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4 王子たちの戯れ
4 王子たちの戯れ ⑤
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「それに……!」
アレクセイは、思わず声を張り上げていた。
「お前が以前作っていたもの……俺も作れないかと思っただけだ! あれは見事な品だった。職人を育て、装飾品として輸出してもいいくらい」
「なに、それ?」
ミサキが小さく笑い声をあげていた。……アレクセイは、ほっと一安心していた。ミサキの表情に笑みが戻ったことに。
「……教えてあげようか?」
「は?!」
「私、教えるの下手だから……上手にできるか分からないけれど」
ミサキは花畑に座り、本を置いた。アレクセイのマントを促すように引くと、アレクセイもその隣に座り込む。ミサキが花を二本摘むと、アレクセイもそれに倣って花をちぎるように摘んだ。
「茎を……こう、クロスさせて」
「ん? こうか?」
「そう、そして……花が上に来ている方の茎を、くるっともう一つの花の茎に巻きつけるの。それの繰り返し」
「……もう一度、ゆっくり見せろ」
「ふふ、はーい」
ミサキはそう言って、ゆっくり花を編んでいく。アレクセイはミサキの手元ではなく……その横顔をまじまじと見つめていた。摘んだばかりの花は編まれることなく、アレクセイの手の中に残る。
「アレクセイ? わかりにくい?」
「ん? そういう訳ではないが……」
「でも、手が動いていないから」
「いや、そういう訳ではなく……」
どことなく、アレクセイの顔が赤い。熱でも出したかと、ミサキはアレクセイの額に手を伸ばした。アレクセイは驚いた様子で、その肩が大きく跳ねた。
「……な、何だ、急に」
「ううん、大丈夫かなって思って」
「お前に心配されるような筋合いはない……ほら、続きを見せろ」
「もう!」
花を編むミサキの隣で、アレクセイはこっそり目を閉じた。そして、夢想する……アレクセイとミサキ、そしてまだ見ることのない子の三人で同じように花を囲む日の事を。しかし、それはある現実がそれに影を落とす。ミサキは……子を産んだら、この世界からいなくなる。それが彼女が望んだことであるというのは、アレクセイも分かっていた。だからこそ積極的に抱いてきた。しかし……最近では触れれば触れる程、この柔らかい存在を手放したくなくなるような想いに駆られる。例え、ミサキが元の世界に帰ることを望んでいても、兄であるミハイルがミサキを抱くということを頭で理解していても……心は枯れた砂漠で水を欲するように、ミサキを望んでいる。耐えがたい痛みを感じながら、アレクセイは目を開けた。そして、その小さな肩を抱く。
「ひゃぁ……!」
ミサキは驚いて、顔を上げた。アレクセイはすかさずそんなミサキの唇にキスをする。柔らかな唇に、漂う甘い香り。一つだけいつもと違ったのは、その香りの奥に……男の臭いがあったことだ。
「お前、もしや……兄上に抱かれた帰りか」
「……あ、あの、その……」
アレクセイの胸が、じりじりと焦げ付く。
「……何、それがお前の勤めだからな。そのことについて怒りを覚える程……俺は心の狭い男ではない。だがな」
アレクセイはミサキの肩を押し、そのまま花畑の中に押し倒した。
「ここで兄上に負けるのは癪だ。俺にもヤラセロ」
「え? あ、あの……ちょっと待ってってば」
「待たぬ。俺の子種も流し込んでやろう。いいな、ミサキ」
そう言って、アレクセイは深くミサキに口付けた。媚薬の原料となる花の香りが、二人の鼻腔を甘くくすぐる。
アレクセイは、ミサキに残る兄の気配をかき消すように……強くミサキを抱きしめていた。そして、その小さな体を抱き上げる。初めて抱かれた時のような、お姫様抱っこだ。アレクセイはそのままミサキを、中央の長椅子まで運んでいく。
「あ、あの……アレクセイ?」
「黙っていろ」
アレクセイは長椅子に座り、ミサキを自分の膝の上で抱くように座らせた。アレクセイの膝の上に跨るミサキは、アレクセイを見下ろすような形になる。
アレクセイはミサキの胸元のリボンを口に咥え、そのままするりと解いていった。はらりと胸元がはだけ、ミサキの乳房は露わになる。それに……今の体勢だと、アレクセイの顔の前にミサキの胸がある状態だ。恥ずかしくて腰を引こうにも、アレクセイはミサキの腰をがっちりと強く抱いていて離れることも出来ない。
アレクセイは、ミサキのぷっくりと丸い乳首にそっと息を吹きかける。
「や……っ」
「これだけなのに感じたか?」
アレクセイの言葉の通り、たったそれだけなのにミサキの乳頭は硬さを増していく。アレクセイはちゅっと吸い付き、キャンディーを舐めるときの様に咥内で転がしていく。
「あ、だめ……や、やぁあ」
「だめではないだろう? 兄上に抱かれておいて、俺にはだめというのか?」
「そういうんじゃ、なくってぇ……」
ミハイルに高められたばかりの体が、いつも以上に敏感になっている。ミサキがもじもじと体を揺らすと、アレクセイの口に含まれたままの乳頭が彼の歯に当たり、快楽を生み出していく。
「いい子にしていろ、ミサキ……例え兄上に抱かれた後だとしても、俺がそれを上塗りしてやる。お前が孕むのは、俺の子なんだからな」
アレクセイは、思わず声を張り上げていた。
「お前が以前作っていたもの……俺も作れないかと思っただけだ! あれは見事な品だった。職人を育て、装飾品として輸出してもいいくらい」
「なに、それ?」
ミサキが小さく笑い声をあげていた。……アレクセイは、ほっと一安心していた。ミサキの表情に笑みが戻ったことに。
「……教えてあげようか?」
「は?!」
「私、教えるの下手だから……上手にできるか分からないけれど」
ミサキは花畑に座り、本を置いた。アレクセイのマントを促すように引くと、アレクセイもその隣に座り込む。ミサキが花を二本摘むと、アレクセイもそれに倣って花をちぎるように摘んだ。
「茎を……こう、クロスさせて」
「ん? こうか?」
「そう、そして……花が上に来ている方の茎を、くるっともう一つの花の茎に巻きつけるの。それの繰り返し」
「……もう一度、ゆっくり見せろ」
「ふふ、はーい」
ミサキはそう言って、ゆっくり花を編んでいく。アレクセイはミサキの手元ではなく……その横顔をまじまじと見つめていた。摘んだばかりの花は編まれることなく、アレクセイの手の中に残る。
「アレクセイ? わかりにくい?」
「ん? そういう訳ではないが……」
「でも、手が動いていないから」
「いや、そういう訳ではなく……」
どことなく、アレクセイの顔が赤い。熱でも出したかと、ミサキはアレクセイの額に手を伸ばした。アレクセイは驚いた様子で、その肩が大きく跳ねた。
「……な、何だ、急に」
「ううん、大丈夫かなって思って」
「お前に心配されるような筋合いはない……ほら、続きを見せろ」
「もう!」
花を編むミサキの隣で、アレクセイはこっそり目を閉じた。そして、夢想する……アレクセイとミサキ、そしてまだ見ることのない子の三人で同じように花を囲む日の事を。しかし、それはある現実がそれに影を落とす。ミサキは……子を産んだら、この世界からいなくなる。それが彼女が望んだことであるというのは、アレクセイも分かっていた。だからこそ積極的に抱いてきた。しかし……最近では触れれば触れる程、この柔らかい存在を手放したくなくなるような想いに駆られる。例え、ミサキが元の世界に帰ることを望んでいても、兄であるミハイルがミサキを抱くということを頭で理解していても……心は枯れた砂漠で水を欲するように、ミサキを望んでいる。耐えがたい痛みを感じながら、アレクセイは目を開けた。そして、その小さな肩を抱く。
「ひゃぁ……!」
ミサキは驚いて、顔を上げた。アレクセイはすかさずそんなミサキの唇にキスをする。柔らかな唇に、漂う甘い香り。一つだけいつもと違ったのは、その香りの奥に……男の臭いがあったことだ。
「お前、もしや……兄上に抱かれた帰りか」
「……あ、あの、その……」
アレクセイの胸が、じりじりと焦げ付く。
「……何、それがお前の勤めだからな。そのことについて怒りを覚える程……俺は心の狭い男ではない。だがな」
アレクセイはミサキの肩を押し、そのまま花畑の中に押し倒した。
「ここで兄上に負けるのは癪だ。俺にもヤラセロ」
「え? あ、あの……ちょっと待ってってば」
「待たぬ。俺の子種も流し込んでやろう。いいな、ミサキ」
そう言って、アレクセイは深くミサキに口付けた。媚薬の原料となる花の香りが、二人の鼻腔を甘くくすぐる。
アレクセイは、ミサキに残る兄の気配をかき消すように……強くミサキを抱きしめていた。そして、その小さな体を抱き上げる。初めて抱かれた時のような、お姫様抱っこだ。アレクセイはそのままミサキを、中央の長椅子まで運んでいく。
「あ、あの……アレクセイ?」
「黙っていろ」
アレクセイは長椅子に座り、ミサキを自分の膝の上で抱くように座らせた。アレクセイの膝の上に跨るミサキは、アレクセイを見下ろすような形になる。
アレクセイはミサキの胸元のリボンを口に咥え、そのままするりと解いていった。はらりと胸元がはだけ、ミサキの乳房は露わになる。それに……今の体勢だと、アレクセイの顔の前にミサキの胸がある状態だ。恥ずかしくて腰を引こうにも、アレクセイはミサキの腰をがっちりと強く抱いていて離れることも出来ない。
アレクセイは、ミサキのぷっくりと丸い乳首にそっと息を吹きかける。
「や……っ」
「これだけなのに感じたか?」
アレクセイの言葉の通り、たったそれだけなのにミサキの乳頭は硬さを増していく。アレクセイはちゅっと吸い付き、キャンディーを舐めるときの様に咥内で転がしていく。
「あ、だめ……や、やぁあ」
「だめではないだろう? 兄上に抱かれておいて、俺にはだめというのか?」
「そういうんじゃ、なくってぇ……」
ミハイルに高められたばかりの体が、いつも以上に敏感になっている。ミサキがもじもじと体を揺らすと、アレクセイの口に含まれたままの乳頭が彼の歯に当たり、快楽を生み出していく。
「いい子にしていろ、ミサキ……例え兄上に抱かれた後だとしても、俺がそれを上塗りしてやる。お前が孕むのは、俺の子なんだからな」
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