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70 新装備
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アリアが入らないように鍵をかけて入るなとプレートを掛けてあるから大丈夫。
森の焼ける匂い。煤の匂い。目の前にふわりとエルフの女性がいた。綺麗な見目なのにお腹から中身が出ているし傷だらけだ。認識すると身体が崩壊した。
傍に行くと痛い苦しいと泣いている。
「誰…」
「ここは核石の中。貴方は残穢。」
顔の近くに座り抱き起こして飛び出ている中身に手を翳すと綺麗に中に入った。
「痛くないですよ。」
「痛いわ…あの穢らわしいゴブリンに汚されたの」
「貴方はとても綺麗ですよ。汚れたらお風呂で洗いましょうか?」
洗浄魔法を施す。学園で習う素材の中で取り扱い注意が貴重素材で知性が高いモノの素材。エルフが魔力を蓄積する核石、ドラゴンの魔石等など。ある程度人語を理解出来るモノは怨みや怨念を持つから対話などを用いて自分には無害になるようにしなければならない。魔力の高い神官だと浄化魔法や解呪で1発なんだろうけれど、私にはそんな素敵な魔力がないので一つ一つ話をして自分のものとする必要がある。
話できるかな?と、綺麗に戻すが勿論これは治しているのではなく直している。記憶の捏造。そう見せているだけなので本人が痛むとか治っていないと言うならすぐに元に戻る。神聖属性で認識を直すだけだ。こういう素材を買える人は神官に依頼するお金もあるから基本神官任せ。自分が呪われるリスクもある。お金をケチりたい又は呪詛の元凶と交渉して効果をあげるようにするか。
何が出るかは私の想像力か中の残穢の記憶にあるものか…一度体験したけれど泣いたんだよなぁ。人間的経験値が必須だと思った。さてと、私で出来ないなら起きて神殿だけど…
「貴方はこんなに綺麗だから大丈夫ですよ。」
そこからひたすら慰めるとかで決まってくるらしいが、私は慰めるなんて高騰技術を持ってないからだからひたすら話を聞くに徹した。そしてもう死んで核石しか残ってないことも理解してもらいつつ、出来れば気が向いたら協力してくれると嬉しいとお願いをすることに。
「私の石を削るのでしょ…」
「形が綺麗だったのでそれを活かしたいけれど、少しガリガリと…」
「…削らないなら良いわよ。手伝うの。」
「ちょっと削るのは許してください…」
「…いつも陽の光が当たるようにして。」
交渉成立なのだろうか。
目を覚ますと呪詛は残っているのに私が触れるとスっと消えた。手を離すと呪詛を帯びて濁る。個別交渉はこういう効果があるのか。取り敢えず命令?と言うより私以外が触ると宜しくないことが起きるが実験は怖い。腰に着けている作業用カバンを取り付けるベルトにつかう。落ちないように台座の固定は魔鉱銀と金を組み合わせる。効果を発揮させるための回路は基本不要。凶悪な御守り完成。
「アリアー」
「どうしました?ミカエラ様。」
作業場から出てきて声を上げて名前を呼ぶのが珍しいからなのかすぐに返事してくれた。
「これ私が家にいる間は日当たりのいい所で日光に当てといて。あ、でも石の部分触るのはダメ。エルフの核石で完璧に浄化してないから触ると呪われる。」
「分かりました!でも神殿で浄化出来ますよね?」
「そしたら誰でも触れるでしょ?日頃掃除している私が触れたらどうするのです…」
「一応にしているから大丈夫だと思うけど、私の大切な人だから傷付けたらダメだよ。」
呪詛で濁りきった石を磨きながら尋ねてみる。怨念やら濁りきったものが残っているだけなので意思というより思念。
「アリア、魔力を指先に集めて触れてみて。魔力を覚えて呪わないようにするって。」
「呪われたらミカエラ様負担で神殿ですよ…」
アリアが言われた通りに触れるとどす黒さはなく美しい石のままであった。
「大丈夫?」
「あ、はい。石触ってると人の声?するんですね。」
「石の人だね。名前聞きそびれた。日当たりがいい所に置いてあげて。持ち出す時は私が付けるけど。」
「分かりました。えっと花があると良いとか仰ってますけど…」
「いいよ。家の防犯任せるつもりだから。アリアが世話できる程度なら花でも果物でも買っていいよ。」
呪いの籠った石で家の防犯対策をしてもらうようにした。呪詛は呪詛なのでどう扱うかは持ち主次第。
アリアが気をつけるだけだと思うけれど。少し心配だったが、中の人の呪詛と少し会話が出来るようで花の飾り付けで色々話をしているらしい。あの人お喋りなのだろうか。家を守ってくれるならそれでいい。アリアがすごく良い人と言っているのである程度任せることにした。
「アリア、持ち出さないようにね。そこまでは許可してないから。」
「出しませんよ。エルフさんなのでお花の知識やお茶の組み合わせを一緒に考えてくれるんです。ちゃんと飲み合わせとかも確認して私が先に味見、毒見しているので問題ないですよ。」
ということでブレンドのお茶を飲んだのだけれども・・・・悔しくはないけれどいつもより美味しい。
「美味しいですよね!?」
「売り物とかにしたいなら配合を書いてユーリ様やエリザベス様にちゃんと報告したらいいわ。そうしたらお小遣い稼ぎにはなると思うよ。」
アリアが報告して傘下の商店で売り出したら売れてアリアと家の石とさらに親しくなってポプリなどを作って売り出してしまった。
森の焼ける匂い。煤の匂い。目の前にふわりとエルフの女性がいた。綺麗な見目なのにお腹から中身が出ているし傷だらけだ。認識すると身体が崩壊した。
傍に行くと痛い苦しいと泣いている。
「誰…」
「ここは核石の中。貴方は残穢。」
顔の近くに座り抱き起こして飛び出ている中身に手を翳すと綺麗に中に入った。
「痛くないですよ。」
「痛いわ…あの穢らわしいゴブリンに汚されたの」
「貴方はとても綺麗ですよ。汚れたらお風呂で洗いましょうか?」
洗浄魔法を施す。学園で習う素材の中で取り扱い注意が貴重素材で知性が高いモノの素材。エルフが魔力を蓄積する核石、ドラゴンの魔石等など。ある程度人語を理解出来るモノは怨みや怨念を持つから対話などを用いて自分には無害になるようにしなければならない。魔力の高い神官だと浄化魔法や解呪で1発なんだろうけれど、私にはそんな素敵な魔力がないので一つ一つ話をして自分のものとする必要がある。
話できるかな?と、綺麗に戻すが勿論これは治しているのではなく直している。記憶の捏造。そう見せているだけなので本人が痛むとか治っていないと言うならすぐに元に戻る。神聖属性で認識を直すだけだ。こういう素材を買える人は神官に依頼するお金もあるから基本神官任せ。自分が呪われるリスクもある。お金をケチりたい又は呪詛の元凶と交渉して効果をあげるようにするか。
何が出るかは私の想像力か中の残穢の記憶にあるものか…一度体験したけれど泣いたんだよなぁ。人間的経験値が必須だと思った。さてと、私で出来ないなら起きて神殿だけど…
「貴方はこんなに綺麗だから大丈夫ですよ。」
そこからひたすら慰めるとかで決まってくるらしいが、私は慰めるなんて高騰技術を持ってないからだからひたすら話を聞くに徹した。そしてもう死んで核石しか残ってないことも理解してもらいつつ、出来れば気が向いたら協力してくれると嬉しいとお願いをすることに。
「私の石を削るのでしょ…」
「形が綺麗だったのでそれを活かしたいけれど、少しガリガリと…」
「…削らないなら良いわよ。手伝うの。」
「ちょっと削るのは許してください…」
「…いつも陽の光が当たるようにして。」
交渉成立なのだろうか。
目を覚ますと呪詛は残っているのに私が触れるとスっと消えた。手を離すと呪詛を帯びて濁る。個別交渉はこういう効果があるのか。取り敢えず命令?と言うより私以外が触ると宜しくないことが起きるが実験は怖い。腰に着けている作業用カバンを取り付けるベルトにつかう。落ちないように台座の固定は魔鉱銀と金を組み合わせる。効果を発揮させるための回路は基本不要。凶悪な御守り完成。
「アリアー」
「どうしました?ミカエラ様。」
作業場から出てきて声を上げて名前を呼ぶのが珍しいからなのかすぐに返事してくれた。
「これ私が家にいる間は日当たりのいい所で日光に当てといて。あ、でも石の部分触るのはダメ。エルフの核石で完璧に浄化してないから触ると呪われる。」
「分かりました!でも神殿で浄化出来ますよね?」
「そしたら誰でも触れるでしょ?日頃掃除している私が触れたらどうするのです…」
「一応にしているから大丈夫だと思うけど、私の大切な人だから傷付けたらダメだよ。」
呪詛で濁りきった石を磨きながら尋ねてみる。怨念やら濁りきったものが残っているだけなので意思というより思念。
「アリア、魔力を指先に集めて触れてみて。魔力を覚えて呪わないようにするって。」
「呪われたらミカエラ様負担で神殿ですよ…」
アリアが言われた通りに触れるとどす黒さはなく美しい石のままであった。
「大丈夫?」
「あ、はい。石触ってると人の声?するんですね。」
「石の人だね。名前聞きそびれた。日当たりがいい所に置いてあげて。持ち出す時は私が付けるけど。」
「分かりました。えっと花があると良いとか仰ってますけど…」
「いいよ。家の防犯任せるつもりだから。アリアが世話できる程度なら花でも果物でも買っていいよ。」
呪いの籠った石で家の防犯対策をしてもらうようにした。呪詛は呪詛なのでどう扱うかは持ち主次第。
アリアが気をつけるだけだと思うけれど。少し心配だったが、中の人の呪詛と少し会話が出来るようで花の飾り付けで色々話をしているらしい。あの人お喋りなのだろうか。家を守ってくれるならそれでいい。アリアがすごく良い人と言っているのである程度任せることにした。
「アリア、持ち出さないようにね。そこまでは許可してないから。」
「出しませんよ。エルフさんなのでお花の知識やお茶の組み合わせを一緒に考えてくれるんです。ちゃんと飲み合わせとかも確認して私が先に味見、毒見しているので問題ないですよ。」
ということでブレンドのお茶を飲んだのだけれども・・・・悔しくはないけれどいつもより美味しい。
「美味しいですよね!?」
「売り物とかにしたいなら配合を書いてユーリ様やエリザベス様にちゃんと報告したらいいわ。そうしたらお小遣い稼ぎにはなると思うよ。」
アリアが報告して傘下の商店で売り出したら売れてアリアと家の石とさらに親しくなってポプリなどを作って売り出してしまった。
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