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ボーイインザボックス事件 新展開
しおりを挟む長年不明とされてきた被害者の身元が、なんと65年の時を経て判明というニュースが流れた。
迷宮入り事件としてウォッチしていた管理人としては、執念深い捜査を継続したフィラディルフィア市警に賛辞を送りたい。
1957年2月25日、ペンシルベニア州フィラデルフィア北東部・フォックスチェイス地区(Fox Chase)にて、不法投棄された段ボールの中から、推定4~6歳と見られる男児の全裸遺体が発見された。
遺体の至るところに痣があり、生前に激しい虐待を受けていたと推察される。また司法解剖の結果、「頭部への打撃が直接的な死因」「死亡後に散髪されている」「死亡する数時間前に何も食べていない」「(手足がふやけていたため)水に浸かっていた可能性がある」ということが判明している。
遺体発見時、J.C.ペニーで販売された揺り篭の段ボールの空き箱内に、毛布に包まれた状態で遺棄されていた。
遺体を発見した男性は、発見現場付近にマスクラット捕獲用の罠を仕掛けていたため、発見時はその具合を調べていたと主張していた。
後にその男性は、遺体発見時、近くの女学校の生徒たちへののぞきをおこなっているところで、それが彼の習慣になっていたと明らかにした。
事件はフィラデルフィア一帯のマスコミの注目を集め、情報提供を呼びかける少年の写真入りポスターは、フィラデルフィア中のガソリンスタンドに貼り出された。
しかし、そのような事件当時の呼びかけや、長年の事件に対する断続的な関心にもかかわらず、犯人はおろか少年の身元も依然不明であった。
2002年2月、「M」という匿名希望の女性によりもたらされた証言。Mの主張は以下の通り。
少年の名は「ジョナサン」。1954年の夏、虐待癖のあるMの母親が少年の生みの親から買い取った。
その後2年半もの間、少年は極度の身体的・性的な虐待を受け続けた。また、殺害された理由は彼が浴槽で嘔吐し、母親が彼を怒りに任せて床に叩きつけたからである。
Mの母親はその後、少年の身元を隠すために彼の長い頭髪を刈り、Mを連れて当時はまだ人里離れていた遺体発見現場に少年を遺棄した。
なお、遺体の入っていた段ボール箱は、その場にもともと捨てられていたものである。
彼女らが遺体を車のトランクから出そうとしていた時、オートバイで男性が通りかかった。
その男性は、彼女らが事故にあったのだと勘違いしてすぐそばで停車し、「何か助けは必要ないか?」と尋ねてきた。
彼女らは車のナンバープレートを見せないように気を配りながら、無視し続けているうちに男性は走り去っていった。
警察が遺体発見現場を最初に検分した際、遺体には雑な散髪の跡が見受けられ、遺体に刈られた髪の毛が付着していた。Mの母親が少年の頭髪を刈ったという証言は、この散髪の跡の説明になると思われた。
後日、Mによるオートバイの男性についての証言と同じ内容の目撃証言が、遺体発見当時の1957年にある男性から寄せられていた。
また、遺体発見現場をたまたまオートバイで通りかかったこの男性からの目撃証言は、それまで一般には公開されていなかった。
このことから彼女の証言は事件に新展開を与えたものと思われた。
警察もMの証言の信憑性は高いと考えたのだが、後に彼女が精神病を患っていた経歴が判明する。
また、近隣住民にも事情聴取を行ったところ、Mの主張を「馬鹿げている」と真っ向から否定したため捜査は再び暗礁に乗り上げた。
その後事件は完全に迷宮入りしたものと思われていたが、2022年12月8日DNA分析の結果、男の子は当時4歳だったジョセフ・オーガスタス・ザレリちゃんと特定された。
とフィラデルフィア警察署のダニエル・アウトロー署長が明らかにした。
ただジョセフちゃんの身元は特定されたものの、その死亡の責任が誰にあるのかについては依然として捜査中だ。
フィラデルフィア警察殺人課のジェーソン・スミス警部は、身元の特定をきっかけに市民から多くの手がかりが寄せられるのを期待するとしつつ、事件から長い年月が過ぎているため捜査員が「苦戦を強いられている」ことを認めた。
「犯人を逮捕することはできないかもしれない」「(犯人の)身元を割り出すことも不可能かもしれない。それでも我々は死力を尽くす」(スミス警部)
すでに犯人が死亡している可能性は限りなく高い。
しかし最新の遺伝子研究によって、真犯人が割り出されることを管理人は願ってやまない。
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