32 / 111
第三十二話 予感
しおりを挟む
ゾクリと背筋を走る寒気に俺は思わず周囲を見渡した。
いったいどうしたのだろう、とベルドが疑問の視線を向けてくる。
戦は完全な勝利に終わり、反抗した貴族はまともに戦うことすら出来ずに着の身着のまま逃走したはずなのに。
蛇に睨まれた蛙のような悪寒が消えない。
「何か気になることでもござますか?」
「いや………なんだか寒気がしただけだ。俺としたことが、気の迷いか?」
「それはいけません! 幸い領民や兵士の大半は領主より殿下に心を寄せている様子。今日は早々にお休みくださいませ!」
「う……うむ」
刺客に襲われて以来、ベルドが過保護すぎる。
しかしその心配も決して杞憂と言えないところが哀しい現実であった。
なぜならこうして帰国早々、ワラキア軍はハンガリーに呼応したと思われる国内貴族の反乱鎮圧に向かわなければならなかったからだ。
幸いなことにコンスタンティノポリス総大主教庁は、目論見通りワラキア優位な裁定を下し、ブラショフとシギショアラを結ぶトランシルヴァニア中央部までをワラキア領として認めるかわりに、トランシルヴァニア西部は引き続きフニャディ・ヤーノシュが領有すること。
そして捕虜にしたヤーノシュの二人の息子を無償で返還することなどを両国に対して通告した。
おそらくは断腸の思いであっただろうが、たとえトランシルヴァニアの過半を諦めることになろうとも、ヤーノシュは年齢的にも最後の子である二人の息子を諦めることが出来なかった。
強引な手段でハンガリー宮廷を制圧した今、ヤーノシュにとっては血族の団結こそが何よりも重要であった。
必要であれば、表面上はオスマンの属国であるワラキアにはいつでも攻め込める大義名分は出来る。
ならば今は宮中を掌握し、息子を取り戻して近いうちに訪れるであろう再戦のための準備をするために、不本意でも不利な講和を結ぶのは許容の範疇内というべきであった。
そうしてハンガリーとの間に和平が成立したのがつい先日のことである。
ところがまたしてもというべきか、ワラキアを離れトランシルヴァニアでハンガリーと対峙しているのを奇貨として国内貴族が蠢動していた。
これがもしもっと早く大規模なものであれば、和平自体どうなっていたことかわからない。
しかしトゥルゴヴィシュテに残してきた警戒部隊と、とってかえしたワラキア軍によって反乱貴族は分断されあっさりと各個撃破されていった。
「――――――それにしても思ったより便利なものだったな。これ…………」
俺が見上げる視線の先には巨人の腕を思わせる建造物が鎮座している。
ワラキアからトランシルヴァニアを結ぶ街道の結節点に整備されたその施設の名を腕木塔と呼んだ。
腕木通信とは、要するに巨大な三本の柱を操ることによって手旗信号と同じような形で遠距離の仲間と意志の疎通を図ることにある。
これは電信が普及する前のナポレオン時代にフランスにおいて整備されたもので、この時代以前によく使用されていた狼煙などよりも遥かに細かい意志伝達が可能であった。
手旗では二本の腕しかつかえないが、腕木は三本の柱を使用するため、ほぼ会話に匹敵するだけの情報量を伝達することができたという。
反乱の状況と兵力を正確に把握していたワラキア軍は、帰国するやほとんど電光石火の勢いで反乱軍を鎮圧した。
征伐された貴族にしてみれば、いったい何が起こったのかわからぬままに悪魔が現れて命を刈り取られたように感じたであろう。
悠長にお互いの騎士同士を派遣して、協力の打ち合わせなどをしていたのがそのいい証拠であった。
戦力はともかく、心理的な準備がまるでできていなかったのである。
「―――――殿下、ルペニ卿から降伏の使者が参っておりますが………」
「追い返せ。俺は二度目は許さんと言ったはずだ」
ルペニ卿はヴラディスラフとの戦いにおいて、中立を保ったワラキア西部の中堅貴族である。
防衛戦ならばともかく、速成のワラキア軍がトランシルヴァニアに侵攻して勝利するとは考えられなかった貴族は多かったらしく、ルペニ卿もその一人であった。
中立派がトゥルゴヴィシュテを訪れたときに、俺は二度目はないことをはっきりと宣言しているにもかかわらず、謝罪すれば許されると考えているとすれば恐るべき度胸だ。
離合集散は貴族の習いとでも思っているのだろうか。
そんな貴族の協力は俺には必要はないし、せめてワラキア軍の敗報を聞くまでの我慢もできないような馬鹿には敵としての価値すらない。
ただただ除くべき塵芥として淡々と処理するまでのことだ。
「―――――殿下」
「シエナか」
相変わらずの無表情で、冷徹な策士が俺の前にゆっくりと膝を折った。
「コンラル、パシェトゥはすでにハンガリーへ逃亡したようです。セルグイはどうもまだワラキア軍の勝利を信じ切れていないようで、いまだ抗戦の構えを崩していません」
「ちょうどいい機会だ。馬鹿には消えてもらうとしよう。どうせ潜り込んでいるものがいるのだろう?」
「配下の騎士数名がこちらに内通を確約しております」
「できるだけ惨たらしく殺してやれ。戦わずに逃げる貴族が多ければそれだけ手間がはぶける」
「御意」
今回の討伐がこれほど早期に終了したのは腕木通信の情報伝達速度もあるが、それ以上に内偵を済ませていたシエナの功績によるところが大きい。
組織者として有能であるばかりでなく、シエナは謀略の仕掛け人としても一級の腕を誇っている。
愚かにも命を失った貴族の幾人かは、シエナの工作によって潜入した間諜によって、トランシルヴァニアでワラキア軍が敗勢であるという偽情報を掴まされていた。
実のところ先刻のルペニ卿もその騙された者の一人である。
だからといって一向に同情には値しない。
この程度で裏切るほど底の浅い連中などいるだけ迷惑でしかないのだから。
「―――――もうひとつご報告が」
「なんだ?」
わずかだが鉄面皮のシエナが言い渋る気配を感じて俺は首を傾げた。
少なくとも俺の記憶にあるかぎり、この男が俺の前で遠慮などしかことはなかったはずであった。
「ラドゥ殿下ですが、このたびセルビアにて初陣を済ませられイェニチェリの一員に抜擢されたようで」
「…………そうか」
ドキリと心臓が不自然な跳ねかたをしたのが自分でもはっきりとわかった。
近いうちにラドゥが、オスマン帝国の組織に取りこまれるであろうことは予想していた。
しかしあまりに早すぎる。
ラドゥは今年でようやく12歳のはずだ。
初陣を飾るにしても早すぎる。もしものことがあったらムラト2世はどうするつもりなのか。
「…………ラドゥは無事なのか?」
「はい。どうやら戦線の後方で守られていたようでございます。オスマンも今は殿下を大事に扱っております。将来の有為な人材として」
ラドゥは真面目な秀才タイプの男である。
他国人の官僚を育成するオスマンからすれば、確かに魅力的な人材であることは間違いないだろう。
しかしそれは俺の思惑にとっては逆効果にしかならない。
折りを見て俺は占領地の拡大を理由に、ラドゥの返還を要求するつもりであったからだ。
いずれ俺がオスマン帝国に反旗を翻す日のために。
「引き続きラドゥの情報を集めてくれ」
「御意」
短くそう言って引きさがったシエナは、その秀麗な美貌の知性的な広めの額に小さく皺をよせた。
主君は気づいていないようだが、これはシエナが深刻な決意を固めたときの癖だった。
彼がいったいどんな決意を固めたのか。
それは間違いなく合理的な理由があり、ワラキアのためになる決意であることなのは確かだが、それが情理とは無縁であることもまた確かなことであった。
いったいどうしたのだろう、とベルドが疑問の視線を向けてくる。
戦は完全な勝利に終わり、反抗した貴族はまともに戦うことすら出来ずに着の身着のまま逃走したはずなのに。
蛇に睨まれた蛙のような悪寒が消えない。
「何か気になることでもござますか?」
「いや………なんだか寒気がしただけだ。俺としたことが、気の迷いか?」
「それはいけません! 幸い領民や兵士の大半は領主より殿下に心を寄せている様子。今日は早々にお休みくださいませ!」
「う……うむ」
刺客に襲われて以来、ベルドが過保護すぎる。
しかしその心配も決して杞憂と言えないところが哀しい現実であった。
なぜならこうして帰国早々、ワラキア軍はハンガリーに呼応したと思われる国内貴族の反乱鎮圧に向かわなければならなかったからだ。
幸いなことにコンスタンティノポリス総大主教庁は、目論見通りワラキア優位な裁定を下し、ブラショフとシギショアラを結ぶトランシルヴァニア中央部までをワラキア領として認めるかわりに、トランシルヴァニア西部は引き続きフニャディ・ヤーノシュが領有すること。
そして捕虜にしたヤーノシュの二人の息子を無償で返還することなどを両国に対して通告した。
おそらくは断腸の思いであっただろうが、たとえトランシルヴァニアの過半を諦めることになろうとも、ヤーノシュは年齢的にも最後の子である二人の息子を諦めることが出来なかった。
強引な手段でハンガリー宮廷を制圧した今、ヤーノシュにとっては血族の団結こそが何よりも重要であった。
必要であれば、表面上はオスマンの属国であるワラキアにはいつでも攻め込める大義名分は出来る。
ならば今は宮中を掌握し、息子を取り戻して近いうちに訪れるであろう再戦のための準備をするために、不本意でも不利な講和を結ぶのは許容の範疇内というべきであった。
そうしてハンガリーとの間に和平が成立したのがつい先日のことである。
ところがまたしてもというべきか、ワラキアを離れトランシルヴァニアでハンガリーと対峙しているのを奇貨として国内貴族が蠢動していた。
これがもしもっと早く大規模なものであれば、和平自体どうなっていたことかわからない。
しかしトゥルゴヴィシュテに残してきた警戒部隊と、とってかえしたワラキア軍によって反乱貴族は分断されあっさりと各個撃破されていった。
「――――――それにしても思ったより便利なものだったな。これ…………」
俺が見上げる視線の先には巨人の腕を思わせる建造物が鎮座している。
ワラキアからトランシルヴァニアを結ぶ街道の結節点に整備されたその施設の名を腕木塔と呼んだ。
腕木通信とは、要するに巨大な三本の柱を操ることによって手旗信号と同じような形で遠距離の仲間と意志の疎通を図ることにある。
これは電信が普及する前のナポレオン時代にフランスにおいて整備されたもので、この時代以前によく使用されていた狼煙などよりも遥かに細かい意志伝達が可能であった。
手旗では二本の腕しかつかえないが、腕木は三本の柱を使用するため、ほぼ会話に匹敵するだけの情報量を伝達することができたという。
反乱の状況と兵力を正確に把握していたワラキア軍は、帰国するやほとんど電光石火の勢いで反乱軍を鎮圧した。
征伐された貴族にしてみれば、いったい何が起こったのかわからぬままに悪魔が現れて命を刈り取られたように感じたであろう。
悠長にお互いの騎士同士を派遣して、協力の打ち合わせなどをしていたのがそのいい証拠であった。
戦力はともかく、心理的な準備がまるでできていなかったのである。
「―――――殿下、ルペニ卿から降伏の使者が参っておりますが………」
「追い返せ。俺は二度目は許さんと言ったはずだ」
ルペニ卿はヴラディスラフとの戦いにおいて、中立を保ったワラキア西部の中堅貴族である。
防衛戦ならばともかく、速成のワラキア軍がトランシルヴァニアに侵攻して勝利するとは考えられなかった貴族は多かったらしく、ルペニ卿もその一人であった。
中立派がトゥルゴヴィシュテを訪れたときに、俺は二度目はないことをはっきりと宣言しているにもかかわらず、謝罪すれば許されると考えているとすれば恐るべき度胸だ。
離合集散は貴族の習いとでも思っているのだろうか。
そんな貴族の協力は俺には必要はないし、せめてワラキア軍の敗報を聞くまでの我慢もできないような馬鹿には敵としての価値すらない。
ただただ除くべき塵芥として淡々と処理するまでのことだ。
「―――――殿下」
「シエナか」
相変わらずの無表情で、冷徹な策士が俺の前にゆっくりと膝を折った。
「コンラル、パシェトゥはすでにハンガリーへ逃亡したようです。セルグイはどうもまだワラキア軍の勝利を信じ切れていないようで、いまだ抗戦の構えを崩していません」
「ちょうどいい機会だ。馬鹿には消えてもらうとしよう。どうせ潜り込んでいるものがいるのだろう?」
「配下の騎士数名がこちらに内通を確約しております」
「できるだけ惨たらしく殺してやれ。戦わずに逃げる貴族が多ければそれだけ手間がはぶける」
「御意」
今回の討伐がこれほど早期に終了したのは腕木通信の情報伝達速度もあるが、それ以上に内偵を済ませていたシエナの功績によるところが大きい。
組織者として有能であるばかりでなく、シエナは謀略の仕掛け人としても一級の腕を誇っている。
愚かにも命を失った貴族の幾人かは、シエナの工作によって潜入した間諜によって、トランシルヴァニアでワラキア軍が敗勢であるという偽情報を掴まされていた。
実のところ先刻のルペニ卿もその騙された者の一人である。
だからといって一向に同情には値しない。
この程度で裏切るほど底の浅い連中などいるだけ迷惑でしかないのだから。
「―――――もうひとつご報告が」
「なんだ?」
わずかだが鉄面皮のシエナが言い渋る気配を感じて俺は首を傾げた。
少なくとも俺の記憶にあるかぎり、この男が俺の前で遠慮などしかことはなかったはずであった。
「ラドゥ殿下ですが、このたびセルビアにて初陣を済ませられイェニチェリの一員に抜擢されたようで」
「…………そうか」
ドキリと心臓が不自然な跳ねかたをしたのが自分でもはっきりとわかった。
近いうちにラドゥが、オスマン帝国の組織に取りこまれるであろうことは予想していた。
しかしあまりに早すぎる。
ラドゥは今年でようやく12歳のはずだ。
初陣を飾るにしても早すぎる。もしものことがあったらムラト2世はどうするつもりなのか。
「…………ラドゥは無事なのか?」
「はい。どうやら戦線の後方で守られていたようでございます。オスマンも今は殿下を大事に扱っております。将来の有為な人材として」
ラドゥは真面目な秀才タイプの男である。
他国人の官僚を育成するオスマンからすれば、確かに魅力的な人材であることは間違いないだろう。
しかしそれは俺の思惑にとっては逆効果にしかならない。
折りを見て俺は占領地の拡大を理由に、ラドゥの返還を要求するつもりであったからだ。
いずれ俺がオスマン帝国に反旗を翻す日のために。
「引き続きラドゥの情報を集めてくれ」
「御意」
短くそう言って引きさがったシエナは、その秀麗な美貌の知性的な広めの額に小さく皺をよせた。
主君は気づいていないようだが、これはシエナが深刻な決意を固めたときの癖だった。
彼がいったいどんな決意を固めたのか。
それは間違いなく合理的な理由があり、ワラキアのためになる決意であることなのは確かだが、それが情理とは無縁であることもまた確かなことであった。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる