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50社会勉強-2
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ヘトヘトになったギルバート、ヴィルフリート達に与えられた食事は何か丸めたものが少し入った質素所ではないスープだ。肉も少しだけ。
「肉ならもっとあったはずだが。」
「1回の食事で全て食べるわけないでしょ。毎日取れるわけないんだし。」
食前のお祈りをして食べるのだが味が良いのか子供たちはガツガツと食べていた。
「リサ姉、お代わりは!?」
「全員1回分はあるから。」
節約メニューで取り敢えずお腹が膨らむように。と、簡単な庶民メニューで野菜クズはヤギの餌に回しながらも食べれそうな皮は取り敢えず煮込んで、刻んでスープにおかずとして放り込んだ。
これがスタートで、社会勉強組には交代で物乞いにリサと行ってもらって肉体労働手伝って少しのパンや野菜を分けてもらったり顔がいいからと多少の接客でお金を稼ぐなりして食材を買ってきてもらう。
勿論毎度上手くいくわけないし、肉が取れない時ももちろんある。空き時間は小さな子供たちの遊び相手や文字を教えたりやることが多すぎる。夜泣きする子もいるし、喧嘩の仲裁など取り敢えずありとあらゆる不条理を押し付けてもらう。孤児だからと下に見られるし、常に下手に出ろと言ってきた。
「ミカエラ、本当に物乞い行かせてるんだ…」
「醍醐味でしょ。お金は孤児院の運営なんだし、金がないのは国が悪いわけだし。庶民の金銭感覚は叩き込まれたと思う。」
「報告書作るにしても努力していた箇所も書いた方がいいと思う…」
「勿論。レオン様も大変だったんじゃ…???」
夜1人で書類を見るけれど入ってくるお金が予算以下で不正の書類を書き留めていく。そこにルシア先生のお金がないのという日記も添えておけば証拠能力としては効果があるだろう。子供が院長であるケルビ男爵に連れていかれた。どんな姿で見つかった。全て書いてある。知っている名前が目につく。
「…俺は騎士団で慣れてるから。複写代わるよ?」
「いえ…子供たちの相手とかで疲れてるでしょ。」
「体力あるからね。ミカエラの方が気疲れしてるでしょ。あの4人が変なことしないかって仕事割り振ったり調整していたり。」
7日間穏便に最底辺の生活を体験してもらうために徹底的に裏方に回って誰がどこで何してるのか、子供達が面倒くさそうにしてないか。そういうのを気にしながらあれしろこれしろ。と、色々言いまくって普段使わない頭を使って本当に疲れている。
「明日には終わりますから。」
「長かったような、短かったような…変わったと思う?」
「…そこから学ぶのか学ばないのかは個々によるかと思うから…なんとも言えないかな。」
「中々の衝撃体験だったと思うんだけどなぁ…」
絢爛豪華なお貴族様が短期間に子供達と仲良くなるために努力していたやせ細っている姿を間近で見て虫が湧く建物だから掃除をこまめにしないといけないし、雑草でも食べれるなら食べれるように調理する創意工夫で何とか食いつないでいる状況を仕方ないと思うのかどう思うのかは彼ら次第だ。
ルシア先生がホッコリとお土産たくさん抱えて帰ってきて交代する。取り敢えずロズウェル侯爵家で湯浴みをして着替えて帰るのだが、全員名残惜しそうにしているというか、何だか面持ちが違っているように見えた。
「ミカエラ、お疲れ。」
「あ、ユーリ様。お疲れ様でした。あのお土産です。ケルビ男爵が言い逃れした時用のルシア先生の日記の写です。差し上げます。」
羊皮紙に複写しまくった紙束を渡して。どうしたものかな。と、目線をそらす。渡したところで何もならないだろうけれど。
「ありがとう。明日から仕事しつつ新居決めないとね。」
「えっと、ヘラルド様に予算とか聞いた方がいいですよね?」
「うーん。取り敢えず出来高次第じゃないかな。」
出来高なんてあったの…ユーリが爽やか笑顔を向けているけれど…疲れた。
別邸でゴロゴロするのも最近は慣れてきたミカエラだが、やはり新居は欲しいので欲しい道具などを書き上げていく。
この広さが心地よいのかどうかだと心地よくなりつつあるけれど、可能なら家が欲しい。
「仕事の時間を作るために人を雇うか…お金はあるし…継続的にお金も入る…」
ヘラルドは持ち帰った甥っ子2人を見ると気まずそうにしていた。孤児院から戻って丸洗いしてもらい、傷んだ髪に悲鳴を上げられきらびやかな家に帰ってきたが違いにどういう顔をしていいか分からなかった。
「伯父上、あの…」
「さて2人ともあそこの孤児院は院長であるケルビ男爵が人身売買に関わっている証拠も揃ったから捕縛しているが、後任は誰がいいか決めてきなさい。どういう人間が向いているか分かるだろう。後任人事を考えるのが宿題だ。」
ケルビ男爵が捕らえられた。理由は悪質な人身売買と公金横領。ヘラルドが時間稼ぎのためにとそれなりの理由で屋敷に押しかけたら隠しきれなかった証拠がたんまりと出てきたので捕まえるに切り替えることにした。
彼と懇意にしていた貴族は内心ヒヤヒヤしているだろうし、これから膿を出していく王族のという意思表示に貴族たちには警告に聞こえていた。
後釜人事に関しては黒い噂が耐えない人間ではなく奥方が慈善事業に興味があって子供も好きで夫が財務関連の引退も考えていた貴族を指名した。
「リサからの手紙???」
新しい院長先生のことが書いてあった。ルシア先生とも仲良く出来そうでおじいちゃん先生と呼ばれているらしい。老夫婦の貴族が孤児院のボロボロ具合に嘆いて今大改修中でケルビ男爵の横領したお金をケルビ男爵から国経由で回収して環境改善の為の改修工事、料理人も入ったと文面から喜んでいることだけは分かった。
「わぉ。ヘラルド様が凄いのかあの双子貴族が凄いのか…後でヘラルド様に聞かなくてもいいか。」
私はこれから新居の選定ややることが沢山ある。
「肉ならもっとあったはずだが。」
「1回の食事で全て食べるわけないでしょ。毎日取れるわけないんだし。」
食前のお祈りをして食べるのだが味が良いのか子供たちはガツガツと食べていた。
「リサ姉、お代わりは!?」
「全員1回分はあるから。」
節約メニューで取り敢えずお腹が膨らむように。と、簡単な庶民メニューで野菜クズはヤギの餌に回しながらも食べれそうな皮は取り敢えず煮込んで、刻んでスープにおかずとして放り込んだ。
これがスタートで、社会勉強組には交代で物乞いにリサと行ってもらって肉体労働手伝って少しのパンや野菜を分けてもらったり顔がいいからと多少の接客でお金を稼ぐなりして食材を買ってきてもらう。
勿論毎度上手くいくわけないし、肉が取れない時ももちろんある。空き時間は小さな子供たちの遊び相手や文字を教えたりやることが多すぎる。夜泣きする子もいるし、喧嘩の仲裁など取り敢えずありとあらゆる不条理を押し付けてもらう。孤児だからと下に見られるし、常に下手に出ろと言ってきた。
「ミカエラ、本当に物乞い行かせてるんだ…」
「醍醐味でしょ。お金は孤児院の運営なんだし、金がないのは国が悪いわけだし。庶民の金銭感覚は叩き込まれたと思う。」
「報告書作るにしても努力していた箇所も書いた方がいいと思う…」
「勿論。レオン様も大変だったんじゃ…???」
夜1人で書類を見るけれど入ってくるお金が予算以下で不正の書類を書き留めていく。そこにルシア先生のお金がないのという日記も添えておけば証拠能力としては効果があるだろう。子供が院長であるケルビ男爵に連れていかれた。どんな姿で見つかった。全て書いてある。知っている名前が目につく。
「…俺は騎士団で慣れてるから。複写代わるよ?」
「いえ…子供たちの相手とかで疲れてるでしょ。」
「体力あるからね。ミカエラの方が気疲れしてるでしょ。あの4人が変なことしないかって仕事割り振ったり調整していたり。」
7日間穏便に最底辺の生活を体験してもらうために徹底的に裏方に回って誰がどこで何してるのか、子供達が面倒くさそうにしてないか。そういうのを気にしながらあれしろこれしろ。と、色々言いまくって普段使わない頭を使って本当に疲れている。
「明日には終わりますから。」
「長かったような、短かったような…変わったと思う?」
「…そこから学ぶのか学ばないのかは個々によるかと思うから…なんとも言えないかな。」
「中々の衝撃体験だったと思うんだけどなぁ…」
絢爛豪華なお貴族様が短期間に子供達と仲良くなるために努力していたやせ細っている姿を間近で見て虫が湧く建物だから掃除をこまめにしないといけないし、雑草でも食べれるなら食べれるように調理する創意工夫で何とか食いつないでいる状況を仕方ないと思うのかどう思うのかは彼ら次第だ。
ルシア先生がホッコリとお土産たくさん抱えて帰ってきて交代する。取り敢えずロズウェル侯爵家で湯浴みをして着替えて帰るのだが、全員名残惜しそうにしているというか、何だか面持ちが違っているように見えた。
「ミカエラ、お疲れ。」
「あ、ユーリ様。お疲れ様でした。あのお土産です。ケルビ男爵が言い逃れした時用のルシア先生の日記の写です。差し上げます。」
羊皮紙に複写しまくった紙束を渡して。どうしたものかな。と、目線をそらす。渡したところで何もならないだろうけれど。
「ありがとう。明日から仕事しつつ新居決めないとね。」
「えっと、ヘラルド様に予算とか聞いた方がいいですよね?」
「うーん。取り敢えず出来高次第じゃないかな。」
出来高なんてあったの…ユーリが爽やか笑顔を向けているけれど…疲れた。
別邸でゴロゴロするのも最近は慣れてきたミカエラだが、やはり新居は欲しいので欲しい道具などを書き上げていく。
この広さが心地よいのかどうかだと心地よくなりつつあるけれど、可能なら家が欲しい。
「仕事の時間を作るために人を雇うか…お金はあるし…継続的にお金も入る…」
ヘラルドは持ち帰った甥っ子2人を見ると気まずそうにしていた。孤児院から戻って丸洗いしてもらい、傷んだ髪に悲鳴を上げられきらびやかな家に帰ってきたが違いにどういう顔をしていいか分からなかった。
「伯父上、あの…」
「さて2人ともあそこの孤児院は院長であるケルビ男爵が人身売買に関わっている証拠も揃ったから捕縛しているが、後任は誰がいいか決めてきなさい。どういう人間が向いているか分かるだろう。後任人事を考えるのが宿題だ。」
ケルビ男爵が捕らえられた。理由は悪質な人身売買と公金横領。ヘラルドが時間稼ぎのためにとそれなりの理由で屋敷に押しかけたら隠しきれなかった証拠がたんまりと出てきたので捕まえるに切り替えることにした。
彼と懇意にしていた貴族は内心ヒヤヒヤしているだろうし、これから膿を出していく王族のという意思表示に貴族たちには警告に聞こえていた。
後釜人事に関しては黒い噂が耐えない人間ではなく奥方が慈善事業に興味があって子供も好きで夫が財務関連の引退も考えていた貴族を指名した。
「リサからの手紙???」
新しい院長先生のことが書いてあった。ルシア先生とも仲良く出来そうでおじいちゃん先生と呼ばれているらしい。老夫婦の貴族が孤児院のボロボロ具合に嘆いて今大改修中でケルビ男爵の横領したお金をケルビ男爵から国経由で回収して環境改善の為の改修工事、料理人も入ったと文面から喜んでいることだけは分かった。
「わぉ。ヘラルド様が凄いのかあの双子貴族が凄いのか…後でヘラルド様に聞かなくてもいいか。」
私はこれから新居の選定ややることが沢山ある。
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