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研究のため仏像をスキャンしてみたら……
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管理人は湯殿山で即身仏(ミイラ)を何度も見ている。
なかなか即身仏というのは難しいもので、実はちゃんとミイラ化するのは数割にも満たないのだそうだ。
補陀落渡海という自発的な投身自殺の習慣は、江戸期まで残っていたらしいが、ミイラをさらに仏像のなかに隠したという話は日本では聞かない。
もしそんな事例が日本でもあるのなら、管理人までお知らせ頂きたい。
仏像をCTスキャンしたら中からミイラが現れた!
2019年、中国から輸入された加漆肉身仏で現在では非常に貴重なものだそうである。
製作年代は11世紀から12世紀、中国では仏教がほとんど廃れていた時代である。
加漆肉身仏というくらいなので、最初からミイラが中に入っているのはわかっていたようだ。
内視鏡により異物のサンプルと胸郭、腹腔を調べるnは胃腸肝臓専門医のレイナルド氏が担当した。
サージカル・テクノロジーズが開発した内視鏡で覗いてみると、内臓のあった場所からありとあらゆる腐敗物に混じって、なんと古代の漢字を記した紙くずが見つかった。
新発見だったのは、この紙くずの方なのだとか。
禅僧であったこのミイラが内包していた紙屑は、禅の経典である可能性が高く、すでに失われた経典の一部であるとすればその価値は計り知れないであろう。
京極夏彦氏の鉄鼠の檻を思い出すな。
気になるのは僧侶の正体だが、そちらは李貫という禅僧とのことらしい。
没年は西暦1100年前後。仏像の年代もこの没年と符合する。
かつて僧は断食をし、水分を体から抜き、しまいには毒まで飲んで、不滅の体を解脱して悟りを得ようとした。
まず最初1,000日は寺周辺で拾った木の実と種だけ食べる。
韮 (にら)、葱 (ねぎ)、蒜 (にんにく)、薤 (らっきょう)、薑 (しょうが) の俗に言う五辛を断つのも当然だ。
次の1,000日は松の木の皮と根っこ。それが終わると今度は漆の茶(毒)を飲む。すると嘔吐で体の水分が出て、本来なら死体に群がる虫・微生物も食指の進まない体になるのだ。
あとは座禅できるだけの空間だけある墓に入って、竹の空気穴で呼吸をし、読経しながら鈴を鳴らす。
鈴が止まると死んだ合図だ。外にいる人が空気穴を閉じ、そのまま3年放置する。
1,000日置いて墓を開け、ミイラ化したかどうかをチェックし、失敗なら(大体は失敗に終わった)埋葬。
成功なら永遠の悟りの境地に達し、輪廻転生から解脱し、仏の位に高まった証拠である。
ミイラに服を着せてきれいに飾り奉納する。
空海が中国で学んで持ち帰った修行法で、同じ習わしは中国、インドにもあった。この手法のキモは内臓を抜かないでミイラ化してしまうところだ。
そのあたりがエジプトのミイラとは明らかに違う。
紙屑の解読の発表が待たれる。
湯殿山のミイラ
たしか真言宗の仏僧であったと思う。
なかなか即身仏というのは難しいもので、実はちゃんとミイラ化するのは数割にも満たないのだそうだ。
補陀落渡海という自発的な投身自殺の習慣は、江戸期まで残っていたらしいが、ミイラをさらに仏像のなかに隠したという話は日本では聞かない。
もしそんな事例が日本でもあるのなら、管理人までお知らせ頂きたい。
仏像をCTスキャンしたら中からミイラが現れた!
2019年、中国から輸入された加漆肉身仏で現在では非常に貴重なものだそうである。
製作年代は11世紀から12世紀、中国では仏教がほとんど廃れていた時代である。
加漆肉身仏というくらいなので、最初からミイラが中に入っているのはわかっていたようだ。
内視鏡により異物のサンプルと胸郭、腹腔を調べるnは胃腸肝臓専門医のレイナルド氏が担当した。
サージカル・テクノロジーズが開発した内視鏡で覗いてみると、内臓のあった場所からありとあらゆる腐敗物に混じって、なんと古代の漢字を記した紙くずが見つかった。
新発見だったのは、この紙くずの方なのだとか。
禅僧であったこのミイラが内包していた紙屑は、禅の経典である可能性が高く、すでに失われた経典の一部であるとすればその価値は計り知れないであろう。
京極夏彦氏の鉄鼠の檻を思い出すな。
気になるのは僧侶の正体だが、そちらは李貫という禅僧とのことらしい。
没年は西暦1100年前後。仏像の年代もこの没年と符合する。
かつて僧は断食をし、水分を体から抜き、しまいには毒まで飲んで、不滅の体を解脱して悟りを得ようとした。
まず最初1,000日は寺周辺で拾った木の実と種だけ食べる。
韮 (にら)、葱 (ねぎ)、蒜 (にんにく)、薤 (らっきょう)、薑 (しょうが) の俗に言う五辛を断つのも当然だ。
次の1,000日は松の木の皮と根っこ。それが終わると今度は漆の茶(毒)を飲む。すると嘔吐で体の水分が出て、本来なら死体に群がる虫・微生物も食指の進まない体になるのだ。
あとは座禅できるだけの空間だけある墓に入って、竹の空気穴で呼吸をし、読経しながら鈴を鳴らす。
鈴が止まると死んだ合図だ。外にいる人が空気穴を閉じ、そのまま3年放置する。
1,000日置いて墓を開け、ミイラ化したかどうかをチェックし、失敗なら(大体は失敗に終わった)埋葬。
成功なら永遠の悟りの境地に達し、輪廻転生から解脱し、仏の位に高まった証拠である。
ミイラに服を着せてきれいに飾り奉納する。
空海が中国で学んで持ち帰った修行法で、同じ習わしは中国、インドにもあった。この手法のキモは内臓を抜かないでミイラ化してしまうところだ。
そのあたりがエジプトのミイラとは明らかに違う。
紙屑の解読の発表が待たれる。
湯殿山のミイラ
たしか真言宗の仏僧であったと思う。
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