも、そんなところに立ってないで」
「うん……セッテのデザートはどれも美味しいからね!僕も楽しみだ!」
僕は明るい声を作って、なんでもなかったように取り繕う。それから僕たちは、4人一緒にセッテのデザートを楽しんだ。
♢
「それでは、また明日ですわ」
ピャーねぇを自宅の前まで送り届けたあと、バイバイと言う前に少し話をする。僕たちのことを玄関の外灯が照らしていた。
「うん。明日は頑張って。僕も見てるから。姉さんのこと」
「うふふ、ありがとうございます。ジュナが応援してくれたら百人力ですわ。自慢のお姉様の勇姿をその目に焼き付けるといいですの」
自信満々なセリフとは裏腹に、ピャーねぇは自身の両手を握りしめて震えていた。不安なのだろう。Eランクの自分が、もしギフト授与式で失敗したら、本当の意味で失敗作の烙印を押され、国外追放されるかもしれないからだ。もっと悪くすれば……処刑ということもありうる。でも、そうはならないと僕は知っていた。
励ますなら今しかない。式典の前には、もう話す時間なんてないからだ。
「ピャーねぇ」
ぎゅっと、姉さんの両手を包み込むように握りしめる。
「あら?あらあら?なんですの?」
僕が握りしめただけで、そんなことだけで、ピャーねぇの震えはおさまっていく。
「……姉さんは、僕の自慢の姉さんです。綺麗で、カッコよくて、優しくて……誰よりも美しい志を持ってて……だから、明日は絶対大丈夫です。絶対上手くいきます」
「あら……あらあら!まぁまぁ!なんて可愛い子なのかしら!おいでなさい!」
僕はピャーねぇに頭を掴まれて、抱き寄せられる。顔が胸の中に埋まってしまう。
「ふが!?ピャーねぇ!はしたないよ!」
「そんなことありませんわー!姉と弟のスキンシップですわー!うふふ!」
「わかった!わかったから!」
グッと抵抗して、ピャーパイの中から脱出した。
「あら?そんなに赤くなって、おませさんですのね?」
「ピャーねぇ……僕もう13なんだけど……」
「そうですわね。まだ子どもですわー」
「そんなことありません。僕も男です。はしたないことはやめなさい」
というか、早熟な僕としては、だいぶ前から大人になっている自覚があった。だから、こういうスキンシップは気まずいのである。
「うふふ、背伸びしてるジュナも可愛いですわ」
「はぁ……とにかく、姉さんは大丈夫なので、明日は自信を持って臨んでください。セーレンさんもきっと良い才能を持ってますよ」
「そうですわね。あの方のようなお優しい人には、きっと素晴らしいスキルが発現するはずですわ」
「うん、僕もそう思うよ」
「それではまた明日……ジュナのおかげで元気がでましたわ」
「うん、じゃあまたね。ずっと応援してるから」
僕は、帰るのを名残惜しそうにしているピャーねぇに手を振って玄関の前で見送った。
ピャーねぇが玄関を開けると、いつも通り優しそうな母親が待っていて、ピャーねぇを抱きしめてくれる。それから、僕にも会釈してくれた。
僕は2人に手を振ったあと、自宅に戻ることにする。
♢
コンコンコン。
「ん?はぁーい」
明日に備えて早めに寝ようと思ってベッドで寝転んでいると、自室の扉がノックされた。
ガチャ。
「ジュナ様……」
「セッテ?どうかしたの?」
扉の向こうには、もふもふのパジャマを着たセッテが不安そうな顔で立っていた。下は短パンで、上はパーカー。ピンクと白の縞々の可愛らしいパジャマだ。
「おねえちゃんが……」
「もしかして、また?」
「うん……」
「すぐ行く」
「ありがと……」
僕が立ち上がって廊下に出ると、セッテが僕の服の裾を掴んでゆっくりとついてきた。
ガチャ。セッテとディセの部屋の扉を開ける。
「……ぐすっ……ぐすっ……う、うう……」
ベッドの上でセッテとお揃いの色だけが違うパジャマを着たディセが泣いていた。ディセのパジャマは青と白の縞々だ。
「ディセ、大丈夫?」
声をかけながらそっとベッドに腰掛けて、頭に手を置く。
「ジュナ様?」
「うん、来たよ。もう大丈夫だ」
なるべく優しい声でディセの頭を撫で始めた。
「ディセは……怖いです……ぐすっ……」
「なにが怖いの?」
「明日……もし上手くいかなかったら……ピアーチェス様は……それに、ジュナ様も……」
「大丈夫、僕の力はディセも知ってるだろ?」
「はい……でも……ギフトキーを譲ったのは、はじめてです……」
「それでも、絶対大丈夫だ。僕を信じろ」
「はい……」
「おねえちゃん……」
僕の隣で立っているセッテもうるうるしていた。いつもはしっかりしている姉が不安になると泣き出すのを見るのは、やはり辛いのだろう。
「今日は3人で寝ようか」
「うん!」
「いいのですか?」
「もちろん、僕が真ん中でいいかな?」
「はい、ジュナ様、嬉しいです」
「ジュナ様だーいすき!」
2人のためにも、僕は生き延びないといけない。隣で眠る2人の頭を撫でながら、改めてそう思った。
「ごめんなさい……」
「だ!か!ら!どこに行ってましたの!」
「言えません……」
僕は、第四王子の別荘から自宅に帰ってきた翌朝、朝食の最中に、ピャーねぇに詰められていた。
「むー、ですわ……ディセ、セッテ」
「はい!ピアーチェス様!」
「な、ななな!なんでしょう!ピャー様!」
「ジュナがどこに行ってたか、教えてくださいます?」
ピャーねぇに笑顔で質問され、戸惑っている2人に対して、僕は首を横に振った。『絶対に言うな』の意だ
「ぴ、ぴぴぴ、ピャー様!今日はデザートがございましゅ!」
セッテが目をグルグルさせながら、プリンを運んでくる。震えまくって、お皿の上のプリンが激しくプルプルしていた。必死に誤魔化そうとしてくれているようだ。すごく申し訳ない気持ちになる。
「あら?美味しそうですわね……ディセ、あなたは答えてくださいますわよね?」
ニッコリ。
「……ピアーチェス様、これはサプライズというやつです」
「サプライズ?」
「ジュナ様は、それはそれはピアーチェス様のことを考えて行動されていましたよ」
「それは一体?」
「サプライズ、と言うやつです」
「そうですの?つまり……プレゼントですわね!テンションあがりますわー!」
ピャーねぇがアホで良かった。今日ほど、そう思った日は無かった。
「ふぅ……」
安心して息を吐いているディセと目が合い、お互いに笑い合う。その隣で、セッテがスプーンでプリンをすくってピャーねぇに食べさせていた。
「とっても美味しいですわー!」
今日も平和な我が家であった。
♢
-ギフト授与式前日-
僕は明日の授与式で起こることをシミュレーションしながら、金色の鍵を右手に持っていた。第四王子から奪ったギフトキーだ。
「すぅ……すぅ……うーん……じゅなぁ……むにゃむにゃ……」
目の前には、僕の家のソファで眠るピャーねぇ。
「ジュナ様、効果が薄い睡眠薬です。お早く」
「うん……」
ディセに促されて、ピャーねぇの前に跪く。
僕のこの行為は自分勝手なものなのかもしれない。ピャーねぇは、自分自身の力でなんとか国を守ろうと、これまで必死に生きてきた。その美しい志を汚してしまう行為かもしれない。
でも、志だけでは……この国では、通用しない。力が、圧倒的な力が必要なんだ。
だから僕は――
「……我が所持せし力の一端を汝に与えよう。《ギフト・キー》」
ピャーねぇの胸元に金色の鍵を当てがう。その鍵は光りと共に身体の中に差し込まれ、「カチリ」、僕がひねると同時に小さな音が鳴った。
鍵が開くようなそんな音が……
金色の鍵が光の粒になり、ピャーねぇの身体の中に吸い込まれていく。
「ごめん……ピャーねぇ……でも、きっとこれでピャーねぇは助かるから……」
「……うぅん……」
もぞもぞと動き出したピャーねぇから、一歩下がって目覚めるのを待つ。
「……あら?……ジュナ?わたくし、寝ておりましたの?」
「うん、明日は授与式だし、緊張してたのかもね」
「そうかしら?なんだか、ディセが淹れてくれた紅茶を飲んでいたら、とても気分が良くなりましたの。ありがとうですわ、ディセ」
「いえ……」
「今日もセッテのプリンはあるかしら?」
「はい!ございます!ピャー様!」
「それは嬉しいですわ。みんなで食べましょう。ほら、ジュナも、そんなところに立ってないで」
「うん……セッテのデザートはどれも美味しいからね!僕も楽しみだ!」
僕は明るい声を作って、なんでもなかったように取り繕う。それから僕たちは、4人一緒にセッテのデザートを楽しんだ。
♢
「それでは、また明日ですわ」
ピャーねぇを自宅の前まで送り届けたあと、バイバイと言う前に少し話をする。僕たちのことを玄関の外灯が照らしていた。
「うん。明日は頑張って。僕も見てるから。姉さんのこと」
「うふふ、ありがとうございます。ジュナが応援してくれたら百人力ですわ。自慢のお姉様の勇姿をその目に焼き付けるといいですの」
自信満々なセリフとは裏腹に、ピャーねぇは自身の両手を握りしめて震えていた。不安なのだろう。Eランクの自分が、もしギフト授与式で失敗したら、本当の意味で失敗作の烙印を押され、国外追放されるかもしれないからだ。もっと悪くすれば……処刑ということもありうる。でも、そうはならないと僕は知っていた。
励ますなら今しかない。式典の前には、もう話す時間なんてないからだ。
「ピャーねぇ」
ぎゅっと、姉さんの両手を包み込むように握りしめる。
「あら?あらあら?なんですの?」
僕が握りしめただけで、そんなことだけで、ピャーねぇの震えはおさまっていく。
「……姉さんは、僕の自慢の姉さんです。綺麗で、カッコよくて、優しくて……誰よりも美しい志を持ってて……だから、明日は絶対大丈夫です。絶対上手くいきます」
「あら……あらあら!まぁまぁ!なんて可愛い子なのかしら!おいでなさい!」
僕はピャーねぇに頭を掴まれて、抱き寄せられる。顔が胸の中に埋まってしまう。
「ふが!?ピャーねぇ!はしたないよ!」
「そんなことありませんわー!姉と弟のスキンシップですわー!うふふ!」
「わかった!わかったから!」
グッと抵抗して、ピャーパイの中から脱出した。
「あら?そんなに赤くなって、おませさんですのね?」
「ピャーねぇ……僕もう13なんだけど……」
「そうですわね。まだ子どもですわー」
「そんなことありません。僕も男です。はしたないことはやめなさい」
というか、早熟な僕としては、だいぶ前から大人になっている自覚があった。だから、こういうスキンシップは気まずいのである。
「うふふ、背伸びしてるジュナも可愛いですわ」
「はぁ……とにかく、姉さんは大丈夫なので、明日は自信を持って臨んでください。セーレンさんもきっと良い才能を持ってますよ」
「そうですわね。あの方のようなお優しい人には、きっと素晴らしいスキルが発現するはずですわ」
「うん、僕もそう思うよ」
「それではまた明日……ジュナのおかげで元気がでましたわ」
「うん、じゃあまたね。ずっと応援してるから」
僕は、帰るのを名残惜しそうにしているピャーねぇに手を振って玄関の前で見送った。
ピャーねぇが玄関を開けると、いつも通り優しそうな母親が待っていて、ピャーねぇを抱きしめてくれる。それから、僕にも会釈してくれた。
僕は2人に手を振ったあと、自宅に戻ることにする。
♢
コンコンコン。
「ん?はぁーい」
明日に備えて早めに寝ようと思ってベッドで寝転んでいると、自室の扉がノックされた。
ガチャ。
「ジュナ様……」
「セッテ?どうかしたの?」
扉の向こうには、もふもふのパジャマを着たセッテが不安そうな顔で立っていた。下は短パンで、上はパーカー。ピンクと白の縞々の可愛らしいパジャマだ。
「おねえちゃんが……」
「もしかして、また?」
「うん……」
「すぐ行く」
「ありがと……」
僕が立ち上がって廊下に出ると、セッテが僕の服の裾を掴んでゆっくりとついてきた。
ガチャ。セッテとディセの部屋の扉を開ける。
「……ぐすっ……ぐすっ……う、うう……」
ベッドの上でセッテとお揃いの色だけが違うパジャマを着たディセが泣いていた。ディセのパジャマは青と白の縞々だ。
「ディセ、大丈夫?」
声をかけながらそっとベッドに腰掛けて、頭に手を置く。
「ジュナ様?」
「うん、来たよ。もう大丈夫だ」
なるべく優しい声でディセの頭を撫で始めた。
「ディセは……怖いです……ぐすっ……」
「なにが怖いの?」
「明日……もし上手くいかなかったら……ピアーチェス様は……それに、ジュナ様も……」
「大丈夫、僕の力はディセも知ってるだろ?」
「はい……でも……ギフトキーを譲ったのは、はじめてです……」
「それでも、絶対大丈夫だ。僕を信じろ」
「はい……」
「おねえちゃん……」
僕の隣で立っているセッテもうるうるしていた。いつもはしっかりしている姉が不安になると泣き出すのを見るのは、やはり辛いのだろう。
「今日は3人で寝ようか」
「うん!」
「いいのですか?」
「もちろん、僕が真ん中でいいかな?」
「はい、ジュナ様、嬉しいです」
「ジュナ様だーいすき!」
2人のためにも、僕は生き延びないといけない。隣で眠る2人の頭を撫でながら、改めてそう思った。
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