競輪師匠の躾け方

熊次郎

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身代わり

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『お前、卑怯でゲス野郎だな。』
ガン。
俺が中年男に襲い掛かろうとしたが、酔いで足がもつれ、大きなガラステーブルにぶつかった。

『おいおい、落ち着けや。で、目的は俺のおもちゃを取り戻しに来たんや。5年前、急に金持って逃げやがった。』
『え?金持って、、、。』
(聞いてねえ。いや、詳しい話聞く前に俺が飛び出したんだった。)

『金は返す。いくらだ?いくらでも倍にして返す。返すから二度と大悟の前に現れるな。』
『金はいらん。それに警察にも届けてへんから民事上は時効や。それ、最後の質問やな。子供は新しく気に入ったおもちゃが手に入れば昔大好きやったおもちゃを見向きもせんくなるらしいで。』

『え、ど、どう言うことだ?』
『キング、お前アホやな。でもそんなところが昔から好きやったで。
子どもを守るため自分がおとりになる母親チーターとかテレビで見たことないん?』
『あ、。』

(こいつ、俺に身代わりになることを要求している。どうする?どうする?)
考えている間に中年男が隣に移動してきた。

『実物のキングをこんな間近で見れるなんて夢みたいやな。お、ジャージの下、ユニフォームとレーサーパンツやないか。俺の為に着てきたんか?』
さわっ。パシッ。
『やめろ!ホモ野郎!』
肩を触ってきた中年男の手を払った。

『俺、嫌がってる奴をヤるん、めっちゃ興奮すんねん。ええ感じやな。』
中年男の手がジャージのチャックを摘んだ。俺はその手を掴んだ。

『クソ野郎、汚ねえ手で触るんじゃねぇ。やり口も最低だな。俺はどうなってもいい。だが大悟の前に絶対現れないって約束してくれ。』
覚悟を決めた俺は睨みつけながら言った。

『ちなみに俺は結構一途なタイプなんや。キングが俺と遊んでくれたらその間はきっと他では遊ばへんやろな。そんな暇がない。』
『絶対だな。約束破ったらお前殺すぞ。』

『約束はしてへんけど、俺は有言実行タイプや。お前が俺を殺した方が大悟をドン底に落とすことになるから、殺したかったら殺したらええ。』
『うぐっ、お前本当にクソ野郎だな。』

チャー。
チャックが下に下ろされ、ピチピチのユニフォームが現れた。ジャージが脱がされ、パサリと足下に落ちる。

中年男が後ろに回り、肩や背中を撫で始めた。
『ごっつい肩やな。背中も筋肉でパンパンや。競輪選手って太ももに目が行きがちやけど、実は上半身をいかに鍛えるかやと思う。』

この男の言ってることは正しい。常日頃から下半身だけでなく上半身も鍛えてるからだ。

ぐわしっ。ぐいっぐいっ。
『うわっ、あっ。』
急に胸を鷲掴みにかれ、揉まれ始めた。初めての経験に声が出た。
『ホモ野郎、触るんじゃねぇ。』
一生懸命に口では抵抗する。

『ボリュームある胸やな。筋肉だけやない。脂肪も乗ってプルンプルンや。巨乳やな。』
中年男が大胸筋を揉みながらいちいち説明してくる。
『変態、やめろ。気持ち悪りぃ。』

この異常な状態からか、この男のセクハラまがいの言葉からか、酒のせいか分からないが、身の毛もよだつ行為なのに言葉とは裏腹に体が熱ってきた。

クリクリ。
『うわっ。』
乳首をウェアの上からいじられると体に痺れるような感覚が俺を突き刺す。
『乳首、コリッコリやな。キング、乳首感じるやろ?』
『感じねぇ!やめろ!クソ野郎!』
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