【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました

indi子/金色魚々子

文字の大きさ
上 下
26 / 51
4 王子たちの戯れ

4 王子たちの戯れ ⑤

しおりを挟む
「それに……!」

 アレクセイは、思わず声を張り上げていた。

「お前が以前作っていたもの……俺も作れないかと思っただけだ! あれは見事な品だった。職人を育て、装飾品として輸出してもいいくらい」

「なに、それ?」

 ミサキが小さく笑い声をあげていた。……アレクセイは、ほっと一安心していた。ミサキの表情に笑みが戻ったことに。

「……教えてあげようか?」

「は?!」

「私、教えるの下手だから……上手にできるか分からないけれど」

 ミサキは花畑に座り、本を置いた。アレクセイのマントを促すように引くと、アレクセイもその隣に座り込む。ミサキが花を二本摘むと、アレクセイもそれに倣って花をちぎるように摘んだ。

「茎を……こう、クロスさせて」

「ん? こうか?」

「そう、そして……花が上に来ている方の茎を、くるっともう一つの花の茎に巻きつけるの。それの繰り返し」

「……もう一度、ゆっくり見せろ」

「ふふ、はーい」

 ミサキはそう言って、ゆっくり花を編んでいく。アレクセイはミサキの手元ではなく……その横顔をまじまじと見つめていた。摘んだばかりの花は編まれることなく、アレクセイの手の中に残る。

「アレクセイ? わかりにくい?」

「ん? そういう訳ではないが……」

「でも、手が動いていないから」

「いや、そういう訳ではなく……」

 どことなく、アレクセイの顔が赤い。熱でも出したかと、ミサキはアレクセイの額に手を伸ばした。アレクセイは驚いた様子で、その肩が大きく跳ねた。

「……な、何だ、急に」

「ううん、大丈夫かなって思って」

「お前に心配されるような筋合いはない……ほら、続きを見せろ」

「もう!」

 花を編むミサキの隣で、アレクセイはこっそり目を閉じた。そして、夢想する……アレクセイとミサキ、そしてまだ見ることのない子の三人で同じように花を囲む日の事を。しかし、それはある現実がそれに影を落とす。ミサキは……子を産んだら、この世界からいなくなる。それが彼女が望んだことであるというのは、アレクセイも分かっていた。だからこそ積極的に抱いてきた。しかし……最近では触れれば触れる程、この柔らかい存在を手放したくなくなるような想いに駆られる。例え、ミサキが元の世界に帰ることを望んでいても、兄であるミハイルがミサキを抱くということを頭で理解していても……心は枯れた砂漠で水を欲するように、ミサキを望んでいる。耐えがたい痛みを感じながら、アレクセイは目を開けた。そして、その小さな肩を抱く。

「ひゃぁ……!」

 ミサキは驚いて、顔を上げた。アレクセイはすかさずそんなミサキの唇にキスをする。柔らかな唇に、漂う甘い香り。一つだけいつもと違ったのは、その香りの奥に……男の臭いがあったことだ。

「お前、もしや……兄上に抱かれた帰りか」

「……あ、あの、その……」

 アレクセイの胸が、じりじりと焦げ付く。

「……何、それがお前の勤めだからな。そのことについて怒りを覚える程……俺は心の狭い男ではない。だがな」

 アレクセイはミサキの肩を押し、そのまま花畑の中に押し倒した。

「ここで兄上に負けるのは癪だ。俺にもヤラセロ」

「え? あ、あの……ちょっと待ってってば」

「待たぬ。俺の子種も流し込んでやろう。いいな、ミサキ」

 そう言って、アレクセイは深くミサキに口付けた。媚薬の原料となる花の香りが、二人の鼻腔を甘くくすぐる。

 アレクセイは、ミサキに残る兄の気配をかき消すように……強くミサキを抱きしめていた。そして、その小さな体を抱き上げる。初めて抱かれた時のような、お姫様抱っこだ。アレクセイはそのままミサキを、中央の長椅子まで運んでいく。

「あ、あの……アレクセイ?」

「黙っていろ」

 アレクセイは長椅子に座り、ミサキを自分の膝の上で抱くように座らせた。アレクセイの膝の上に跨るミサキは、アレクセイを見下ろすような形になる。

 アレクセイはミサキの胸元のリボンを口に咥え、そのままするりと解いていった。はらりと胸元がはだけ、ミサキの乳房は露わになる。それに……今の体勢だと、アレクセイの顔の前にミサキの胸がある状態だ。恥ずかしくて腰を引こうにも、アレクセイはミサキの腰をがっちりと強く抱いていて離れることも出来ない。

 アレクセイは、ミサキのぷっくりと丸い乳首にそっと息を吹きかける。

「や……っ」

「これだけなのに感じたか?」

 アレクセイの言葉の通り、たったそれだけなのにミサキの乳頭は硬さを増していく。アレクセイはちゅっと吸い付き、キャンディーを舐めるときの様に咥内で転がしていく。

「あ、だめ……や、やぁあ」

「だめではないだろう? 兄上に抱かれておいて、俺にはだめというのか?」

「そういうんじゃ、なくってぇ……」

 ミハイルに高められたばかりの体が、いつも以上に敏感になっている。ミサキがもじもじと体を揺らすと、アレクセイの口に含まれたままの乳頭が彼の歯に当たり、快楽を生み出していく。

「いい子にしていろ、ミサキ……例え兄上に抱かれた後だとしても、俺がそれを上塗りしてやる。お前が孕むのは、俺の子なんだからな」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...