1 / 13
新入社員
しおりを挟む
俺は稲沢敬。170cm75kgの45歳。有名企業で課長としてバリバリやってる。
ガチゲイの独身だが、今までオカマと疑われたことがない。自分で言うのもなんだが割とイケメンで女には今でもモテる。人からは『選びすぎで結婚できないタイプ』とよく言われる。
職場ではノンケモードで社内の男を性的な目で見たことはない。仕事に俺の性的趣向は関係ないし、ノンケに恋をするなんてバカな経験もない。
しかし、俺の生き方を変える奴が現れた。
その名は渡守大地。うちの会社の新入社員だ。
大学まで体操部だったらしく、ガッチビ系だ。165/70らしいが筋肉モリモリで肩とケツの筋肉が際立っている。
短髪色黒、カッコ可愛い系で入社時からお局さま達の人気がすごかった。年上女子にかなりモテるタイプだ。
俺からしたら1年目の使えない新入社員はoutof眼中。直接指導することも話すこともない。
社内の女子が騒いでるのを横目に渡守とはたいして話すこともなく数ヶ月が過ぎた。
渡守は仕事にも慣れ始め、取引先からも可愛がられ成績を上げるようになってきた。
今では多少は話すが、指導員か係長を通じての会話がほとんどだ。
俺は社内では出来る部下と係長としか会話をしないからだ。
そんなある日、渡守は仕事でミスをした。新人あるあるのミスなので俺は仕事として処理をする。
渡守を呼んで今後の仕事について一応説教をした。
『渡守、お前のやったことは間違ってる。会社にも損失を与えてるしな。ただ、お前の成長で必要な失敗だと俺は思ってる。失敗を今後に活かせ。お前のミスは俺のミスだから気にしなくていい。反省はしても後悔するな。』
『えっ、稲沢課長、俺を怒らないんすか?』
『怒らない。想定の範囲内だし、そのうちしでかす思ってたからな。(笑)』
俺は押し付けるような説教はしない。会社の損得よりも部下の目指すべき姿に重点を置き、本人を尊重するタイプだ。部下のミスは俺のミスであり、部下の成長は会社都合より大事だと思っている。一時的な会社の損失よりも部下の成長の方が長期的に会社の利益になるからだ。
『俺、ずごく怒られると覚悟してました。クビになるかもって。それなのに、そんな風に言ってもらえるなんて。なんて言ったらいいか分かりません。』
『バカ。こんなんでクビにしてたらみんなクビになる。』
『俺、俺、、、。』
渡守が涙ぐんでうなだれている。正直面倒くさい。渡守を特別扱いした訳ではないが、えらい感動をしていた。多分今までそういう経験がないからだ。
怖くて近寄りがたい課長が親身になってくれたと思ったのかもしれない。俺にとってはただの普通の仕事だか。
それをきっかけに渡守とは少し仲良くなった。仲良くなったと言っても奴がプライベートの話をしてくるくらいだ。
『稲沢課長、先日アドバイス頂いたプレゼント、彼女すげぇ感動してました。人生の一番のサプライズだって。』
『あ、そ。若いからたいした経験してないだろうな。』
『マジ、尊敬します。もっと早くから指導してもらえばよかったす。』
『俺がお前ごときを指導する暇はない。(笑)』
他にもいろいろアドバイスをしたが、人生経験豊富な俺にとってはたいした話ではない。しかし、渡守はイチイチ感動してきた。
バカな体育会系だなと思いながら、たまに渡守の話に付き合ってやった。当然全く下心はない。
ただの上司と部下。俺にとってそれ以上でもそれ以下でもない。
ある大きな仕事の打ち上げがその気持ちを変えた、、、。
ガチゲイの独身だが、今までオカマと疑われたことがない。自分で言うのもなんだが割とイケメンで女には今でもモテる。人からは『選びすぎで結婚できないタイプ』とよく言われる。
職場ではノンケモードで社内の男を性的な目で見たことはない。仕事に俺の性的趣向は関係ないし、ノンケに恋をするなんてバカな経験もない。
しかし、俺の生き方を変える奴が現れた。
その名は渡守大地。うちの会社の新入社員だ。
大学まで体操部だったらしく、ガッチビ系だ。165/70らしいが筋肉モリモリで肩とケツの筋肉が際立っている。
短髪色黒、カッコ可愛い系で入社時からお局さま達の人気がすごかった。年上女子にかなりモテるタイプだ。
俺からしたら1年目の使えない新入社員はoutof眼中。直接指導することも話すこともない。
社内の女子が騒いでるのを横目に渡守とはたいして話すこともなく数ヶ月が過ぎた。
渡守は仕事にも慣れ始め、取引先からも可愛がられ成績を上げるようになってきた。
今では多少は話すが、指導員か係長を通じての会話がほとんどだ。
俺は社内では出来る部下と係長としか会話をしないからだ。
そんなある日、渡守は仕事でミスをした。新人あるあるのミスなので俺は仕事として処理をする。
渡守を呼んで今後の仕事について一応説教をした。
『渡守、お前のやったことは間違ってる。会社にも損失を与えてるしな。ただ、お前の成長で必要な失敗だと俺は思ってる。失敗を今後に活かせ。お前のミスは俺のミスだから気にしなくていい。反省はしても後悔するな。』
『えっ、稲沢課長、俺を怒らないんすか?』
『怒らない。想定の範囲内だし、そのうちしでかす思ってたからな。(笑)』
俺は押し付けるような説教はしない。会社の損得よりも部下の目指すべき姿に重点を置き、本人を尊重するタイプだ。部下のミスは俺のミスであり、部下の成長は会社都合より大事だと思っている。一時的な会社の損失よりも部下の成長の方が長期的に会社の利益になるからだ。
『俺、ずごく怒られると覚悟してました。クビになるかもって。それなのに、そんな風に言ってもらえるなんて。なんて言ったらいいか分かりません。』
『バカ。こんなんでクビにしてたらみんなクビになる。』
『俺、俺、、、。』
渡守が涙ぐんでうなだれている。正直面倒くさい。渡守を特別扱いした訳ではないが、えらい感動をしていた。多分今までそういう経験がないからだ。
怖くて近寄りがたい課長が親身になってくれたと思ったのかもしれない。俺にとってはただの普通の仕事だか。
それをきっかけに渡守とは少し仲良くなった。仲良くなったと言っても奴がプライベートの話をしてくるくらいだ。
『稲沢課長、先日アドバイス頂いたプレゼント、彼女すげぇ感動してました。人生の一番のサプライズだって。』
『あ、そ。若いからたいした経験してないだろうな。』
『マジ、尊敬します。もっと早くから指導してもらえばよかったす。』
『俺がお前ごときを指導する暇はない。(笑)』
他にもいろいろアドバイスをしたが、人生経験豊富な俺にとってはたいした話ではない。しかし、渡守はイチイチ感動してきた。
バカな体育会系だなと思いながら、たまに渡守の話に付き合ってやった。当然全く下心はない。
ただの上司と部下。俺にとってそれ以上でもそれ以下でもない。
ある大きな仕事の打ち上げがその気持ちを変えた、、、。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
39
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる