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チャッキーのモデル? 呪いの人形ロバート

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映画チャイルドプレイは学生の頃は好きだった。
今はなんだか家族ができて人形と人形との間に子どもまで生まれてしまったようでわけわかめ。




 ロバート人形は、アメリカのアーティスト、ロバート・ユージーン・オットーの所有物であった。
 テディベアで知られるドイツの高級玩具メーカー「シュタイフ」によって製造されており、1904年、オットーの祖父がドイツでこの人形を孫のプレゼント用に購入したという。
 博物館の調査によると、ロバート人形は市販品ではないオリジナルで、おそらく店頭ディスプレイ用に作られたものの一つではないかとしている。
 この愛らしい人形を祖父にプレゼントされたロバートは狂喜した。
 その後食事も遊ぶ時も寝るときも、ロバートは人形から離れようとはしなかった。

 しかしプレゼントからひと月ほどが過ぎたある日、ロバートはとんでもないことを母親に頼みこむ。
「これから僕のことはジーンと呼んで欲しい。ロバートという名前は人形にあげてしまったから」

 ほどなくしてオットー一家の屋敷では不可思議な現象が多発し始めた。
 深夜に廊下を走り回る音がしたり、誰もいないのにドアが開いたり閉じたりした。
 また近所の子供たちがロバートの屋敷を見上げると、窓の隙間から人形が覗いていることがあったらしく、街の噂になってしまうほどであった。
 家具が勝手に倒れたり、服がずたずたに引き裂かれていたりするに及んで、両親はロバートに問いただした。
 ロバートの返事は「僕じゃない! 全部ロバートがやったんだ!」
 もちろんこのロバートは少年自身ではなく、いつもいっしょにいる人形のことを指していた。

 息子の異常性に気づいた両親は、日頃親しくしていた叔母に相談した。
 叔母はこともなげに、「人形を取り上げてしまいなさい。子供なんだからすぐに立ち直るわ」と言った。
 すぐにそれは実行に移され、泣き叫ぶロバートの手から奪われた人形は木の箱に封じられて倉庫の片隅に放り投げられた。
 ところが、である。

 ――――その翌朝、なんの前触れもなく叔母は突然死してしまったのだ。
 恐怖に震え上がった家族は木箱から人形を取り出すと、ロバートへと返した。
 もう下手に手を出すとやぶへびになりかねない、と家族は人形と関わることを放棄したのである。

 そのためロバートは大人になっても、就職しても、結婚しても常に人形とともに歩んだ。
 そしてついに74歳の天寿を全うするまで、人形との生活を続けたのである。


 問題はロバートの死後、ロバートの邸宅を購入したマートル・ロイターの身に降りかかった。
 主にいなくなったロバートの邸宅には、なぜか人形がひっそりと置かれていたらしい。
 当初は気にもとめなかったロイターだが、屋敷ではまた怪奇現象が頻発し、このままでは住み続けることはできないと彼女は人形をフロリダ州のイースト・マーテロー博物館へと寄贈した。


 博物館に寄贈されると呪いが収まるということはよくある。
 ホープダイヤなどもその例で、持ち主を呪い殺すと言われ、博物館に展示されてからは誰も呪い殺されていない。
 だがこの人形はそうではなかったようで、見学に訪れた客に災いが降りかかった。
 現在この博物館にはこう警告文が張り出されている。

「この部屋に入る前に絶対にロバートに挨拶をし、さらに写真を撮る際には必ずロバートに許可を得なければならない」

 この警告を無視した客には大小さまざまな不幸が訪れたという。
 そのため現在のロバート人形の展示室には、無数の許しを請う謝罪の手紙が張り出されている。




 チャイルドプレイのチャッキーのモデルと言われているが、考えてみるとチャッキーほどの凶悪さはない。
 むしろ地元では観光資源として歓迎されているようだ。



 低予算だけど怖い映画だったよな

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