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126 ボイコット

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 王城案件はしばらく仕事しません。取り次ぐのも侯爵家経由でしか手紙も見ません。応対するのはヘラルド様の仕事の件だけです。と言うことで突っぱねた。アリアは何が起きたのだろうか。そう思いながらアリアのお風呂で髪を洗ったりマッサージをする。ミカエラはそれが無しでも平気ではあるが、アリアが身だしなみの品位を保つために強引に行なっているに近い。

「お貴族様は大変ですね。」
「庶民だからお貴族様をする気にもならない。アリア、この辺一角の家事を最低賃金でしろって言われたらどうする?」
「…さすがにお断りしますねー割に合わなさすぎます。お仕えしている家だけならともかく…」
「そんな仕事が王城で議論されているらしいから行かない。」
「わかりました。それは嫌ですね。」



 ミカエラがいつもの出勤日に来なくなって王城勤務の魔導士たちは首を傾げ始めた。今日は体調不良なのだろうか???でもそう言う時でも侯爵家経由で連絡があるはずだと思いながら仕事をする。
 いつもとは少し違う。そう感じた魔導士たちがユーリに確認する。

「あぁ、ミカエラならしばらく来ないよ。王宮の仕事をしたくないって。自分らで頑張れって。」

 なんでそんなことになっている????こっちが何か彼女に失礼を働いたのだろうかと。魔導士団で話をしたが訳がわからない。と、ユーリたちに確認をしに行く。

「あぁ、君たちに文句があるわけじゃないよ。この発注案が出ているからミカエラはしばらく仕事したくないんだ。」

 発注書を見せると魔導士団の人間は笑顔で固まっていた。発注数、納期、料金どれもおかしい。

「なんですかこれ!!!」
「国境警備をしている辺境伯たちからの要望書たち。ミカエラのことをなんだと思っているんだろうね。試作の試験運用を回せと言いながらこれだ。それに対してミカエラが自分たちで自給自足しろと言うことだから作り方を契約魔術でガッチガチに縛って技術供与と金銭をふんだくるから絶対に助けないように。」

 魔導士団の地位も高くなかった。予算も多くないが、この新技術で注目され始めて技術を磨きながら研究を日進月歩で進めて量産できるように細かいことができる人間を増やしているのにこの発注納期、料金は誰が見ても怒る。それに対してユーリたちも自給自足しろ。と言うことで話を進めているらしい。

「だからミカエラは怒ってクソ面倒くさい貴族対応や王宮の仕事なんてしてやるかって家で本業しているからそっちもしばらくなしで頑張ってほしい。仕方ないよね。ミカエラからしたらこれが副業なんだから。」
「わかりました。ミカエラ嬢がいない間にこちらの研究を進めようかと思います。」

さて、細かいことはこちらでするのが仕事だ。上から命じるだけで動く人間ではない。その事を理解してもらわないと。




王宮の仕事がなくても程々の忙しさがある。ミカエラは工房で仕事ではなく、資料を広げながら何を作ろうか検討中であった。デザインを描いてみるがなんだかしっくり来ない。気持ち大きめの宝石に花型に削ったクズ石たちで囲んでみる…花型は面白くない。虫???蝶とかてんとう虫???添えるだけならその方がいいかな。
とりあえず作ってみる。

「ミカエラ様って犬派ですか?猫派ですか?」
「…もふもふしててぷにぷに触らしてくれるならどっちも好き。」
「…ミカエラ様そんなに動物好きならペット飼われたらどうですか?私お世話しますよ?」

アリアに言われたがモフみは結構補充出来ている。というのを言えないがここまでモフみがないと言うのは変だろうか。

「うーん。人のお金で買ってもらった家だからあまり傷つけたくないというか…馬車の馬だけでも結構癒されてるから…」



もふもふ!!!!!食後の寝る前ではあるがイザークが犬の姿になる。(任意)寝るまでもふもふ堪能させてくれるなら寝たあと抱き枕にしようが腕枕をしてくれようがおまかせだ。キスはしたくない。が、モフモフの代価で酸欠近くまで長いキスを要求される。

「ん…長…」
「犬派ですよね?」
「な…」
返答もさせずに口を塞いでくる。苦しい…心地いいのに苦しくなるまでされてしまう。服の下に手が入ってくる…

「手が冷たい…」
「触れてて良いですか。触れるだけにしますから。」
「いや、まず毛玉ですよ。寝たあとは良識と常識の範囲なら…」

もふもふと、大型犬の姿になったイザークに抱き着いて顔を埋めて足でもガシッと引っ付く。すやすやと眠りにつく。

イザークはミカエラが熟睡するまで犬の姿で抱き枕になり、熟睡を確認してから元の姿になる。

距離が少し近くなる。寝たくない。匂いに埋もれて眠りたい欲望と寝顔を眺めていたい欲望とがある。食べたい程に良い匂い。呪いのせいだが呪いのおかげでもある。
あの身内どうしたものか…子供の時に制御出来ずにあの忌まわしい獣の姿になった時に鎖に繋いで閉じ込めたあの一族に未練も何も無い。カッコイイとか便利そうだと見てくれた友人であり幼なじみで雇い主…そして自分の唯一無二の存在はあの姿の方が好きだと言ってくれる。
ユーリ様に忠義を尽くすのとミカエラのそばに居たいを両立する為にはミカエラが得る爵位欲しさに結婚が1番いい。
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