土方の性処理

熊次郎

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壊れた関係

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それから龍次は毎週のように直樹を呼び出した。いつも仕事終わりの臭い作業着で会う。そして必ず直樹のケツを掘った。

はじめは直樹からお金を差し出していたが、そのうち掘るだけ掘ったら痙攣している直樹を尻目に財布から自ら取るようになった。
『今日も貰っておくぞ。』
直樹も必ず会う時には財布に一万円札を入れていた。

まったりとした時間を過ごすこともあったが、直樹の趣味である海外旅行での珍しい食べ物や素晴らしい絶景、ヘロヘロになるセックスドラックの話を聞いても龍次は全く関心がなく聞き流して思っていた。
(住む世界が違いすぎる。エリートで不自由ない生活。人種が違うな。)

何度も龍次は直樹から金をせしめ、その金でソープに行く。
前までは年に1、2度の贅沢だったが、月に1、2回行けるようになった。
ムラムラしてまたソープに行きたくなったら、直樹を呼び出す。
今日もある夜の公園に自家用バンを停めて呼び出し、臭い作業着のまま直樹にシャブらせ、一方的に掘った。
財布から一万円を抜くと、早く帰りたかった龍次はまだ余韻に浸っている直樹を車から放り出した。

『ひどい、龍次さんは俺のこと、どう思ってるの?』
地面に倒れた直樹が聞いた。
『金をくれる性処理道具。』
『多少は情が湧かない?こんな関係だけど、俺、龍次さんのこと、好きだ。』
『キモっ!』
龍次はそう吐き捨てると車を走らせた。
直樹が泣いているのを知ってはいたが、無視をした。
(俺のこと、好きなんだ、、、、。いやいや、ありえない。)
初めての男からの告白に戸惑いながらもバックミラーで見えなくなるまで直樹を龍次は見ていた。

数日後、龍次はお気に入りのソープ嬢とSEXをした。
『痛い、痛い、マジやめて。』
懸命に腰を振る龍次をソープ嬢は制止する。
『ごめん、じゃ、俺のこと気持ちよくしてよ。』
ソープ嬢に身を委ねるがなかなかイけない。最後は強制的に自分でシゴいてイった。

(女じゃ思いっきり出来ないし、テクがイマイチだ、、、。)
実は数回前からそれに気付いていた。
思いっきりやると女はギャーギャー騒ぐ。もちろん生ではヤらせてくれない。
フェラも攻めも今では中途半端に感じ気持ちが昂らない。

そして、家でも嫁と喧嘩した。
亭主関白の龍次に嫁がキレたのだ。
同じような人種である嫁がことごとく龍次をけなす。ボロクソに罵られ、思い通りにならない。ありのままを受け止めてくれない嫁にイライラがつのる。

ムシャクシャして酒を飲んでると、ふと直樹の顔が浮かぶ。
(この前はひでぇことしたな。調子こいた。あいつは俺を受け止め、褒めてくれてたのに。いつのまにか存在がデカくなってるかも。とりあえず、今度は優しくしよう。)
龍次はそう思いながら直樹のことを想った。

しばらく仕事が忙しく、直樹への連絡とオナニーが出来ない日々が続いたある日。
その日は小雨が振り湿度の高い蒸し暑い日だった。
少し離れた郊外で仕事を終えた夜。龍次が帰ろうとすると、直樹から連絡があった。

近くにいるらしい。
嫁には徹夜っぽいとメッセージをして、直樹を迎えに行った。

待ち合わせの場所に直樹が傘をさして待っていた。
ガチャ。
自家用バンに直樹が乗り込む。
バンはムワっとした男のにおいが充満していた。
龍次はレインコートのような作業着、ハーネスをつけ、白い長靴を履いて運転席に座っていた。現場からそのままの格好で待ち合わせに来ていた。
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