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あがりびと

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スレチだったらもうしわけないんだが書くわ、少し長文になるけど勘弁してくれ

正直俺も秘密を秘密にしておくのは辛い、正直喋りたくて仕方ない。うん
まぁ特定されない程度に書くけどバアチャンは九州の人間で「古賀」って名字なんだけどその地方はやたらと「古賀」って名字が多い場所とだけ書いておく。

なんかその地方のけっこうルーツにまつわる話で「古賀」の他にも「新賀」ってのもあったような気がするけど忘れた、厨房のときの話だから勘弁してほしい。

んで遡ること厨房のときなんだけど近所の渓流で俺は当時はやってたルアーフィッシングをやってたのさ。

バアチャンの家に遊びに行ってる時なんて釣りくらいしかやることないから流石に飽きてた俺はお気に入りのスケルトンGをおもいっきり投げたら向こう岸の林にまで飛んでっちゃってそれを取りに岩を渡って取りに行ったのさ。

今考えればその川がバーチャンの言ってた「境界線」だったんだと思う。



思い出しながら書いてるから遅いかもしれんが申し訳ない。

んで向こう岸までついてスケルトンGを探したんだけど見つからない。
向こう岸の竿から糸をたどっていけばすぐ見つかりそうなんだけど不思議となかなか見つからないのね。
当時小遣いが月1000円だったから2000円のルアーはおれにとって宝物だったから1時間くらい森の中をウロウロしてたと思う。

川からあんまり離れると遭難するから川の音が聞こえる程度のとこをさがしてたんだけれどみつからない。
すると後ろからパキパキって枝の折れる音がした。
なぜか熊とかの野生動物とじゃないかとか不安には思わなかった。
むしろなぜかそこにいないはずの父ちゃんとかバーチャンが俺を捜しにきてくれたのかな?ってふと思ったのが不思議、そんなはず絶対ないのに。

んで振り向いたら人が立ってた。全裸の。
普通びっくりすると思うけど超田舎だったから川を真っ裸で泳ぐ人ってのは近所じゃ珍しくなかったのね。

んで俺は
「あ、こんにちわ」
って言ったのそしたらその人はにっこりわらってこっちを見てるから悪い人じゃないなって思った。

一緒に探してくれるのかなって思って
「ルアーがどこかにいってしまって」
と言ったら
「ンー」
と言いながら近づいてきた。

俺は周りをキョロキョロしながら歩いてたんだけどその人は俺の周りを
「ンー」
って言いながらグルグル歩き始めた。
今思い出したらアシモみたいな歩き方だった。


んでその人が
「ンー」
とか言いながら岩をふっとどかしたのね。
岩の下を覗き込むようにしながら岩を大切そうに持ち上げたの。

俺は
「いやいや、そんなとこにはないですよw」
って突っ込んだらその人は
「ンンンー」
って言いながらニコニコ笑って俺に岩を投げた。

頭の横スレスレを横切った岩の意味を理解するのに2秒くらいかかった。
その人の顔を見ると目に全然覇気がないって言うかギラギラとした目ですごく怖かった、まさにこんな感じ
→<●> <●>

俺が身構えるとその人は
「ギャー」みたいな感じでわけのわかわからない奇声を出した。

そしたら周りから声が聞こえた。
「ンー」「ンー」って沢山。

うわぁああああってなった。
いつの間にか裸の人が沢山こっちにあつまってくるような音がした。
ペキペキペキって枝を折るような音が沢山周りから聞こえた。
逃げ回ってどっちから自分が来たのか全然わかんなくなった。
怖くなってガタガタ震えてたら遠くでキラキラ光るものを見つけた。
俺のスケルトンGだった。
俺はルアーの糸をたぐって川までたどり着きびしょびしょになりながら家に帰った。
今思い出すと胃の辺りがむかむかするわ。

んでバーチャンに事のあらましを話したら
「坊、それはアガリビトだっち」
と教えてくれた。

すまん方言は適当、でもだいたいこんな感じ。
アガリビトはイノシシが山を下りて豚になって人間に食われるようになったみたいに人間が山を「上がって」自然に帰った姿なんだそうだ。

でも生まれつき自然と一緒の動物と違って人間の知恵と自然の力を持つようになった。
つまり人から1ランク上がった存在だから神様みたいなものなんだ、と教えてくれた。

その地方の人はアガリビトを本気で信仰してる人もいるからもう行っちゃダメだと言われた。
普通アガリビトは山奥のほうに住んでるもんなんだけどまだ中途半端ないわゆる「半アガリビト」状態の人は境界線の周りをウロウロすることもあるらしい。

「中途半端なアガリさんでよかったねー本物をみると怖いから」
とバアチャンは俺に教えてくれた。

どうなるの?って聞いたら
「あがっちゃう」
とだけバーチャンは完結に言った。

そこからは村のルーツとか起源の話だったから退屈で聞いてなかったけど今思うと惜しい事をしたと思う。



この最後の「あがっちゃう」ってすごくゾクツ!としませんか?
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