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外でお経を読むな

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 管理人は月に一度、地域の鎮守である八幡宮と稲荷神社への参拝を欠かしていません。


一応これでも修験道の行者やってます
お寺と師弟関係を結び、京都に有る某本山で僧籍をもっています。

そんな私が駆け出しの頃体験した怖い話です。
やっぱり修行をしていますとだんだん霊感が付くものです。
入門して多少の修行経験を積みお寺の師匠から
「霊感付いてきたみたいだから外でお経を読むな、家以外ではお経を読むな」などと言われ出した頃です。
性分的にダメと言われると、「なぜダメなの?」と思い体当たりで戒めを破りなぜかを知りたがる性分
自宅以外でお経を唱えましたね。
実際、やっている人はわかるかもしれないですがお堂やお寺で唱える読経と自宅で漠然と唱えるお経では違うものなのです、神様仏様の前で唱えると気持ちが違うものなのです。


52: 45 2009/12/26(土) 19:33:38 ID:3Ckvss8GP
ある休みの朝、ある神社へ行きたくなって後輩を伴い言ったのですが、ここで少し説明
後輩はお寺の後輩ではなく、会社員時代の後輩で行者になった私に興味を持ってくれた人、行者ではなくいわば普通の信者的な感覚の人です。
そして、ある神社とは、行者になる前に行った場所なのですが、この時代、行者なんかやろうと思う私は相当オカルト的なものは大好きで風水だとかにも傾倒していた時期がありました。
その頃見つけた所謂「龍穴」パワースポットと言う奴です。
その手の龍穴は神社仏閣になって守られている事が多く所謂神域と言う事です。
規模的には某県の県庁所在地、中規模都市を支えている龍穴です。
多少の霊感が有る人なら近づくと耳鳴りが三日ほどなり続けるような場所です。



53: 45 2009/12/26(土) 19:34:38 ID:3Ckvss8GP
さて状況説明はこの位にして本題
その後輩と朝思い立って車で2時間ほどの山の中の神社へ到着し、過去に来た時よりも感を研ぎ澄ませ境内を散策し「龍穴」そのものを見つけました。
大きな巨木(小さな巨木は無いですが^^;)境内側から見えない裏側に回ると塔婆や石碑がズラーっと並んでまさにまさに龍穴そのものなのです。
龍神社(水神)も巨木の横にありここだなと思いました。
般若心経をおもむろに唱えました。

そこまではなんでもないんですが、鳥居を背にして車に乗り込み帰路に着こうと思ったのですがなんだか嫌な予感がしました。単に嫌な予感が直感的にありました。
車に乗り込み進みだしますがブレーキがだんだんと踏みしろが深くなって最終的にはスコーンって感じになってしまし「ブレーキが利かないな」
などと話しつつ山道をハンドブレーキで進むのですが、なんだかさっきの悪寒が大きくなってきて何かに追いかけられるような感覚に陥りました。
「やばいなぁヤバイなぁ」などと内心思いながら二又の道「●◎寺→」みたいな看板があり寺に逃げ込もうと必死でそちらにハンドルを切りました。
ふもととは別な道、だんだんと追いかけてくる感覚が大きくなってきて、感覚が具体性を持ってきます。

とにかく恐怖、恐怖の塊が追いかけてくるような感覚に陥り精神と言うか心というか全身だんだん覆っていく感覚になりあせりながらハンドルを裁きました。
ようやくついた●◎寺、ここはもう廃寺になったようなお化け寺でお墓しかありません。
大急ぎでハンドルとハンドブレーキを駆使して狭い山道をUターンしました。
それまで自分だけこの感覚に陥っているかと思っていたのですが、ふと助手席の後輩を見る、
目をひん剥いて口はへの字口に体は硬直しているような感じ、同じ感覚に陥っているのが手に取るようにわかります。

大急ぎで麓におりて山の入り口に有る大鳥居を越えてからその恐怖感覚が無くなりました。
後輩もやっと声を出せるようになったようで「なんか物凄く怖くて怖くて声がでませんでした」との事
「俺もだよなんなんだあれ?」と話、麓にお寺を見つけたのでそこで一息つきました。
と・・・・・。
ここまでならまあまあ良いのですがそこからなのです。



54: 45 2009/12/26(土) 19:35:35 ID:3Ckvss8GP
とにかくお互い家に帰ったのですが、なんだか虫が知らせると言うか、後輩が気になって電話したのですが電話に出ない。
何回も電話するのですが出ないんです。
2日後の夜10時くらいにやっと電話に出たのですが。出るとたんに泣き出すんです。
大の男が電話口で泣くなんて普通じゃないわけですが、様子がとにかくおかしい
聞けば、一人暮らしの彼は帰った夜から家にいて一人になるのが怖くて繁華街を延々2日間歩いていたそうです。

憔悴しきっていたのですが、「なんで電話に出ないんだよこっちも気になってたんだ」と伝えますが
「電話には出るなとずっと言われてたんだよ」と泣き出します。
「怖いけどなんとか電話出られたんですよ」とさらに泣き出す。
こりゃあもう憑き物ってやつだと思いつつ「どうしようどうしよう」しかも師匠の言いつけ守っていませんから師匠にも相談できないんですねw
「今一緒にいるんだよ一緒にいるんだよ」とわけわからん事を言いだすのでこっちもわけわららず必死に「じゃあその人に電話代わって」と言ったらもう霊媒なんでしょうね
「神域を壊しに来たのはなんでだ?」と言い出すんです。そこで「そんなつもりはありません」とそこからは奇妙な感覚になり会話が成立するんです。

そこでもう必死なんで「◎◎大明神様、私は××と申します、▽▽寺で修行している行者で壊しに行ったんじゃないんです、物見勇山で行ったのはすみません」と言い、「
まだ駆け出しの行者なんですが一生懸命に観音経を唱えますからご勘弁下さい」と言い電話で観音経を唱えだすとすごい声で泣き出すんですよ後輩が。
唱え終わり「本当に失礼あったら申し訳ございません」と言うとスーッと体から悪寒が無くなって電話口の後輩も落ち着いた様子でした。

そんなこんなで既に2日会社無断欠勤している後輩なのですが翌日有って話を聞きますと「近所の神社に末社があるから挨拶に来い」みたいに言ってたと言うのでその後輩の家の近所の神社に行くと・・・・。
ありました「◎◎大明神」もう絶句なんですが昨晩のやりとりは本当だったようです。
般若心経を一巻唱えてご挨拶し事なきをえました。

明治維新までの日本の基本は神仏混淆で、寺の住職と神社の神主が兼務だったり、
仏式で神社を祀ったりしていたんです。
ただ、遡って奈良時代まで行くと神道と仏教は政治的な敵対関係にあったこともあって
蘇我氏と物部氏の争いがそれで、神道の神を奉じていた物部氏と、
外来の仏教を奉じた蘇我氏が戦い、聖徳太子が蘇我氏について
物部氏を滅ぼした事で、日本で広く仏教が浸透したとされています。
その後、神道と仏教は融合の道を歩み本地垂迹説と言って、日本の神々は
仏が姿を変えて、日本に現れた物だと言う考えまで出てきます。
これが、再び分けられたのが明治に日本をまとめる思想として神道を利用するために
神仏分離令が出され、それに伴う廃仏毀釈で神職達によって多くの寺が打ち壊され、
多くの仏像が断ち割られたり燃やされたりしました、
(このとき奈良の興福寺では、全ての僧侶が強制的に還俗させられ
伽藍は打ち壊され、五重の塔は25円で売り払われました)
こういった経緯があって、今の形の神道と仏教の形ができあがったわけです。

ああ、ちなみに本来神域聖域なので近づいちゃいけないところに物見遊山で行ったことで怒られたわけです。
宗教的な隔たりで怒ったのではないですよ
逆に言えば祝詞を上げる神道式でも怒られたでしょうね
基本的に神仏は仲良しです
仲たがいしているように思うのは人間の都合(宗教の都合)であって基本仲良しです
分け隔てなく広く信仰することは日本的な宗教感でありどこどこの宗教に入信しなければダメみたいなのは西洋の一神教の考えです。
神社の神様は主に土地を守ります、極端な話ですが神様によっては自分の守っている土地の人以外興味が無い神様もいます
ですから「ご利益があるからあそこの神社へお参りしよう」と言うより近所の小さな鎮守神社のほうが祈願が通りやすいかもしれません。
逆に他所の土地に行く場合、例えば営業でその地域担当になった場合その地域の鎮守様に一言お邪魔しますみたいな挨拶は有効です。
また基本的に神社の神様は日本人以外に興味ありません。
しかし仏教の仏様は人種や土地に関係ありません。
ただ、日本でお祀りされている仏様は日本を守る事も念頭においていますから神社の神様と協力関係にあるのは言うまでもありません。
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