仁義なき親父への仕込み

熊次郎

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開き直りと芽生えた気持ち

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政宗さんが弱さを見せたのはあの日だけだった。

最後の前日までいつも通りの屈辱は続いた。もう終わりだと思うとどんな屈辱も虐待も耐えることが出来た。開き直った俺は逆にその快感を楽しんだ。

激しい痛みとゾクゾクする射精。ケツの中をこねくり回されると自ら前立腺に当てにいき快楽を貪った。

『ふがっ。イぐ。出ます。漏れます。』
鼻の穴に指を突っ込まれ引き上げられる。後ろからカマを掘られる無様な自分を鏡で見ると興奮と射精が止まらない。頭が真っ白になりながら俺は触られてないちんぽから大量の精液を吹き出す。

そんなことを敢えて楽しめるようになったのはガクとのメッセのやりとりのおかげだった。
毎日何回もやり取りをした。朝起きてメッセをチェックする。仕事中もトイレに行ってメッセを返す。
ガクは家族のことや深い話を話したがらなかったが俺も話したくない。たわいもない会話のやりとりが毎日の楽しみとなっていた。

深夜の電話で寝落ちする日もあった。学校の話、アメフトの話。夢中で俺の興味のない話をするガク。俺はそれでも話を聞けることに満足していた。

不思議な感情が俺の中に生まれていた。もう何年も忘れていたこの感じ。オヤジや政宗さんに感じた感情とはまた違う。ガクのことを考えると胸がザワつく。

初めて会った日以降、毎日ガクのことをあれこれ考える自分がいる。俺の中の不思議な感情は膨れていきついに一つの行動をする決断をした。

『もしよかったらだけど一緒に住まないか?俺が生活費や学費と部活代を持つ。ガクは時々バイトして遊び代だけ稼げばいい。』
政宗さんとの専属契約を辞めて金に困ってると言っていたガクに俺は思い切って提案した。

俺はこの組に勤めてそこそこ給料をもらっていた。オヤジが亡くなった時も退職金をもらった。特に使うことのない給料と退職金でガクを数年養うくらいは蓄えがある。平静を装っていたが心臓がバクバクしていた。

『いいんすか?すげぇ嬉しいす。でも親父にはメリットないすよね。』
ガクは遠慮してきた。想定内だ。俺はこの話をする前にいろんなシュミレーションを頭の中で繰り返していた。

『じぁあムラムラした時でいいから俺のカマを掘ってくれ。いろんな奴を相手にするより一人の方がガクも楽だろ?』
これが俺が用意していた言葉。

『そんなんでいいんすか?それは言われなくてもやるす。お願いします。一緒に住みたいす。』
俺はガクの言葉を聞いて1人ガッツポーズをした。

そして約束の日に俺は組を出た。最後の日に政宗さんは不在で挨拶出来なかったのが気がかりだったが、俺は新しい生活のことで頭がいっぱいだった。

俺はガクとの同居を始める。

古いアパートの2LDK。お互いが荷物を部屋に運び今日久々に新居でガクとご対面だ。先に俺は部屋に着いた。

『ははは。すご。』
俺の荷物は少なかったので先に運んでいた。ガクの荷物が運ばれた後の部屋を見て俺は笑った。ほくそ笑んだ。
ガクの荷物は沢山あった。トレーニングマシン、服、ゲーム。ガクの部屋に収まり切らずLDKもガクの荷物でいっぱいだ。
こんな光景を見るのも何故か楽しい。

ガクはあと一年ちょっとで卒業だ。社会人になったら出ていくかもしれない。この生活はそんなに長くないかもしれないが、俺に後悔はない。

出来る限り近くでずっと見ていたい。そんな気持ちが俺の背中を押したのかもしれない。
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