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第八十六話 ヴェネツィアの二股膏薬
しおりを挟む巨人と戦士2人の熾烈な戦い。
破壊エネルギーが侵食する中、バラダザはキャノン砲の照準をザーガ達に合わせる。
すると後ろ側から放たれた破壊光線が右側の砲台を撃ち抜いた。
「クッ!?」
突然のことに驚きを隠せない彼女、放ったのはビーム銃〈ガンバロン〉を構える竜の翼と堕天使の翼を生やした白き戦士だった。
「ザーガ! そしてもう1人のザーガ! いくら相手がデカくても、俺達の勇気には絶対に勝てない! そうだろう!」
「その声は………ゴアドさん………」
仲間の声を聞き力が引き出され、破壊エネルギーの放出をさらに強める。
すると巨人の両腕に亀裂が入り、黒きオイルが噴き出した。
「その拳は確かに強靭な力を持ち、そして何か強大な物を背負っている。だけどそれをなぜ、殺戮のために使うんだ!」
六問の質問にバラダザは神に逆らった日を改めて思い出す。
堕天使になった日、それは神達を憎んだ日。
「神は不平等、優遇、嫌い。冷遇、嫌い。人間も同じ、だから断罪するの」
少女の発言にヒサは拳をより突き出す。
「そんな身が手な考えで人を殺すのか! 幸せは自分で掴み取るものだ! 誰かに恵んでもらうものじゃない!」
「あなたは幸せだからそう言える。世界には、たくさんの不幸が満ちている。飢え、貧乏、格差、みんな、嫌い」
片言でありながら神への怒りが伝わってくる。
だが人間を全滅させる理由にはならない。
そう感じたザーガの2人は倒す決意を改めて固め、拳をさらに突き上げた。
ゴアドも〈ガンバロン〉を次元の裂け目にしまい、拳に金色のオーラと黒きオーラを纏わせる。
そして古代の戦士と共に鉄拳を食らわせた。
次第に亀裂が大きくなり、黒きオイルが噴水の様に噴き出す。
ついに肩にまで達したゴーレム・ダークエンジェルは危機を察し、両腕を体から切り離した。
巨人の腕が爆散し、爆風に巻き込まれる。
それでもオリジンザーガは〈ザ・ヒーロー〉に変身。
さらにザーガも破壊エネルギーを右足に集中させ、2人は高く飛び上がる。
しかしこのままでは40キロメートルの巨人の頭上に届かない。
「いくよ! ヒサ君!」
「はい!」
そこで六問は自分自身の両足を踏み台にし、ヒサを限界以上の飛距離まで飛ばす。
巨人の頭上に到達したところで、必殺技〈クラッシャーシュート〉の体勢に入る。
「こんなところで、倒されるわけには、いかない!!」
死に抗うため、バラダザは左側の砲台をザーガに向けミサイルを発射する。
「オリヤァァァァァァァァ!!」
〈クラッシャーシュート〉を繰り出し、ミサイルと激突。
上空で大爆発を食らうが、ザーガの腕輪がそれを吸収し〈バーニングボンバー〉へと姿を変えた。
「「「いっけぇぇぇぇ!!」」」
六問と幕昰、そしてゴアドの声援に応え、機械仕掛けの巨人の頭を貫いた。
風穴から火花が散り、次第に全身からオイルが噴き出す。
そして爆裂していくゴーレム・ダークエンジェル、その被害は尋常ではなかったのだった。
〈ダークリングゾーン〉でその光景を覗いていたゼッツ
とファパーは超級堕天使の2人目がやられたことに危機感を感じていた。
余裕の2文字は浮かんで来ず、次はどちらがやられるかと言う心配がつのるばかりだ。
「ファパーさん、このままでは私達もやられてしまいます。打開策を考えなければ」
「確かに。授かれし戦士達や人間達も強敵揃い。下界している部下が全滅するのも時間の問題か」
思考を巡らせる超級堕天使、そこへ下界していたファパーの部下が何やらアーマーを持って帰還して来た。
「ファパー様」
「なんだその鎧は? どうやら人間の戦士達の物に見えるが?」
睨みを効かせる上司に、「これはですねぇ」と説明し始める。
「忌々しい人間が我々を倒すために作り出したZDと言う鎧で、これをゼッツ様に解析してもらい、新たな武装の開発を頼みに来ました」
「なるほど、これは素晴らしい物を回収してくれました。さっそくですがこれを持って着いてきてくれますか? 私にはとても重すぎるので」
「もちろんでございます」
ZDを運んでいく部下の背中を見つめるファパーは腕組みをすると、帰って来るのを待った。
大爆発に巻き込まれた幕昰、目を開けると白き戦士がお姫様抱っこされていた。
「あんたゴアドだろう? なんでそんな堕天使みたいな姿をしてるんだ?」
「質問はあとだ。ザーガの2人を探すぞ」
地面に降ろされ足をつける彼はゴアドの発言に疑問が浮かぶ。
ザーガの2人を探す?
つまり六問とヒサがこの場にいないのが読み取れた。
「待ってくれ。六問とヒサはどこにもいないのか?」
その質問に足を止めるゴアド、その複眼には焦りを感じた。
街の様子を確認すると、それは酷い物だった。
まるでミサイルでも落ちて来たかの様に道路は抉れ、ビルは崩壊してしまっている。
「そうだ。あなたを救出してからしばらく待ったが2人は来なかった。何かあったんじゃないかと心配して探そうとしていたところでお目覚めと言うわけだな」
「なるほど、あの2人ならすぐ帰って来そうなんだが。よしゴアド、俺も六問達を探す。早く見つけないといけない気がするんだよ」
幕昰のいやな予感、ゴアドは「分かってる」と一言言ってバイクを次元の裂け目から召喚する。
「1人で動くのは危険だ。一緒にザーガ達を探そう」
「あぁ、運転頼むぜ」
こうして2人の仲間を探し出すため走り出した。
果たしてヒサと六問はどこへ行ってしまったのか。
そして堕天使の新たな刺客とは。
今後の展開に乞うご期待。
破壊エネルギーが侵食する中、バラダザはキャノン砲の照準をザーガ達に合わせる。
すると後ろ側から放たれた破壊光線が右側の砲台を撃ち抜いた。
「クッ!?」
突然のことに驚きを隠せない彼女、放ったのはビーム銃〈ガンバロン〉を構える竜の翼と堕天使の翼を生やした白き戦士だった。
「ザーガ! そしてもう1人のザーガ! いくら相手がデカくても、俺達の勇気には絶対に勝てない! そうだろう!」
「その声は………ゴアドさん………」
仲間の声を聞き力が引き出され、破壊エネルギーの放出をさらに強める。
すると巨人の両腕に亀裂が入り、黒きオイルが噴き出した。
「その拳は確かに強靭な力を持ち、そして何か強大な物を背負っている。だけどそれをなぜ、殺戮のために使うんだ!」
六問の質問にバラダザは神に逆らった日を改めて思い出す。
堕天使になった日、それは神達を憎んだ日。
「神は不平等、優遇、嫌い。冷遇、嫌い。人間も同じ、だから断罪するの」
少女の発言にヒサは拳をより突き出す。
「そんな身が手な考えで人を殺すのか! 幸せは自分で掴み取るものだ! 誰かに恵んでもらうものじゃない!」
「あなたは幸せだからそう言える。世界には、たくさんの不幸が満ちている。飢え、貧乏、格差、みんな、嫌い」
片言でありながら神への怒りが伝わってくる。
だが人間を全滅させる理由にはならない。
そう感じたザーガの2人は倒す決意を改めて固め、拳をさらに突き上げた。
ゴアドも〈ガンバロン〉を次元の裂け目にしまい、拳に金色のオーラと黒きオーラを纏わせる。
そして古代の戦士と共に鉄拳を食らわせた。
次第に亀裂が大きくなり、黒きオイルが噴水の様に噴き出す。
ついに肩にまで達したゴーレム・ダークエンジェルは危機を察し、両腕を体から切り離した。
巨人の腕が爆散し、爆風に巻き込まれる。
それでもオリジンザーガは〈ザ・ヒーロー〉に変身。
さらにザーガも破壊エネルギーを右足に集中させ、2人は高く飛び上がる。
しかしこのままでは40キロメートルの巨人の頭上に届かない。
「いくよ! ヒサ君!」
「はい!」
そこで六問は自分自身の両足を踏み台にし、ヒサを限界以上の飛距離まで飛ばす。
巨人の頭上に到達したところで、必殺技〈クラッシャーシュート〉の体勢に入る。
「こんなところで、倒されるわけには、いかない!!」
死に抗うため、バラダザは左側の砲台をザーガに向けミサイルを発射する。
「オリヤァァァァァァァァ!!」
〈クラッシャーシュート〉を繰り出し、ミサイルと激突。
上空で大爆発を食らうが、ザーガの腕輪がそれを吸収し〈バーニングボンバー〉へと姿を変えた。
「「「いっけぇぇぇぇ!!」」」
六問と幕昰、そしてゴアドの声援に応え、機械仕掛けの巨人の頭を貫いた。
風穴から火花が散り、次第に全身からオイルが噴き出す。
そして爆裂していくゴーレム・ダークエンジェル、その被害は尋常ではなかったのだった。
〈ダークリングゾーン〉でその光景を覗いていたゼッツ
とファパーは超級堕天使の2人目がやられたことに危機感を感じていた。
余裕の2文字は浮かんで来ず、次はどちらがやられるかと言う心配がつのるばかりだ。
「ファパーさん、このままでは私達もやられてしまいます。打開策を考えなければ」
「確かに。授かれし戦士達や人間達も強敵揃い。下界している部下が全滅するのも時間の問題か」
思考を巡らせる超級堕天使、そこへ下界していたファパーの部下が何やらアーマーを持って帰還して来た。
「ファパー様」
「なんだその鎧は? どうやら人間の戦士達の物に見えるが?」
睨みを効かせる上司に、「これはですねぇ」と説明し始める。
「忌々しい人間が我々を倒すために作り出したZDと言う鎧で、これをゼッツ様に解析してもらい、新たな武装の開発を頼みに来ました」
「なるほど、これは素晴らしい物を回収してくれました。さっそくですがこれを持って着いてきてくれますか? 私にはとても重すぎるので」
「もちろんでございます」
ZDを運んでいく部下の背中を見つめるファパーは腕組みをすると、帰って来るのを待った。
大爆発に巻き込まれた幕昰、目を開けると白き戦士がお姫様抱っこされていた。
「あんたゴアドだろう? なんでそんな堕天使みたいな姿をしてるんだ?」
「質問はあとだ。ザーガの2人を探すぞ」
地面に降ろされ足をつける彼はゴアドの発言に疑問が浮かぶ。
ザーガの2人を探す?
つまり六問とヒサがこの場にいないのが読み取れた。
「待ってくれ。六問とヒサはどこにもいないのか?」
その質問に足を止めるゴアド、その複眼には焦りを感じた。
街の様子を確認すると、それは酷い物だった。
まるでミサイルでも落ちて来たかの様に道路は抉れ、ビルは崩壊してしまっている。
「そうだ。あなたを救出してからしばらく待ったが2人は来なかった。何かあったんじゃないかと心配して探そうとしていたところでお目覚めと言うわけだな」
「なるほど、あの2人ならすぐ帰って来そうなんだが。よしゴアド、俺も六問達を探す。早く見つけないといけない気がするんだよ」
幕昰のいやな予感、ゴアドは「分かってる」と一言言ってバイクを次元の裂け目から召喚する。
「1人で動くのは危険だ。一緒にザーガ達を探そう」
「あぁ、運転頼むぜ」
こうして2人の仲間を探し出すため走り出した。
果たしてヒサと六問はどこへ行ってしまったのか。
そして堕天使の新たな刺客とは。
今後の展開に乞うご期待。
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