21 / 27
21
しおりを挟む
情報を集めるために店を開く。架空の商人、オーナー、後ろ盾ではなく、お酒を卸しているのが公爵家。その程度にして公爵家が援助をしている孤児院の人間を雇い、孤児の自立を促すように昼は食事中心。冒険者向けの大衆食堂で夜は情報交換も出来る酒場。娼婦もいるし、貴族対応の出来る別室、宿も併設している。という複合施設にしてみようかと思う。
高級娼館併設の酒場。お酒は公爵家から仕入れているので品質が保証されている。希望をまとめたものをラファエルに渡して黒烏の人間や娼婦も邸の執務室で見せる。公爵家が国の裏側、暗部を押さえているのは大きい。
「姫様の言いたいことはわかるが、金かかるぞ?」
「お金ならあるから。似たような建物ある?利益は従業員に還元でいいの。こちらとしては店運営が赤字にならない程度でいいし。欲しいのは情報だからそれさえ守ってくれるなら娼婦や従業員にお金回していいわ。昼は利益率を低めに設定しておいしくてお腹いっぱいになる食堂にして夜は単価高めでお酒も飲めて娼婦が給仕してくれてお喋りしてくれる。くらいかな??」
「……分かりました。ではすぐに準備に掛からせて頂きます。公爵家にはどのような情報を?」
「全て。精査はこちらでするから噂話などをこまめに報告して。必要可否はラファエル達が精査するから。」
人任せ。ラファエルが吐血しそうではあるが裏側のことはそっちで人を回して良いように運営してくれたらいい。
「公爵家の看板を出さなくて良いのですか?ここまでいくと慈善事業になると思うのですが。」
「我が家にとって都合の良い配分を決めているだけで取れるところから取るようにしているから慈善ではなく偽善だから。私の要望はそれくらいだから細かいことはラファエルと詰めて置いて。お金だけなら出すし、たまに視察するから。庶民のことは詳しくないからそちらの決め事に則って違法性がないようにしてくれたらいいわ。」
仮面をつけて声を変えて面会をしたがこういうのは疲れる。仮面を外して天井を見上げる。ラファエルは私の言ったことをするため外に出るだろう。
「姫様、ラファエル様が外に出るとのことですが……」
「許可するからお父様に出す報告書も作るように伝えておいて。」
私はして欲しいことを指示するだけ。欲しいものを伝えたし、お金の利益が欲しいわけでもない。それにお酒を卸すだけで利益は出せる。
「エメル、変装して認識阻害もして城下を見たいってわがままは対応できる?」
「私が城下のことや庶民の常識に疎いので本日すぐには対応できません。騎士に声をかけますのでいつ頃に出かける希望とかございますか?」
「急いでないけれど天気の良い日がいいかな。」
エメルが調整してアンジュと護衛騎士2人が着くように調整したようだ。
「姫様、とりあえず、2人を本日お借りしてもよろしいですか?」
「???」
「この格好で護衛につかせるには浮きますから。ちょっと服を買いに行くだけです。」
「あぁ、確かに。メイド服や従僕の服しかないから。屋敷の外にお使いに出すかもしれないから適当に買って来て。」
護衛騎士とはいえ貴族の令息。城下での買い物の仕方や歩き方を教えたりするのだろう。
珍しく騎士だけが護衛に部屋についている。昔は素顔を晒していたのに仮面をつけて生活をしている。イクスが別邸にいることも原因の一つだが、彼らは別に気にしていない。公爵家の姫は結婚まで基本仮面を付けて素顔を隠すもの。その認識が当たり前だからだ。
「2人ともなんだか疲れてない?」
騎士たちと外に出るための服を買いに出たのは知っているが、帰ってきた2人は疲れきっていた。表情が。疲れている。体力は数日間飲まず食わずで走り続けることができるはずなんだけれど。
「それは……ブティックではなく服飾ギルドで姫様の護衛として様々な衣装が必要と伝えたところずっと試着をさせられていましたから。」
「なるほど。私が見てないのに着せ替えさせられたら疲れるか。精神的に。2人ともお疲れ様。」
騎士を下げて仮面を外してヨシヨシと頭を撫でる。下がっていいよ。指示をすると頭を下げて下がった。本当に疲れているのだろう。ヴェロニカは2人の行動や何を勉強したのか報告書を読む。今度のお出かけは楽しいことになりそうだ。楽しみにしながら買ったものを見ると結構な枚数を買わされたようだ。
2人を連れて出かけるのが楽しみだ。
「着せ替え人形にするのが流行るの……わかる気がする。」
顔がいいから色々着せるのが楽しい。羞恥心もないのでお互いに目が届かない箇所のボタンを止めたりリボンやタイの調整をし合っている。
「そうですか?」
「姫様の美しさが圧倒的ですので姫様のお召かえの方が楽しいのでは?」
「私は自分のことに興味がないの。2人が着飾るのは見ていて楽しいかも。それが仕事じゃないから命じることはしないけれど。」
これからも時々しようか……
高級娼館併設の酒場。お酒は公爵家から仕入れているので品質が保証されている。希望をまとめたものをラファエルに渡して黒烏の人間や娼婦も邸の執務室で見せる。公爵家が国の裏側、暗部を押さえているのは大きい。
「姫様の言いたいことはわかるが、金かかるぞ?」
「お金ならあるから。似たような建物ある?利益は従業員に還元でいいの。こちらとしては店運営が赤字にならない程度でいいし。欲しいのは情報だからそれさえ守ってくれるなら娼婦や従業員にお金回していいわ。昼は利益率を低めに設定しておいしくてお腹いっぱいになる食堂にして夜は単価高めでお酒も飲めて娼婦が給仕してくれてお喋りしてくれる。くらいかな??」
「……分かりました。ではすぐに準備に掛からせて頂きます。公爵家にはどのような情報を?」
「全て。精査はこちらでするから噂話などをこまめに報告して。必要可否はラファエル達が精査するから。」
人任せ。ラファエルが吐血しそうではあるが裏側のことはそっちで人を回して良いように運営してくれたらいい。
「公爵家の看板を出さなくて良いのですか?ここまでいくと慈善事業になると思うのですが。」
「我が家にとって都合の良い配分を決めているだけで取れるところから取るようにしているから慈善ではなく偽善だから。私の要望はそれくらいだから細かいことはラファエルと詰めて置いて。お金だけなら出すし、たまに視察するから。庶民のことは詳しくないからそちらの決め事に則って違法性がないようにしてくれたらいいわ。」
仮面をつけて声を変えて面会をしたがこういうのは疲れる。仮面を外して天井を見上げる。ラファエルは私の言ったことをするため外に出るだろう。
「姫様、ラファエル様が外に出るとのことですが……」
「許可するからお父様に出す報告書も作るように伝えておいて。」
私はして欲しいことを指示するだけ。欲しいものを伝えたし、お金の利益が欲しいわけでもない。それにお酒を卸すだけで利益は出せる。
「エメル、変装して認識阻害もして城下を見たいってわがままは対応できる?」
「私が城下のことや庶民の常識に疎いので本日すぐには対応できません。騎士に声をかけますのでいつ頃に出かける希望とかございますか?」
「急いでないけれど天気の良い日がいいかな。」
エメルが調整してアンジュと護衛騎士2人が着くように調整したようだ。
「姫様、とりあえず、2人を本日お借りしてもよろしいですか?」
「???」
「この格好で護衛につかせるには浮きますから。ちょっと服を買いに行くだけです。」
「あぁ、確かに。メイド服や従僕の服しかないから。屋敷の外にお使いに出すかもしれないから適当に買って来て。」
護衛騎士とはいえ貴族の令息。城下での買い物の仕方や歩き方を教えたりするのだろう。
珍しく騎士だけが護衛に部屋についている。昔は素顔を晒していたのに仮面をつけて生活をしている。イクスが別邸にいることも原因の一つだが、彼らは別に気にしていない。公爵家の姫は結婚まで基本仮面を付けて素顔を隠すもの。その認識が当たり前だからだ。
「2人ともなんだか疲れてない?」
騎士たちと外に出るための服を買いに出たのは知っているが、帰ってきた2人は疲れきっていた。表情が。疲れている。体力は数日間飲まず食わずで走り続けることができるはずなんだけれど。
「それは……ブティックではなく服飾ギルドで姫様の護衛として様々な衣装が必要と伝えたところずっと試着をさせられていましたから。」
「なるほど。私が見てないのに着せ替えさせられたら疲れるか。精神的に。2人ともお疲れ様。」
騎士を下げて仮面を外してヨシヨシと頭を撫でる。下がっていいよ。指示をすると頭を下げて下がった。本当に疲れているのだろう。ヴェロニカは2人の行動や何を勉強したのか報告書を読む。今度のお出かけは楽しいことになりそうだ。楽しみにしながら買ったものを見ると結構な枚数を買わされたようだ。
2人を連れて出かけるのが楽しみだ。
「着せ替え人形にするのが流行るの……わかる気がする。」
顔がいいから色々着せるのが楽しい。羞恥心もないのでお互いに目が届かない箇所のボタンを止めたりリボンやタイの調整をし合っている。
「そうですか?」
「姫様の美しさが圧倒的ですので姫様のお召かえの方が楽しいのでは?」
「私は自分のことに興味がないの。2人が着飾るのは見ていて楽しいかも。それが仕事じゃないから命じることはしないけれど。」
これからも時々しようか……
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる