29 / 31
第6章 モブ令嬢はその恋を貫く
第6章 モブ令嬢はその恋を貫く ③
しおりを挟む
「大船に乗ったつもりでいてください!」
「あ、ありがとう。でも、どうして?」
「どうしてって、アルフレッド様と踊るのでしょう? お兄様も戻ってきたって聞いたし、これであんたも自由に恋愛ができるわけじゃない」
そう言って笑うベロニカは、まだ少し悔しそうだった。けれどその表情は清々しく、もう前を向いて歩いているかのようにも見える。
「……ありがとう、ベロニカ」
「ふんっ。ほら、行くわよマリリン」
「はい! 学園でお待ちしていますね、ティナさん」
それから一週間ほど経って、傷口の抜糸が終わった頃にようやっと私は退院することができた。でも、心配性のお母様が私を屋敷から出してくれなくて、再び学園に戻ることができたのは事件から2週間以上経過した時だった。
「……ふうっ」
校門で馬車から降りて、私は荷物を抱えたまま学園に向かっていった。まずは寮に行って荷物を置いて、制服を着替える。これから職員室に向かう予定だから、ちゃんと制服を着ているか鏡の前で確認してから、私は校舎に向かった。他の生徒は授業中だから、廊下は私の足音が大きく響くくらい静まり返っていて――。
「あ! シモンズさん!」
その静けさは教室から聞こえてきた大声によってかき消されてしまった。先生が制止する声も聞かず、教室からドドッと同級生が溢れ出してきた。その中には、ベロニカやマリリンの姿もある。二人は出遅れてしまったみたいで、遠くの方でピョンピョンとジャンプしている。
「シモンズさん、大丈夫だった?」
真っ先に私を心配したのはリリアだった。私は「うん」と返すと、リリアは申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめんなさい、私がもっとイヴの事を見ていたらこんな事には」
そう言えば、一番近くにいたリリアもイヴの本性に気づくことはなかった。彼女はそれをすごく後悔しているみたいだった。
「ううん、誰が悪いとか、そういうんじゃないから大丈夫だよ。悪いのは全部、イヴとその一味だけ」
「……うん。イヴ、除籍処分だって」
捕まってしまったのだから、この学園も在籍させるわけにはいかない。それは最も適切な処分に違いない。けれど、仲が良かった友達がいなくなってしまったリリアは少し寂しそうにも見えた。
「全く、こんなに学校を休むなんて一体どういうつもり?」
「ご、ごめんなさい……」
ようやっと人の波を掻き分けたベロニカとマリリンが近づいてきた。ベロニカは少し疲れてしまったのか、息が上がっている。
「授業のノート、ティナさんの分も取っておきましたから」
「私も協力してやったんだからね!」
「ふふ、ありがとう」
三人で話している内に、先生が強引に他の同級生を教室に押し戻していっていた。私たちも教室に入る様に促される。二人に続こうとしたとき、私は誰かに腕を掴まれた。
「セオドア?」
「ちょっといいか?」
私は頷き、先生にバレないようにこっそりセオドアについて教室を離れていく。向かったのは裏庭だった。
「……それで、祝賀パーティーの事なんだけど」
セオドアは少し大きく息を吸い込み、壊れ物を差し出すようにそっと呟いた。私はその言葉に首を横に振る。
「ごめんなさい。私、セオドアと一緒に踊れない」
「そっか。なんだかんだ言って、丸く収まったんだな」
「うん。アルフレッドのおかげで、お兄様も戻ってきたの」
「あぁ、知ってる。良かったな」
お兄様の事はもうセオドアの耳に入って来ていたみたいだった。きっとベロニカたちが周りに広めていたに違いない。
「……私、もう少し自分の気持ちに正直に生きるわ」
「あぁ、そうした方がいい。でも、これから大変だな」
「ん? どういうこと?」
私が首を傾げると、セオドアは「気づいてないのか?」と呆れ、大きく息を吐く。
「だって、卒業祝賀パーティーで皇太子殿下と踊るってことは、将来のお妃さまってことだろ?」
「あ……っ」
「今気づくなよ、まったく。これじゃ先が思いやられるよ」
セオドアはいつもみたいな満面の笑みで笑った。私も釣られて笑みをこぼす。
「何か悩みが出来たらいつでも相談に乗るよ。……あ、でも、あんまりこの国にはいないかもしれないから、気軽にってわけじゃないけど。俺、旅に出るんだ」
「そうなんだ」
「おい、もっと驚けよ」
セオドアが卒業したらどうなるのかもよく知っているから、今更驚きなんてない。けれど、彼はそれが不満そうだった。
「兄さんに勧められたんだ。もっと世界に目を向けてみたらどうだって。だから、俺は悠々自適で気ままな一人旅に出ることにしたんだよ。もう幼馴染の事で心配する必要もなさそうだしな」
そう話すセオドアの表情はいつも以上にさっぱりとしているように見えた。
「そうだ、殿下なら図書室にいるみたいだぜ」
「え?」
「今日は何だかそわそわしているように見えたけど……もしかして、お前が学園に戻ってくるって知ってたのかな? とにかく、今日は教室では見てない。誰かが図書室でさぼってるのを見たってさ」
「ありがとう、行ってみる」
私はセオドアと別れ、図書室に向かう。本当なら先に職員室に寄る予定だったのに、教室に戻らなきゃいけないのに、私の心はもうそちらに飛んでしまっている。私は急いで、できるだけ静かに廊下を進んだ。
「……アルフレッド?!」
図書館についた私は、声を潜めて彼を探した。本棚をくまなく覗き込み、小説の棚でようやっと彼を見つける。
「やっと来たか」
「やっとって……こんな所にいるなんて、誰かに聞かなきゃわからないわ」
「それもそうだな。ティナ、話がある。大事な話だ」
私の背筋は自然と伸びていく。彼が口を開こうとしたとき、遠くから「ゴホン」という咳払いが聞こえてきた。
「きっと司書の先生だわ」
少し大きな声で話をし過ぎてしまったかしら? それとも、こんな所にいないで教室に戻るよう促しているのか。私が戸惑っていると、アルフレッドは「場所を移そう」と私の手を取った。私はその手をぎゅっと握り返すと、アルフレッドは振り返って笑みを見せた。それはとても幸せそうな笑い方で、私の胸もきゅんと弾む。
私は導かれるまま、天文台の階段を昇っていた。
「ここなら誰も来ないだろう」
アルフレッドは窓を開けていくので、私もそれに続いた。埃っぽかった室内は新鮮な空気と入れ替わっていく。
「あ、ありがとう。でも、どうして?」
「どうしてって、アルフレッド様と踊るのでしょう? お兄様も戻ってきたって聞いたし、これであんたも自由に恋愛ができるわけじゃない」
そう言って笑うベロニカは、まだ少し悔しそうだった。けれどその表情は清々しく、もう前を向いて歩いているかのようにも見える。
「……ありがとう、ベロニカ」
「ふんっ。ほら、行くわよマリリン」
「はい! 学園でお待ちしていますね、ティナさん」
それから一週間ほど経って、傷口の抜糸が終わった頃にようやっと私は退院することができた。でも、心配性のお母様が私を屋敷から出してくれなくて、再び学園に戻ることができたのは事件から2週間以上経過した時だった。
「……ふうっ」
校門で馬車から降りて、私は荷物を抱えたまま学園に向かっていった。まずは寮に行って荷物を置いて、制服を着替える。これから職員室に向かう予定だから、ちゃんと制服を着ているか鏡の前で確認してから、私は校舎に向かった。他の生徒は授業中だから、廊下は私の足音が大きく響くくらい静まり返っていて――。
「あ! シモンズさん!」
その静けさは教室から聞こえてきた大声によってかき消されてしまった。先生が制止する声も聞かず、教室からドドッと同級生が溢れ出してきた。その中には、ベロニカやマリリンの姿もある。二人は出遅れてしまったみたいで、遠くの方でピョンピョンとジャンプしている。
「シモンズさん、大丈夫だった?」
真っ先に私を心配したのはリリアだった。私は「うん」と返すと、リリアは申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめんなさい、私がもっとイヴの事を見ていたらこんな事には」
そう言えば、一番近くにいたリリアもイヴの本性に気づくことはなかった。彼女はそれをすごく後悔しているみたいだった。
「ううん、誰が悪いとか、そういうんじゃないから大丈夫だよ。悪いのは全部、イヴとその一味だけ」
「……うん。イヴ、除籍処分だって」
捕まってしまったのだから、この学園も在籍させるわけにはいかない。それは最も適切な処分に違いない。けれど、仲が良かった友達がいなくなってしまったリリアは少し寂しそうにも見えた。
「全く、こんなに学校を休むなんて一体どういうつもり?」
「ご、ごめんなさい……」
ようやっと人の波を掻き分けたベロニカとマリリンが近づいてきた。ベロニカは少し疲れてしまったのか、息が上がっている。
「授業のノート、ティナさんの分も取っておきましたから」
「私も協力してやったんだからね!」
「ふふ、ありがとう」
三人で話している内に、先生が強引に他の同級生を教室に押し戻していっていた。私たちも教室に入る様に促される。二人に続こうとしたとき、私は誰かに腕を掴まれた。
「セオドア?」
「ちょっといいか?」
私は頷き、先生にバレないようにこっそりセオドアについて教室を離れていく。向かったのは裏庭だった。
「……それで、祝賀パーティーの事なんだけど」
セオドアは少し大きく息を吸い込み、壊れ物を差し出すようにそっと呟いた。私はその言葉に首を横に振る。
「ごめんなさい。私、セオドアと一緒に踊れない」
「そっか。なんだかんだ言って、丸く収まったんだな」
「うん。アルフレッドのおかげで、お兄様も戻ってきたの」
「あぁ、知ってる。良かったな」
お兄様の事はもうセオドアの耳に入って来ていたみたいだった。きっとベロニカたちが周りに広めていたに違いない。
「……私、もう少し自分の気持ちに正直に生きるわ」
「あぁ、そうした方がいい。でも、これから大変だな」
「ん? どういうこと?」
私が首を傾げると、セオドアは「気づいてないのか?」と呆れ、大きく息を吐く。
「だって、卒業祝賀パーティーで皇太子殿下と踊るってことは、将来のお妃さまってことだろ?」
「あ……っ」
「今気づくなよ、まったく。これじゃ先が思いやられるよ」
セオドアはいつもみたいな満面の笑みで笑った。私も釣られて笑みをこぼす。
「何か悩みが出来たらいつでも相談に乗るよ。……あ、でも、あんまりこの国にはいないかもしれないから、気軽にってわけじゃないけど。俺、旅に出るんだ」
「そうなんだ」
「おい、もっと驚けよ」
セオドアが卒業したらどうなるのかもよく知っているから、今更驚きなんてない。けれど、彼はそれが不満そうだった。
「兄さんに勧められたんだ。もっと世界に目を向けてみたらどうだって。だから、俺は悠々自適で気ままな一人旅に出ることにしたんだよ。もう幼馴染の事で心配する必要もなさそうだしな」
そう話すセオドアの表情はいつも以上にさっぱりとしているように見えた。
「そうだ、殿下なら図書室にいるみたいだぜ」
「え?」
「今日は何だかそわそわしているように見えたけど……もしかして、お前が学園に戻ってくるって知ってたのかな? とにかく、今日は教室では見てない。誰かが図書室でさぼってるのを見たってさ」
「ありがとう、行ってみる」
私はセオドアと別れ、図書室に向かう。本当なら先に職員室に寄る予定だったのに、教室に戻らなきゃいけないのに、私の心はもうそちらに飛んでしまっている。私は急いで、できるだけ静かに廊下を進んだ。
「……アルフレッド?!」
図書館についた私は、声を潜めて彼を探した。本棚をくまなく覗き込み、小説の棚でようやっと彼を見つける。
「やっと来たか」
「やっとって……こんな所にいるなんて、誰かに聞かなきゃわからないわ」
「それもそうだな。ティナ、話がある。大事な話だ」
私の背筋は自然と伸びていく。彼が口を開こうとしたとき、遠くから「ゴホン」という咳払いが聞こえてきた。
「きっと司書の先生だわ」
少し大きな声で話をし過ぎてしまったかしら? それとも、こんな所にいないで教室に戻るよう促しているのか。私が戸惑っていると、アルフレッドは「場所を移そう」と私の手を取った。私はその手をぎゅっと握り返すと、アルフレッドは振り返って笑みを見せた。それはとても幸せそうな笑い方で、私の胸もきゅんと弾む。
私は導かれるまま、天文台の階段を昇っていた。
「ここなら誰も来ないだろう」
アルフレッドは窓を開けていくので、私もそれに続いた。埃っぽかった室内は新鮮な空気と入れ替わっていく。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
死んだはずの守護騎士様が、縋ってきます。だからって悪役令嬢にはなりませんからね?
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢として生まれた私の、最初で最後の恋。それは、守護騎士ディオス様との、幸せな思い出、そして悲しい別れ。
必ず私の元に帰ってくるという約束は果たされず、3年の月日が経ったある日、私の部屋の窓は木っ端微塵に。
そして、目の前にいたのは、魔王軍の軍服を身につけた、かつての守護騎士様。
悪役令嬢の私を、魔王軍の将軍になった元守護騎士様が、闇堕ちさせようとしているようです。
それは、縋られていることに気がつかない、悪役令嬢な私と、一途(ちょっとだけヤンデレ)な元守護騎士様の恋物語。
小説家になろう様でも投稿しています。
悪役令嬢は冷徹な師団長に何故か溺愛される
未知香
恋愛
「運命の出会いがあるのは今後じゃなくて、今じゃないか? お前が俺の顔を気に入っていることはわかったし、この顔を最大限に使ってお前を落とそうと思う」
目の前に居る、黒髪黒目の驚くほど整った顔の男。
冷徹な師団長と噂される彼は、乙女ゲームの攻略対象者だ。
だけど、何故か私には甘いし冷徹じゃないし言葉遣いだって崩れてるし!
大好きだった乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた事に気がついたテレサ。
断罪されるような悪事はする予定はないが、万が一が怖すぎて、攻略対象者には近づかない決意をした。
しかし、決意もむなしく攻略対象者の何故か師団長に溺愛されている。
乙女ゲームの舞台がはじまるのはもうすぐ。無事に学園生活を乗り切れるのか……!
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
行き倒れ令嬢と森の中のひだまり食堂~拾ってくれた恩は返します!~
ゴルゴンゾーラ三国
恋愛
ノイギレール王国に伯爵令嬢として転生した主人公・ベルティは、二十五歳という年齢で婚約破棄を突き付けられてしまう。もう行き遅れて手遅れな年齢で捨てられたことに怒ったベルティは、やけくそで家出をし、そのまま森で迷子になり行き倒れる。
行き倒れたところを助けてくれたのは、森の中に和食を提供する料理店の店主・ツムギだった。
彼の料理の腕と久しぶりの和食に感動するベルディだったが、ツムギのあまりにもひどい人見知りっぷりに店の経営が心配に。
行き倒れを助けてもらったお礼に、この店で働き、店の営業を手伝うことにするベルティ。
店の営業を手伝いつつ、ツムギの料理にがっつり胃袋を掴まれてしまったベルティは、次第にツムギのことが気になるようになっていき……。
転生先で伯爵令嬢からウエイトレスにジョブチェンジ! 恋愛&グルメストーリー。
【この作品は『小説家になろう』『カクヨム』にも掲載しています】
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる