1 / 250
サイクリングコースの老婆
しおりを挟む
これは私が大学生のころですなんですがね。
春休みに友人と二人で寝袋もって旅行に出まして。
無人駅に泊まったりした貧乏旅行でしたけど・・まあその当時はちょっとした冒険気分ですごく楽しかったですよ。
あれはN県に入って初日のことでしたね。
綺麗な湖があるんで有名なとこだからたぶん皆さんも名前くらいは聞いたことありますよ。
そこのサイクリングコースに迷い込んじゃった。
よせばいいのにこのサイクリングコースを歩いて走破しよう!なんて二人で盛り上がっちゃって・・・でも景色は綺麗だし空気はおいしいし、写真なんか撮ってるうちにあっという間に時間が過ぎて夕方になっちゃった。
ずっと歩き続けて足もくたくただし、空は暗くなってくるし、もうそろそろ帰ろうって友人に言ったんですよ。
でもやっこさん意地になっちゃってて次が最後だから、って先にすすんで行くんですよね。
まあ実際観光案内版みたいなのにかかれたポイントっていうのが、次で最後だったんですよ。じゃあいいかって思いましてね。
………その最後のポイントっていうのが不思議な場所でしてね。
サイクリングコースから山にむかって続いてる細~~い枝道を登っていくんですよ。
とても自転車で登れるような場所じゃないんです。
わざわざ自転車から降りて歩かないとね。なんだか変なとこ来ちゃったな~ってその時は観光案内版を恨みましたよ(笑)
5分ほど歩いたかなあ。
1mくらいしかない道に体育座りみたいな格好してお婆ちゃんがいるんですよ。
よれよれの着物・・・っていうのかな、今考えると時代劇に出てきそうでしたけどね。
そんなお婆ちゃんがうつむいてなんだかブツブツ言ってる。正直引きましたよ。帰りてえええ!って。
でも友人はずんずん進んでいくし、回れ右するのもお婆ちゃんに失礼な気もしましたしねえ。
お婆ちゃんの足をまたぐようにして先に進みましてね。
そん時「親を・・・・」みたいな声が聞こえて、ああ、これは親子喧嘩でもして飛びだしてきたのかな?なんて思って、そしたら薄気味悪かったお婆ちゃんもなんだか可哀そうに思えてきた。
そこからさらに5分近く歩くと少し拓けた場所に出て、最後のポイントの神社にでましてね。
神社っていったって祠みたいなもんですよ。ちっちゃい神社で。
そんで横に木製の看板があって神社の来歴が書いてある。
宝暦だか天明だか・・・忘れましたけどね。なんだかえらい法師が昔に建立したらしい。
暗くて見えにくいんでジッポライターを点けましてね。その手がだんだん震えてくる。ガタガタガタガタ・・・・
「おい、これ………」
………って友人の顔真っ青ですよ。もちろん私も。
だって神社の建立された由来っていうのは・・・姥捨て山だったからなんですから・・・
それじゃまさかあの婆さんは………
そう思ったらもうたまらなかった。後はもう半狂乱で脱兎のごとく逃げましたね。
狭い1本道のはずでしたけど帰り道であのお婆さんに会うことはありませんでした。・・ということは・・・やっぱりそういうことなんでしょうかねえ・・・・。
春休みに友人と二人で寝袋もって旅行に出まして。
無人駅に泊まったりした貧乏旅行でしたけど・・まあその当時はちょっとした冒険気分ですごく楽しかったですよ。
あれはN県に入って初日のことでしたね。
綺麗な湖があるんで有名なとこだからたぶん皆さんも名前くらいは聞いたことありますよ。
そこのサイクリングコースに迷い込んじゃった。
よせばいいのにこのサイクリングコースを歩いて走破しよう!なんて二人で盛り上がっちゃって・・・でも景色は綺麗だし空気はおいしいし、写真なんか撮ってるうちにあっという間に時間が過ぎて夕方になっちゃった。
ずっと歩き続けて足もくたくただし、空は暗くなってくるし、もうそろそろ帰ろうって友人に言ったんですよ。
でもやっこさん意地になっちゃってて次が最後だから、って先にすすんで行くんですよね。
まあ実際観光案内版みたいなのにかかれたポイントっていうのが、次で最後だったんですよ。じゃあいいかって思いましてね。
………その最後のポイントっていうのが不思議な場所でしてね。
サイクリングコースから山にむかって続いてる細~~い枝道を登っていくんですよ。
とても自転車で登れるような場所じゃないんです。
わざわざ自転車から降りて歩かないとね。なんだか変なとこ来ちゃったな~ってその時は観光案内版を恨みましたよ(笑)
5分ほど歩いたかなあ。
1mくらいしかない道に体育座りみたいな格好してお婆ちゃんがいるんですよ。
よれよれの着物・・・っていうのかな、今考えると時代劇に出てきそうでしたけどね。
そんなお婆ちゃんがうつむいてなんだかブツブツ言ってる。正直引きましたよ。帰りてえええ!って。
でも友人はずんずん進んでいくし、回れ右するのもお婆ちゃんに失礼な気もしましたしねえ。
お婆ちゃんの足をまたぐようにして先に進みましてね。
そん時「親を・・・・」みたいな声が聞こえて、ああ、これは親子喧嘩でもして飛びだしてきたのかな?なんて思って、そしたら薄気味悪かったお婆ちゃんもなんだか可哀そうに思えてきた。
そこからさらに5分近く歩くと少し拓けた場所に出て、最後のポイントの神社にでましてね。
神社っていったって祠みたいなもんですよ。ちっちゃい神社で。
そんで横に木製の看板があって神社の来歴が書いてある。
宝暦だか天明だか・・・忘れましたけどね。なんだかえらい法師が昔に建立したらしい。
暗くて見えにくいんでジッポライターを点けましてね。その手がだんだん震えてくる。ガタガタガタガタ・・・・
「おい、これ………」
………って友人の顔真っ青ですよ。もちろん私も。
だって神社の建立された由来っていうのは・・・姥捨て山だったからなんですから・・・
それじゃまさかあの婆さんは………
そう思ったらもうたまらなかった。後はもう半狂乱で脱兎のごとく逃げましたね。
狭い1本道のはずでしたけど帰り道であのお婆さんに会うことはありませんでした。・・ということは・・・やっぱりそういうことなんでしょうかねえ・・・・。
38
お気に入りに追加
1,653
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる