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28それから

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「ヤバい」

顔の浮腫、目の腫れは人に見せても大丈夫かもしれない程度までにはなった。が、全く宜しくない。1日引きこもったせいでユーリ、レオンハルトから長いお見舞いのお手紙が届いている。これは不味い。そして事情聴取確定だと察した。いや、家が燃やされて何事もなく家に置いてくれる人ではあるだろうけれど…普通に家が燃えたで転がり込んだら心配するし侯爵家だから権力もお金もある。私もお金は最近増えてきたからあるけれどここの比較ではない。
あまり会ったことの無い侯爵様の名前もあるのでミカエラは習ったばかりで家と一緒に礼儀作法を消失してないか頭をフル回転させて思い出す。
侯爵家からしたらそこそこ親しくなった職人の家が家事で燃えて小娘が困っている程度では????
服とかも無いと、メイドに伝えたら既製品ではあるけれど一式数日分をその日のうちに用意された。貴族怖すぎる。サイズがピッタリってところがさらに怖い。

「ミカエラ様、肌が荒れていますね。」
「毛先も整えましょうか。」

「…お任せします…」

メイド達からしたらまだ顔は浮腫んでいるし今までのお手入れが水の泡になりかけているらしい。それよりも夕食会ではなくお茶会と称した事情聴取が怖い。

「心配されただけですよ。本邸なのは旦那様が呼ばれたからで特に深い意味はありませんよ。こちらに来られるとなるとミカエラ様とレオンハルト様でお迎えの準備とかしなければなりませんから。」

呼んだ方がもてなすものだが、こっちはただの平民です。しかも客がもてなすって何???聞かなかったことにしよう。

「お化粧は薄めにしましょうね。」
「崩れた時の被害を減らしましょう。」

事情聴取で泣くことを想定されてる…

と言っても事情聴取ってなんだろう。何聞かれても分からないし…




本邸の応接室。空気が温和なお茶会では無いことだけは肌で理解した。これは不味い。
ニコニコおしたお話では無いのは分かっているけれど空気が重い。
侯爵様に次期侯爵、その弟とヘラルド様まで…

「ミカエラ、怪我とかしてない??1日誰も部屋に入れなかったって聞いたけれど。」
「…人に見せれないくらいに酷かったので…ヘラルド様まで何故です…??」
「ヘラルド殿は貴族が関与してたら彼の仕事になるから。取り敢えず事情聴取。ミカエラからしたら訳分からないだろうけれど…因みにトラブルとかあった?家から出て。」

「???いえ。人と揉めるような事は無かったです。ご丁寧な掃除や物の入れ替えまでして頂いて…灰になっちゃいましたが。」

「焼失したものとかは?」

「分かりません。仕事道具は地下に置いているので…その地下室を開けてみないと分かりません。」

「よし、じゃあ行こうか。事件現場。」

ユーリの言葉にポカン。と、ミカエラは見上げていた。レオンハルトが行こうか。と、立たせて目立たないけれど内装だけしっかりした馬車に乗せられて家の跡地に移動させられた。ギルドが撤去してないからなのか全て残っており、第3騎士団の人間がいた。ただし服装が平民の運送ギルドの装いなので身だしなみと衣服があってないのですごく浮いている。

「瓦礫撤去で借りて来ただけだよ。」

瓦礫を撤去してもらうと地下に降りる為の鉄板が現れた。開けて貰うと何か焦げた匂いと据えた匂い…

「ミカエラ」

レオンハルトの声がして彼の手で視界を被われて身体が浮いた。

「レオン様!?」
「ごめん。…説明は後でするから周辺片付けるまで馬車で待ってて。やっぱり危ないし。」

頷いて馬車まで視界を覆われたままだった。何が見えたのだろう。



レオンハルトは扉を閉めて騎士団の人間達で彼女に見せなかったものを見る。

「取り敢えず1人分だな。」

引きずり出したのは1つの焼死体。顔や身元の特定出来るものはない。ただ焼死体ということしか分からない。

「ミカエラが誰かと同居していたとかする予定とかあったのか?」

侯爵達からしたらそんな情報がないことは知っていた。
ということはこれは誰だ????

「誰だ?この死体。」

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