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三発目の核は沖縄近海に眠る
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1965年、奄美大島の東方約150キロで、米空母タイコンデロガから1メガトン・水素爆弾を搭載した攻撃機が海中に転落し、パイロットとともに水深5000メートルの海底に沈んだ。
タイコンデロガはエセックス級空母の10番艦で、神風特攻隊が突入した映像で知る人も多いのではないだろうか。
ベトナム戦争での作戦任務を終え、横須賀へ帰還中であったタイコンデロガの機体エレベーターには、ウェブスター大尉の搭乗するA-4Eスカイホークがおり、水素爆弾を搭載していた。
これは通常の核攻撃アラート任務のためであったらしい。
エリア88でグレッグが当初乗ってたよね
核攻撃アラートとは、報復用の戦力を常に空中退避させておくもので、同様の任務の主体は戦略爆撃機であるBー52が担っていた。
ここで読者はおかしいと思うかもしれない。
日本には非核三原則があるじゃないか。アメリカは日本に黙って核を持ちこんでいたのか、と。
しかし実は有名な非核三原則は1968年に時の総理佐藤栄作が打ち出したもので、1965年にはまだ存在していなかったのである。
当然アメリカ軍は日本に核を持ちこみ放題やっていた。
困ったことに、沈んだ場所が南海トラフのど真ん中である。
どう見積もっても水深は五千メートルを超えている。
当時の技術では潜ることすら困難な水深で、まして回収することなど不可能。
この事態に当のアメリカ政府は、事件を隠蔽することを決めた。
事件が秘密指定解除を受け、報告書が明るみに出たのは1981年であるが、この時点で報告書に注目する人間はいなかった。
この報告書が注目を浴びるのは1989年に環境保護団体グリーンピースが、太平洋の環境に悪影響があるのではと指摘し、アメリカ誌ニューズウィークが取り上げるのを待たなくてはならない。
日本の排他的経済水域内に核爆弾――しかもヒロシマ型原爆の七十倍――が存在するにもかかわらず、政府マスコミの反応は鈍かった。
国会で野党から質問されることもあったが、時の外相宮澤喜一はあいまいな答弁を繰り返し、マスコミもあまり大きく取り上げることはしなかった。
日本政府の最終報告書では、水爆が起爆する確率はないとされている。
このことに関しては管理人もそのとおりであろうと考えている。
核爆弾には通常4つの安全装置が設けられており、この安全装置が2つ3つと解除される非常事態もあるにはあったが(ひどい)、なんとか誤爆を防いできた。
だが水深五千メートル以上の深海は、1平方センチあたり500キロ以上の水圧がかかる圧力の地獄である。
爆発することを前提として作られた核爆弾がその水圧耐えられたとは到底思えない。
仮に耐えられたとしても、長年の金属腐食によって、とうの昔に圧壊したと考えるのが妥当である。
つまり沖縄近海において、核爆弾に搭載されていたプルトニウム15キロはすでにばらまかれてしまった。
もちろんその程度では環境への影響は微小であろう。
しかしながらなぜ原発の海洋汚染水は大々的に取り上げられ報道されるのに、この核爆弾落下事件の取り扱いは小さいのか。
要するに金になるかならないか、だけではないのか、というのが管理人の疑問である。
ちなみにアメリカ軍はここ以外でもやらかしていて、1968年グリーンランドのチューレ空軍基地上空で、核アラート任務についていたBー52爆撃機が火災により墜落。
格納されていた水爆4発をまき散らして爆発した。
幸い安全装置のおかげで核爆発は起こらなかったものの、放射性物質をまき散らしたことでグリーンランド政府の猛抗議を受け、被爆覚悟で回収作業を行うこととなった。
これをクレステッドアイス作戦という。
ところが近年、完全に全ての回収を終了したというアメリカの報告は嘘で、4発中3発の核爆弾しか回収できてませんでしたww
ということが2008年BBCの取材により判明している。
なのに結局うやむやになった。
すげえなU・S・A!
一瞬、水爆大怪獣(すごい歌い文句だ)ゴジラの元ネタかと思ったが、ゴジラの製作は1954年なのでそんなことはなかった。
タイコンデロガはエセックス級空母の10番艦で、神風特攻隊が突入した映像で知る人も多いのではないだろうか。
ベトナム戦争での作戦任務を終え、横須賀へ帰還中であったタイコンデロガの機体エレベーターには、ウェブスター大尉の搭乗するA-4Eスカイホークがおり、水素爆弾を搭載していた。
これは通常の核攻撃アラート任務のためであったらしい。
エリア88でグレッグが当初乗ってたよね
核攻撃アラートとは、報復用の戦力を常に空中退避させておくもので、同様の任務の主体は戦略爆撃機であるBー52が担っていた。
ここで読者はおかしいと思うかもしれない。
日本には非核三原則があるじゃないか。アメリカは日本に黙って核を持ちこんでいたのか、と。
しかし実は有名な非核三原則は1968年に時の総理佐藤栄作が打ち出したもので、1965年にはまだ存在していなかったのである。
当然アメリカ軍は日本に核を持ちこみ放題やっていた。
困ったことに、沈んだ場所が南海トラフのど真ん中である。
どう見積もっても水深は五千メートルを超えている。
当時の技術では潜ることすら困難な水深で、まして回収することなど不可能。
この事態に当のアメリカ政府は、事件を隠蔽することを決めた。
事件が秘密指定解除を受け、報告書が明るみに出たのは1981年であるが、この時点で報告書に注目する人間はいなかった。
この報告書が注目を浴びるのは1989年に環境保護団体グリーンピースが、太平洋の環境に悪影響があるのではと指摘し、アメリカ誌ニューズウィークが取り上げるのを待たなくてはならない。
日本の排他的経済水域内に核爆弾――しかもヒロシマ型原爆の七十倍――が存在するにもかかわらず、政府マスコミの反応は鈍かった。
国会で野党から質問されることもあったが、時の外相宮澤喜一はあいまいな答弁を繰り返し、マスコミもあまり大きく取り上げることはしなかった。
日本政府の最終報告書では、水爆が起爆する確率はないとされている。
このことに関しては管理人もそのとおりであろうと考えている。
核爆弾には通常4つの安全装置が設けられており、この安全装置が2つ3つと解除される非常事態もあるにはあったが(ひどい)、なんとか誤爆を防いできた。
だが水深五千メートル以上の深海は、1平方センチあたり500キロ以上の水圧がかかる圧力の地獄である。
爆発することを前提として作られた核爆弾がその水圧耐えられたとは到底思えない。
仮に耐えられたとしても、長年の金属腐食によって、とうの昔に圧壊したと考えるのが妥当である。
つまり沖縄近海において、核爆弾に搭載されていたプルトニウム15キロはすでにばらまかれてしまった。
もちろんその程度では環境への影響は微小であろう。
しかしながらなぜ原発の海洋汚染水は大々的に取り上げられ報道されるのに、この核爆弾落下事件の取り扱いは小さいのか。
要するに金になるかならないか、だけではないのか、というのが管理人の疑問である。
ちなみにアメリカ軍はここ以外でもやらかしていて、1968年グリーンランドのチューレ空軍基地上空で、核アラート任務についていたBー52爆撃機が火災により墜落。
格納されていた水爆4発をまき散らして爆発した。
幸い安全装置のおかげで核爆発は起こらなかったものの、放射性物質をまき散らしたことでグリーンランド政府の猛抗議を受け、被爆覚悟で回収作業を行うこととなった。
これをクレステッドアイス作戦という。
ところが近年、完全に全ての回収を終了したというアメリカの報告は嘘で、4発中3発の核爆弾しか回収できてませんでしたww
ということが2008年BBCの取材により判明している。
なのに結局うやむやになった。
すげえなU・S・A!
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