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幻の最初の宇宙飛行士
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世界発の有人宇宙飛行士といえば、誰もが知るあのガガーリンである。
本人にとって特に意味はなかったらしいが「地球は青かった」というセリフに感動した者も多いだろう。(この以前まで、地球は緑色であると思われていたらしい)
1961年4月12日、ボストーク宇宙船は初の有人宇宙飛行に成功した。
しかしその帰還確率は決して高いものではなく、高度七千メートルにまで降下したところでパラシュートで脱出するという危険なものだった。
もし失敗したならば、最初から無人であったと当時のソ連は隠し通す気満々であったという。
命の値段の安さで定評のあるソ連だからこそできる情報操作であった。
そこでひとつ、謎として語られている話がある。
ガガーリンのボストーク打ち上げを遡ること二か月前、公式には発表されず密かにコラブル・スプートニク宇宙船が1961年2月17日に発射された。
これはいまだに公式記録としては認められていないが、当たり前の話であるが各国のレーダーに探知されたので公然の秘密ということになっている。
ソ連政府は沈黙を守っていたが、各国に探知されていたこともあり無人機の実験に成功したと談話を発表した。
この無人機は、これまでの宇宙船とは違い、加速して月への軌道を取ろうとしたのだが、ロケットの推力が足りず地球の引力圏を突破できなかった。
そしてこのコラブル・スプートニクは非常に長い楕円軌道を描いて地球の周りを周回することになったのである。
もちろん地球へと帰還することはできなかった。
このコラブル・スプートニクの話が面白くなるのはこれからだ。
その日から世界中の様々な観測所で、衛星からの電波がキャッチされるようになった。
数時間に一度発信されるそれは各国共通でロシア語による男女の会話であった。
のちにソ連政府はこれは予定された録音テープの再生であると発表したが、それにしては会話の内容が不自然であった。
「全て良好、我々の宇宙船は予定の高度を保っている」
このメッセージが1961年2月24日いきなり変化する。録音されたテープならありえないことだ。
男「ダイヤルは見える。しかしシグナルははっきりしない。もう何も見えない」
女「私が右手で支えています。こうすればバランスは保てます。今のうちに窓から外を見てください、あれを見てください」
男「なんだあれは? 何かがある!」
しばらくして
男「……もしわれわれが帰れなくても、世界は何も知らないままだろう」
機械音で「ただいまモスクワ時間で午前8時です」という時報が流れる。
この音声を最後に謎のロケットからの無線は一切絶えてしまう。
さすがに録音テープではありえない会話ではないだろうか?
このテープは各国で録音され、その一部が流出してひところyoutubeにも上がったことがあるはずである。
その後政権が変わり、ソ連からロシアになったいまでも、この会話はテープであるという公式見解は変わっていない。
さらにソ連の公式記録から消されてしまった宇宙飛行士がいるというのである。
左から二番目がユーリ・ガガーリン 宇宙飛行士学校の集合写真
上に映っている黒シャツの男が消えているのがわかるだろうか?
1980年代、西側世界で謎とされ、アーサー・C・クラークがソ連を取材した際にも全く答えてもらえなかったという写真である。
もしかしたら、
もしかしたら打ち上げ失敗を隠すため、存在を消された宇宙飛行士がいるのかもしれない。
そして彼は、成功していればガガーリンより先に、人類初の宇宙飛行士になっていたかもしれないのだ。
コラブリ・スプートニク模型
本人にとって特に意味はなかったらしいが「地球は青かった」というセリフに感動した者も多いだろう。(この以前まで、地球は緑色であると思われていたらしい)
1961年4月12日、ボストーク宇宙船は初の有人宇宙飛行に成功した。
しかしその帰還確率は決して高いものではなく、高度七千メートルにまで降下したところでパラシュートで脱出するという危険なものだった。
もし失敗したならば、最初から無人であったと当時のソ連は隠し通す気満々であったという。
命の値段の安さで定評のあるソ連だからこそできる情報操作であった。
そこでひとつ、謎として語られている話がある。
ガガーリンのボストーク打ち上げを遡ること二か月前、公式には発表されず密かにコラブル・スプートニク宇宙船が1961年2月17日に発射された。
これはいまだに公式記録としては認められていないが、当たり前の話であるが各国のレーダーに探知されたので公然の秘密ということになっている。
ソ連政府は沈黙を守っていたが、各国に探知されていたこともあり無人機の実験に成功したと談話を発表した。
この無人機は、これまでの宇宙船とは違い、加速して月への軌道を取ろうとしたのだが、ロケットの推力が足りず地球の引力圏を突破できなかった。
そしてこのコラブル・スプートニクは非常に長い楕円軌道を描いて地球の周りを周回することになったのである。
もちろん地球へと帰還することはできなかった。
このコラブル・スプートニクの話が面白くなるのはこれからだ。
その日から世界中の様々な観測所で、衛星からの電波がキャッチされるようになった。
数時間に一度発信されるそれは各国共通でロシア語による男女の会話であった。
のちにソ連政府はこれは予定された録音テープの再生であると発表したが、それにしては会話の内容が不自然であった。
「全て良好、我々の宇宙船は予定の高度を保っている」
このメッセージが1961年2月24日いきなり変化する。録音されたテープならありえないことだ。
男「ダイヤルは見える。しかしシグナルははっきりしない。もう何も見えない」
女「私が右手で支えています。こうすればバランスは保てます。今のうちに窓から外を見てください、あれを見てください」
男「なんだあれは? 何かがある!」
しばらくして
男「……もしわれわれが帰れなくても、世界は何も知らないままだろう」
機械音で「ただいまモスクワ時間で午前8時です」という時報が流れる。
この音声を最後に謎のロケットからの無線は一切絶えてしまう。
さすがに録音テープではありえない会話ではないだろうか?
このテープは各国で録音され、その一部が流出してひところyoutubeにも上がったことがあるはずである。
その後政権が変わり、ソ連からロシアになったいまでも、この会話はテープであるという公式見解は変わっていない。
さらにソ連の公式記録から消されてしまった宇宙飛行士がいるというのである。
左から二番目がユーリ・ガガーリン 宇宙飛行士学校の集合写真
上に映っている黒シャツの男が消えているのがわかるだろうか?
1980年代、西側世界で謎とされ、アーサー・C・クラークがソ連を取材した際にも全く答えてもらえなかったという写真である。
もしかしたら、
もしかしたら打ち上げ失敗を隠すため、存在を消された宇宙飛行士がいるのかもしれない。
そして彼は、成功していればガガーリンより先に、人類初の宇宙飛行士になっていたかもしれないのだ。
コラブリ・スプートニク模型
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