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求められし力
63.最後の召喚石
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針葉樹林がサッカー場くらい開拓されている。比べたくもないが、エリ村よりはやや広いようだ。
月明かりに照らされる残骸が目に写る。それが元は何の建物だったのかの想像さえ難しい。未だに燻り続ける廃屋を見ると、怒りが湧き起こってくる。1人でも多く救いたい一心で暗闇に目を凝らす。
「リンネちゃん!魔物の気配が複数あります!」
魔物!?
怒りをぶつけられる対象……。
ボクはフェアリーワンドを握りしめ、メルちゃんの制止を振り切って駆け出した。
いた!
ナーガが3体、レッサーデーモンが2体……。
思考も身体も、全て怒りに委ねる。
完全に相手を惨殺することしか考えられない。
武器を棒2号に替え、雷撃を纏わせる。
浮遊魔法で音を立てずにレッサーデーモンの後方に近づくと、サンダーカッターを一閃!
『グギャ!?』
両足を斬られて地に崩れ落ちるところを、すぐさま上から、そして下から斬りつける。
『ギャアー!!』
両手両足を失ったレッサーデーモンは、泡を吹いて痙攣している。いい気味だね!
ボクの気配に気付いた他の魔族が、ボクを取り囲もうと迫ってきた。
ボクを満たす殺気が反射神経を研ぎ澄ます。
掴みかかるナーガの腕を、レッサーデーモンの腕を、次々に斬り落とす。
魔物の悲鳴が心地よく聞こえる。
なに?これは魔人序列第1位に相応しいって?美貌も実力も魔王の器に相応しいって?そうかもしれない。いや、きっとそうなる運命なんだよ!
数分後、全ての魔物はダルマのように地に伏している。呆気ない。弱すぎだ。しかし、なんという生命力……。ボクは表情を変えずに頸をはねていった。黒い魔素が風と共に散っていく……。
『リンネちゃん……』
皆がボクの暴虐を見ていた。
アユナちゃんが心配そうにボクを抱き締めてくれた。メルちゃんは厳しい表情だ。クルンちゃんとエクルちゃんはぶるぶる震えているのが見える。
「さあ、やるべきことをしよう……」
皆が無言で頷く。
村の広場にあたるところに、メルちゃんが大きな穴を掘り始めた。ボク達は、廃墟と化した村を隈無く歩き回り、50を超える遺体を広場に集めてきた。焼け焦げた遺体も含め、全ての四肢がもがれている。
月に代わり、朝日が村を照らす頃には、全ての遺体が穴の中に納められた。
アユナちゃんが魂に安寧を捧げる。
『勇敢なる森の民よ。穢れも、怒りも、絶望も、全て私達が引き継ごう。あなた方の魂は天に召され、安らかなる時を過ごすだろう。やがて訪れる輪廻の時に、世界が平和に満ちていることを誓おう。安らかに……』
まだ何か言おうとしていたアユナちゃんは、途中で泣き崩れてしまった。皆が同じ気持ちだと思うよ。アユナちゃん、ありがとう。
村中に森の精霊達が集ってくる。かりそめの墓地は、聖なる光で溢れる。ボクの目には、天に昇る魂達が見えたような気がした。
★☆★
埋葬を終えたボクとメルちゃんは、改めて村の探索を行った。エリ村のように地下施設に逃げ込んでいる人がいるかもしれないからだ。
メルちゃんの気配察知は地下の捜索にも役立つのは実証済みだからね。アユナちゃん達は、精神的なショックで動けないみたい。留守番をしてもらった。
ぼんやり朝日を眺めていると、メルちゃんがボクを手招きしているのに気が付いた。村の中で1番大きな建物、教会の瓦礫のそばだ。
「もしかして……」
いてもたってもいられず、全力で走り寄る。
しかし、メルちゃんの目は希望を映していない。
「教会の下に空洞があるようです。地下室でしょうか。しかし……気配はありません……」
「そっか。他を先に確認してからにしようね」
その後、村を3周ほど回り、生存者を探したが徒労に終わった。きっと、別の何処かに逃げたんだろうと頭を切り替えることにした。
「これから教会の瓦礫を退(ど)かす。地下室があるの。皆も辛いと思うけど、手を貸して」
ボク達は終始無言で作業を行った。
本当に心が強い人なら、そう、勇者なら、皆を励まして勇気づけることができるかもしれないな。ボクには絶対に無理だ。情けないけど、怒りや悲しみに負けてしまうくらい弱いんだから!
太陽が南中しかける頃、ようやく地下へ繋がる階段を探しだした。皆が、空腹を我慢して、腕や指の痛みを、心の悼みを我慢して掘り当てた希望だ。
ボクはさりげなくメルちゃんを見る。生存者がいるかもしれないという一縷の望みは、しかし、首を振るメルちゃんに断たれた。
「倒壊の危険がある。いざというときに転移を使うから、ボクが1人で行くよ」
皆がボクに付いて来たがったけど、休ませてあげたいので無理矢理に断った。それに、もしまた遺体があったら精神的にもたないだろうからね。
階段は螺旋状に30段くらいあった。階段の終着点には木の扉がある。エリ村みたいだ。教会の建築基準でもあるのかな。
運試しみたいに、扉を押すか引くかスライドさせたい気持ちもあったけど、蹴り破られた扉では何も試せない。嫌な予感しかない。意を決して扉を潜る。
地下室は、地下室らしく真っ暗だ。
アユナちゃんを連れて来れば良かったと後悔しかけた時、ボクの後ろから光の精霊ウィルオーウィスプが飛んでくるのが見えた。ありがたい!
光の中で見えたもの……。
それは、1番見たくなかったものだった。
1人で来て良かったよ……。
ボクは、込み上げる吐き気を、口を閉じて両手を添えて無理矢理抑えつける。人数を数えることさえ不可能な肉塊を避けて祭壇に近づく。
「竜神の像……」
そこには何度も見てきた召喚石を納める竜神の像があった!祭壇を守る結界は……見当たらない。
「えっ……!?」
竜神の眼や、爪にあるべき召喚石が……ない!
だって、あれは銀の召喚者であるボクにしか触れないはずじゃ?それとも、最初から無かった?
竜神の像を丁寧に調べた結果、竜神の左目にはつい最近まで召喚石が嵌められていたという確信を得た。
いったい、誰が……?
魔族、魔人しかいないだろ!まさか、ウィズ?ヴェローナ?それとも、リーン!?でも、こんな残虐な真似が出来るはずは……いや、信じたくない!
でも、どうやって召喚石を……?
魔族や魔人には竜神の結界は破れないはずだ。なら、神であるリーンしかいないだろ!あいつは……やはり魔王の手先じゃないか!
最後の召喚石が奪われたらどうなる……?
神……リーンの召喚は出来ない。だからリーンが動いた?召喚も行うつもり?もしかして、ボク達を手伝ってくれた?でも、でもこんな残虐なやり方は許されない!!
その後、転移魔法で皆の所に戻ったボクは、見たもの、考えたことを全て話した。
アユナちゃんが泣きながら地下室に走り出した。
クルンちゃんも追いかけて行った。
メルちゃんは、じっと足元を見て考えこんでいる。
エクルちゃんは、ボクを優しく抱いてくれた。
しばらくして、アユナちゃんとクルンちゃんが戻ってきた。目からは大粒の涙が滴り落ちている。あの地獄のような光景を目にしたんだ、仕方がない。でも、この子達は弔ってくれたんだね。強いね。ボクは逃げるように転移魔法を使ったのに……。
★☆★
「黒の召喚者、アイです。エクルさん、力をお貸しください」
「あ、あぁ。僕は、緑の召喚者エクル。この世界の為に、僕に出来ることは何でもするつもりだから……」
ボク達は、転移でニューアルンに帰還した。馬車はエンジェルウイングのメンバーに回収してもらうつもり。
エクルちゃんには召喚早々辛い思いをさせちゃったね。こういうときこそ、皆でゆっくりご飯を食べて、一緒にお風呂に入ろう!
エクルちゃんも、クルンちゃんと同じで耳と尻尾以外は完全に人間と同じ身体でした!細いけど引き締まった身体は凄く綺麗。そして、もふもふ。もふ率は2倍になった!!アユナちゃんの羽はもふもふとは違うからね!
皆が充分に癒された後、ボク達は今後の方針を話し合っている。
「絶対にリーンは許せない!!」
「リンネさん、落ち着きましょう。確証はありませんし、リーン様から何も言ってこないうちは……わたしは、信じて待つべきだと思います」
「でも、あれだけの魔族を率いる魔人はリーンしかいないでしょ!それに、結界を破ったり、召喚石に触れたり出来るのも!」
『私はアイちゃんに賛成!天使の羽を持つ人に悪い人はいない』
「私はリンネちゃんが正しいと思います。でも、戦うのではなく話し合いに行くべきでしょう」
「クルン占ったです。リーン様が会いたがっているです。でも、3人で行くです」
『3人で!?今度は私だよね!!』
「占ったです……リンネ様と、アユナちゃんと、クルンです……」
アユナちゃんが羽をパタパタさせながら空中でガッツポーズを決めている。可愛い……。
「危険です!私も行きます!!」
「今度は私も!」
「メルちゃん、レンちゃんありがとう。でもね、クルンちゃんは導く者。占いには必ず世界の意思が表れている気がする。だから、残りの皆はウィズ達に備えて!」
「わ、分かりました……」
「うぅ……」
「僕も役に立てるように頑張るよ!」
「レンちゃん、ごめんね!エクルちゃん、ありがとう!」
「なら、わたしから提案があります!」
アイちゃんの提案というのは、ボク達の装備更新だった!とうとう完成したらしい!!
ボク達は、急いでフリージア王国の王都、エンジェルウイングの本部に転移した。
★☆★
「マールさん、お久しぶりです!」
「リンネ様!お帰りなさい!!」
「あ、アディさん、リリィちゃんもお久しぶり!!」
エンジェルウイングの本部初期メンバーが全員無事だった!特に、ウィズと一緒に北のランディールに向かったアディさんとリリィちゃんが心配だった……本当に良かった!!
「アディさん、ウィズは?」
「ランディールの手前で別れましたよ?用事があるとかなんとか。忙しそうでした」
北……用事……もしかして、エルフの村を襲撃したのは、リーンじゃなくてウィズ!?でも、結界は?召喚石は?まぁ、リーンに聞けば分かるよね!!
「ダフさん!装備が完成したそうです?」
「わしの鍛冶技術と魂の全てを注いだ。こんな機会を与えられたことに感謝申す。是非とも世界に平和を!」
「ダフさん、皆さん、ありがとう!皆の思い、絶対に無駄にしないからねっ!!」
ボク達は、ダフさんに説明を受けながら、それぞれの新装備を手にした。古い装備は予備ということでボクのアイテムボックスに保管だ。誰かに預けると匂いフェチの餌食になる。その点、ボクなら大丈夫。多分ね……。
(リンネ用)
[リンネの杖:+5.20 消費-10% 効果+10% 水超級]
名前はどうにかならないかな……。でも、大魔法を使う上で最も重要な、消費魔力減少と魔法効果増加を付けてくれた!しかも、水魔法効果が1段上がって、上級が超級になるらしいよ!
[リンネの棒:+4.80 火盾/中級]
名前は……。複雑な合金らしく、とにかく頑丈。先端部が尖っていて、長さは1m。特殊効果は火魔法に変わった。魔力を込めると魔法盾になるらしい。便利かも!
[大賢者のローブ:+5.60 魔法防御+4.00]
今のローブのデザインと状態異状無効はそのままで、防御を上げた感じらしい。嬉しい心遣いかも!
(メルちゃん用)
[鬼神のメイス:+7.00、風神/上級]
最高レベルの攻撃力が付与された鈍器、ダフさんの自信作らしい。効果は攻撃じゃなくて浮遊魔法なんだって。ダフさんがメルちゃんを見る眼が熱い。もしかして……?
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
ミスリルとオリハルコンの合成糸で編み込んだパーティ共通の防具。とにかくデザインが最高!それぞれの胸囲を把握して作られている。もちろん、データ提供はリ○ネさんです。ちなみにメルちゃん用のサイズはC。
(アユナちゃん用)
[アユナの杖:+5.20 消費-10% 効果+10% 木竜/上級]
ボクとお揃い。だけど、水魔法上昇効果の代わりに木魔法の特殊効果がある。どうやら5mくらいの木竜を召喚出来るらしい。強いの?
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはaらしい。特注とは、羽をパタパタ出来る穴が開けられていることと、軽量化されていること。
(レンちゃん用)
[剣王の双剣×2:+3.30 敏捷+3.00]
攻撃力と敏捷増加をそれぞれアップしたらしい。2本はそれぞれ長さや形状が異なり、真に二刀流に適したセットなんだって。
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはB-。もう少し頑張ればBだ。レンちゃんは本当は黒系統の色が好きらしいし、似合うんだけど……協調性という名の強制力で白銀色になりました。
(アイちゃん用)
[賢王の杖:攻撃+2.00 魔力+4.50 特殊:魅了]
なんと、特殊効果で魅了の魔法が付与されている。元々可愛いんだけど、反則的に可愛くなるね!と言うか、ボクも欲しい……。
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズは……a。大丈夫!お子様だからね、誰も責めたりしないからね。
(クルンちゃん用)
[銀狐の短剣:+2.50 魔力+2.50 敏捷+2.50]
まさにマルチに活躍する短剣。長さは50cmくらいだけど、魔力により20�・100cmで伸縮可能なんだとか。便利だね。
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはa。何だかaが多いね!え?ボクはAだからね?一緒にされては困ります。特注とは、尻尾が出せるようになっていることと、フードが付いていること。もふ専用装備だ。
(エクルちゃん用)
[緑犬の短剣×2:+2.50 魔力+2.50 敏捷+2.50]
クルンちゃん用の予備装備を渡すことになりました。犬っ娘なのに、狐っ娘装備で本当にごめん!だから、せめて名前だけ変えてもらいました。
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはB。やっぱり、もふ専用で尻尾用の穴とフードが付いている。うん、色もよく似合ってるよ!
[光魔法/初級]
珍しく光魔法が手に入ったので、エクルちゃんに習得してもらいました。
で、皆さんのレベルも装備もスキルもパワーアップですね。職業まで変わってる子もいるではないか。育ち盛りは良いことです!
◆名前:リンネ
年齢:12歳 性別:女性 レベル:30 職業:勇者
◆ステータス
攻撃:9.75(+4.80、火盾/中級)
魔力:58.60(+5.20 消費-10% 効果+10% 水魔法超級)
体力:8.50
防御:8.60(+5.60 魔法防御+4.00)
敏捷:8.55
器用:2.35
才能:3.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:取得経験値2倍、鑑定眼、食物超吸収、アイテムボックス
◆後天スキル:棒術/中級、カウンター、雷魔法/中級、ヒール/中級、水魔法/上級、浮遊、召喚魔法/中級、暗視
◆称号:ゴブリンキラー、ドラゴンバスター、女神の加護を持つ者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス市長
◆名前:メル
年齢:14歳 性別:女性 レベル:25 職業:メイド長
◆ステータス
攻撃:39.20(+7.00、風神/上級)
魔力:13.50
体力:9.15
防御:9.95(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:11.05
器用:6.90
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:気配察知、食物超吸収、鬼化
◆後天スキル:闇魔法/中級、暗視、重撃
◆称号:青の召喚者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス副市長
◆名前:アユナ
年齢:11歳 性別:女性 レベル:24 職業:天使
◆ステータス
攻撃:3.80
魔力:46.50(+5.20 消費-10% 効果+10% 木竜/上級)
体力:8.65
防御:5.55(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:5.75
器用:2.10
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:精霊召喚/中級、光魔法/中級
◆後天スキル:風魔法/中級、天使の祝福
◆称号:森に愛されし者、女神の加護を持つ者、大迷宮攻略者、金の召喚者
◆名前:レン
年齢:14歳 性別:女性 レベル:20 職業:剣王
◆ステータス
攻撃:19.50(+3.30 +3.30)
魔力:3.30
体力:5.60
防御:4.25(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:10.10(+3.00 +3.00)
器用:1.45
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:二刀流剣術/中級、隠術、食物超吸収
◆後天スキル:暗視、雷魔法/中級、連撃
◆称号:赤の召喚者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス教育大臣
◆名前:アイ
年齢:11歳 性別:女性 レベル:16 職業:識者
◆ステータス
攻撃:1.90(+2.00)
魔力:18.30(+4.50 特殊効果:魅了)
体力:5.05
防御:5.00(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:5.00
器用:1.75
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:情報収集、念話、食物超吸収
◆後天スキル:戦術/略、火魔法/中級
◆称号:黒の召喚者、アルン国王
◆名前:クルン /狐人族
年齢:12歳 性別:女性 レベル:17 職業:導師
◆ステータス
攻撃:2.60(+2.50)
魔力:23.25(+2.50)
体力:5.10
防御:4.95(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:6.75(+2.50)
器用:4.40
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:獣話、占術/中級
◆後天スキル:短剣術/初級、暗視、魅了、火魔法/中級
◆称号:白の召喚者、旧クルン光国教皇
◆名前:エクル
年齢:14歳 性別:女性 レベル:6 職業:親衛隊長
◆ステータス
攻撃:8.40(+2.50 +2.50)
魔力:10.10(+2.50 +2.50)
体力:4.25
防御:3.05(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:9.85(+2.50 +2.50)
器用:2.80
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:闘気術、食物超吸収、魔力授受
◆後天スキル:光魔法/初級
◆称号:緑の召喚者
★☆★
装備の件が一段落すると、主要メンバーを集めてアイちゃんが今後の予定を伝えた。
「皆さん、第1任務お疲れ様でした!引き続き、第2任務に移行します。
まず、第1班マール班は、メンバー集めと組織化を続けて下さい。随時、各都市に派遣して支部を作りましょう。
第2班アディ班は、アルン国内の奴隷解放をお願いします。リンネさん、わたしやアディさん達をニューアルンに転移お願いしますね!
第3班ダフ班は、引き続きメンバーの装備作成をお願いしますね!
あと、リンネさん、アユナちゃん、クルンさんはフリーバレイからグレートデスモス地境へ。フリーバレイは5日後には軍事拠点になります。そこから各地を解放していきます。
わたしと、メルさん、レンさん、エクルさんはウィズとヴェローナを探します。ただし、戦闘は避けます。
では、皆さん、宜しくお願いします!!」
ボクはアイちゃん達をニューアルンに連れて行った後、アユナちゃん、クルンちゃんと食事とお風呂を済ませて準備万端だ。
「では、アユナちゃんとクルンちゃん!グレートデスモス地境へ行こう!リーンに説明してもらわなきゃね!!」
「クルン頑張るです!」
『アユナも頑張るです!』
[アユナがパーティに加わった]
[クルンがパーティに加わった]
そして、ボク達は……グレートデスモス地境に最も近い町、フリーバレイへと転移した。もう夕方だけど、急がないと!
一刻も早く最後の召喚石を手に入れなければという焦りが、ボクを駆り立てるんだ。
移動は……馬の代わりに、スノーに馬車を牽いてもらうつもり。ドラゴンにやらせるって罪悪感があるけど、クルンちゃんが上手く説得してくれるはずさ!
月明かりに照らされる残骸が目に写る。それが元は何の建物だったのかの想像さえ難しい。未だに燻り続ける廃屋を見ると、怒りが湧き起こってくる。1人でも多く救いたい一心で暗闇に目を凝らす。
「リンネちゃん!魔物の気配が複数あります!」
魔物!?
怒りをぶつけられる対象……。
ボクはフェアリーワンドを握りしめ、メルちゃんの制止を振り切って駆け出した。
いた!
ナーガが3体、レッサーデーモンが2体……。
思考も身体も、全て怒りに委ねる。
完全に相手を惨殺することしか考えられない。
武器を棒2号に替え、雷撃を纏わせる。
浮遊魔法で音を立てずにレッサーデーモンの後方に近づくと、サンダーカッターを一閃!
『グギャ!?』
両足を斬られて地に崩れ落ちるところを、すぐさま上から、そして下から斬りつける。
『ギャアー!!』
両手両足を失ったレッサーデーモンは、泡を吹いて痙攣している。いい気味だね!
ボクの気配に気付いた他の魔族が、ボクを取り囲もうと迫ってきた。
ボクを満たす殺気が反射神経を研ぎ澄ます。
掴みかかるナーガの腕を、レッサーデーモンの腕を、次々に斬り落とす。
魔物の悲鳴が心地よく聞こえる。
なに?これは魔人序列第1位に相応しいって?美貌も実力も魔王の器に相応しいって?そうかもしれない。いや、きっとそうなる運命なんだよ!
数分後、全ての魔物はダルマのように地に伏している。呆気ない。弱すぎだ。しかし、なんという生命力……。ボクは表情を変えずに頸をはねていった。黒い魔素が風と共に散っていく……。
『リンネちゃん……』
皆がボクの暴虐を見ていた。
アユナちゃんが心配そうにボクを抱き締めてくれた。メルちゃんは厳しい表情だ。クルンちゃんとエクルちゃんはぶるぶる震えているのが見える。
「さあ、やるべきことをしよう……」
皆が無言で頷く。
村の広場にあたるところに、メルちゃんが大きな穴を掘り始めた。ボク達は、廃墟と化した村を隈無く歩き回り、50を超える遺体を広場に集めてきた。焼け焦げた遺体も含め、全ての四肢がもがれている。
月に代わり、朝日が村を照らす頃には、全ての遺体が穴の中に納められた。
アユナちゃんが魂に安寧を捧げる。
『勇敢なる森の民よ。穢れも、怒りも、絶望も、全て私達が引き継ごう。あなた方の魂は天に召され、安らかなる時を過ごすだろう。やがて訪れる輪廻の時に、世界が平和に満ちていることを誓おう。安らかに……』
まだ何か言おうとしていたアユナちゃんは、途中で泣き崩れてしまった。皆が同じ気持ちだと思うよ。アユナちゃん、ありがとう。
村中に森の精霊達が集ってくる。かりそめの墓地は、聖なる光で溢れる。ボクの目には、天に昇る魂達が見えたような気がした。
★☆★
埋葬を終えたボクとメルちゃんは、改めて村の探索を行った。エリ村のように地下施設に逃げ込んでいる人がいるかもしれないからだ。
メルちゃんの気配察知は地下の捜索にも役立つのは実証済みだからね。アユナちゃん達は、精神的なショックで動けないみたい。留守番をしてもらった。
ぼんやり朝日を眺めていると、メルちゃんがボクを手招きしているのに気が付いた。村の中で1番大きな建物、教会の瓦礫のそばだ。
「もしかして……」
いてもたってもいられず、全力で走り寄る。
しかし、メルちゃんの目は希望を映していない。
「教会の下に空洞があるようです。地下室でしょうか。しかし……気配はありません……」
「そっか。他を先に確認してからにしようね」
その後、村を3周ほど回り、生存者を探したが徒労に終わった。きっと、別の何処かに逃げたんだろうと頭を切り替えることにした。
「これから教会の瓦礫を退(ど)かす。地下室があるの。皆も辛いと思うけど、手を貸して」
ボク達は終始無言で作業を行った。
本当に心が強い人なら、そう、勇者なら、皆を励まして勇気づけることができるかもしれないな。ボクには絶対に無理だ。情けないけど、怒りや悲しみに負けてしまうくらい弱いんだから!
太陽が南中しかける頃、ようやく地下へ繋がる階段を探しだした。皆が、空腹を我慢して、腕や指の痛みを、心の悼みを我慢して掘り当てた希望だ。
ボクはさりげなくメルちゃんを見る。生存者がいるかもしれないという一縷の望みは、しかし、首を振るメルちゃんに断たれた。
「倒壊の危険がある。いざというときに転移を使うから、ボクが1人で行くよ」
皆がボクに付いて来たがったけど、休ませてあげたいので無理矢理に断った。それに、もしまた遺体があったら精神的にもたないだろうからね。
階段は螺旋状に30段くらいあった。階段の終着点には木の扉がある。エリ村みたいだ。教会の建築基準でもあるのかな。
運試しみたいに、扉を押すか引くかスライドさせたい気持ちもあったけど、蹴り破られた扉では何も試せない。嫌な予感しかない。意を決して扉を潜る。
地下室は、地下室らしく真っ暗だ。
アユナちゃんを連れて来れば良かったと後悔しかけた時、ボクの後ろから光の精霊ウィルオーウィスプが飛んでくるのが見えた。ありがたい!
光の中で見えたもの……。
それは、1番見たくなかったものだった。
1人で来て良かったよ……。
ボクは、込み上げる吐き気を、口を閉じて両手を添えて無理矢理抑えつける。人数を数えることさえ不可能な肉塊を避けて祭壇に近づく。
「竜神の像……」
そこには何度も見てきた召喚石を納める竜神の像があった!祭壇を守る結界は……見当たらない。
「えっ……!?」
竜神の眼や、爪にあるべき召喚石が……ない!
だって、あれは銀の召喚者であるボクにしか触れないはずじゃ?それとも、最初から無かった?
竜神の像を丁寧に調べた結果、竜神の左目にはつい最近まで召喚石が嵌められていたという確信を得た。
いったい、誰が……?
魔族、魔人しかいないだろ!まさか、ウィズ?ヴェローナ?それとも、リーン!?でも、こんな残虐な真似が出来るはずは……いや、信じたくない!
でも、どうやって召喚石を……?
魔族や魔人には竜神の結界は破れないはずだ。なら、神であるリーンしかいないだろ!あいつは……やはり魔王の手先じゃないか!
最後の召喚石が奪われたらどうなる……?
神……リーンの召喚は出来ない。だからリーンが動いた?召喚も行うつもり?もしかして、ボク達を手伝ってくれた?でも、でもこんな残虐なやり方は許されない!!
その後、転移魔法で皆の所に戻ったボクは、見たもの、考えたことを全て話した。
アユナちゃんが泣きながら地下室に走り出した。
クルンちゃんも追いかけて行った。
メルちゃんは、じっと足元を見て考えこんでいる。
エクルちゃんは、ボクを優しく抱いてくれた。
しばらくして、アユナちゃんとクルンちゃんが戻ってきた。目からは大粒の涙が滴り落ちている。あの地獄のような光景を目にしたんだ、仕方がない。でも、この子達は弔ってくれたんだね。強いね。ボクは逃げるように転移魔法を使ったのに……。
★☆★
「黒の召喚者、アイです。エクルさん、力をお貸しください」
「あ、あぁ。僕は、緑の召喚者エクル。この世界の為に、僕に出来ることは何でもするつもりだから……」
ボク達は、転移でニューアルンに帰還した。馬車はエンジェルウイングのメンバーに回収してもらうつもり。
エクルちゃんには召喚早々辛い思いをさせちゃったね。こういうときこそ、皆でゆっくりご飯を食べて、一緒にお風呂に入ろう!
エクルちゃんも、クルンちゃんと同じで耳と尻尾以外は完全に人間と同じ身体でした!細いけど引き締まった身体は凄く綺麗。そして、もふもふ。もふ率は2倍になった!!アユナちゃんの羽はもふもふとは違うからね!
皆が充分に癒された後、ボク達は今後の方針を話し合っている。
「絶対にリーンは許せない!!」
「リンネさん、落ち着きましょう。確証はありませんし、リーン様から何も言ってこないうちは……わたしは、信じて待つべきだと思います」
「でも、あれだけの魔族を率いる魔人はリーンしかいないでしょ!それに、結界を破ったり、召喚石に触れたり出来るのも!」
『私はアイちゃんに賛成!天使の羽を持つ人に悪い人はいない』
「私はリンネちゃんが正しいと思います。でも、戦うのではなく話し合いに行くべきでしょう」
「クルン占ったです。リーン様が会いたがっているです。でも、3人で行くです」
『3人で!?今度は私だよね!!』
「占ったです……リンネ様と、アユナちゃんと、クルンです……」
アユナちゃんが羽をパタパタさせながら空中でガッツポーズを決めている。可愛い……。
「危険です!私も行きます!!」
「今度は私も!」
「メルちゃん、レンちゃんありがとう。でもね、クルンちゃんは導く者。占いには必ず世界の意思が表れている気がする。だから、残りの皆はウィズ達に備えて!」
「わ、分かりました……」
「うぅ……」
「僕も役に立てるように頑張るよ!」
「レンちゃん、ごめんね!エクルちゃん、ありがとう!」
「なら、わたしから提案があります!」
アイちゃんの提案というのは、ボク達の装備更新だった!とうとう完成したらしい!!
ボク達は、急いでフリージア王国の王都、エンジェルウイングの本部に転移した。
★☆★
「マールさん、お久しぶりです!」
「リンネ様!お帰りなさい!!」
「あ、アディさん、リリィちゃんもお久しぶり!!」
エンジェルウイングの本部初期メンバーが全員無事だった!特に、ウィズと一緒に北のランディールに向かったアディさんとリリィちゃんが心配だった……本当に良かった!!
「アディさん、ウィズは?」
「ランディールの手前で別れましたよ?用事があるとかなんとか。忙しそうでした」
北……用事……もしかして、エルフの村を襲撃したのは、リーンじゃなくてウィズ!?でも、結界は?召喚石は?まぁ、リーンに聞けば分かるよね!!
「ダフさん!装備が完成したそうです?」
「わしの鍛冶技術と魂の全てを注いだ。こんな機会を与えられたことに感謝申す。是非とも世界に平和を!」
「ダフさん、皆さん、ありがとう!皆の思い、絶対に無駄にしないからねっ!!」
ボク達は、ダフさんに説明を受けながら、それぞれの新装備を手にした。古い装備は予備ということでボクのアイテムボックスに保管だ。誰かに預けると匂いフェチの餌食になる。その点、ボクなら大丈夫。多分ね……。
(リンネ用)
[リンネの杖:+5.20 消費-10% 効果+10% 水超級]
名前はどうにかならないかな……。でも、大魔法を使う上で最も重要な、消費魔力減少と魔法効果増加を付けてくれた!しかも、水魔法効果が1段上がって、上級が超級になるらしいよ!
[リンネの棒:+4.80 火盾/中級]
名前は……。複雑な合金らしく、とにかく頑丈。先端部が尖っていて、長さは1m。特殊効果は火魔法に変わった。魔力を込めると魔法盾になるらしい。便利かも!
[大賢者のローブ:+5.60 魔法防御+4.00]
今のローブのデザインと状態異状無効はそのままで、防御を上げた感じらしい。嬉しい心遣いかも!
(メルちゃん用)
[鬼神のメイス:+7.00、風神/上級]
最高レベルの攻撃力が付与された鈍器、ダフさんの自信作らしい。効果は攻撃じゃなくて浮遊魔法なんだって。ダフさんがメルちゃんを見る眼が熱い。もしかして……?
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
ミスリルとオリハルコンの合成糸で編み込んだパーティ共通の防具。とにかくデザインが最高!それぞれの胸囲を把握して作られている。もちろん、データ提供はリ○ネさんです。ちなみにメルちゃん用のサイズはC。
(アユナちゃん用)
[アユナの杖:+5.20 消費-10% 効果+10% 木竜/上級]
ボクとお揃い。だけど、水魔法上昇効果の代わりに木魔法の特殊効果がある。どうやら5mくらいの木竜を召喚出来るらしい。強いの?
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはaらしい。特注とは、羽をパタパタ出来る穴が開けられていることと、軽量化されていること。
(レンちゃん用)
[剣王の双剣×2:+3.30 敏捷+3.00]
攻撃力と敏捷増加をそれぞれアップしたらしい。2本はそれぞれ長さや形状が異なり、真に二刀流に適したセットなんだって。
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはB-。もう少し頑張ればBだ。レンちゃんは本当は黒系統の色が好きらしいし、似合うんだけど……協調性という名の強制力で白銀色になりました。
(アイちゃん用)
[賢王の杖:攻撃+2.00 魔力+4.50 特殊:魅了]
なんと、特殊効果で魅了の魔法が付与されている。元々可愛いんだけど、反則的に可愛くなるね!と言うか、ボクも欲しい……。
[天使の衣:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズは……a。大丈夫!お子様だからね、誰も責めたりしないからね。
(クルンちゃん用)
[銀狐の短剣:+2.50 魔力+2.50 敏捷+2.50]
まさにマルチに活躍する短剣。長さは50cmくらいだけど、魔力により20�・100cmで伸縮可能なんだとか。便利だね。
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはa。何だかaが多いね!え?ボクはAだからね?一緒にされては困ります。特注とは、尻尾が出せるようになっていることと、フードが付いていること。もふ専用装備だ。
(エクルちゃん用)
[緑犬の短剣×2:+2.50 魔力+2.50 敏捷+2.50]
クルンちゃん用の予備装備を渡すことになりました。犬っ娘なのに、狐っ娘装備で本当にごめん!だから、せめて名前だけ変えてもらいました。
[天使の衣/特注:+5.20 魔法防御+4.00]
サイズはB。やっぱり、もふ専用で尻尾用の穴とフードが付いている。うん、色もよく似合ってるよ!
[光魔法/初級]
珍しく光魔法が手に入ったので、エクルちゃんに習得してもらいました。
で、皆さんのレベルも装備もスキルもパワーアップですね。職業まで変わってる子もいるではないか。育ち盛りは良いことです!
◆名前:リンネ
年齢:12歳 性別:女性 レベル:30 職業:勇者
◆ステータス
攻撃:9.75(+4.80、火盾/中級)
魔力:58.60(+5.20 消費-10% 効果+10% 水魔法超級)
体力:8.50
防御:8.60(+5.60 魔法防御+4.00)
敏捷:8.55
器用:2.35
才能:3.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:取得経験値2倍、鑑定眼、食物超吸収、アイテムボックス
◆後天スキル:棒術/中級、カウンター、雷魔法/中級、ヒール/中級、水魔法/上級、浮遊、召喚魔法/中級、暗視
◆称号:ゴブリンキラー、ドラゴンバスター、女神の加護を持つ者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス市長
◆名前:メル
年齢:14歳 性別:女性 レベル:25 職業:メイド長
◆ステータス
攻撃:39.20(+7.00、風神/上級)
魔力:13.50
体力:9.15
防御:9.95(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:11.05
器用:6.90
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:気配察知、食物超吸収、鬼化
◆後天スキル:闇魔法/中級、暗視、重撃
◆称号:青の召喚者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス副市長
◆名前:アユナ
年齢:11歳 性別:女性 レベル:24 職業:天使
◆ステータス
攻撃:3.80
魔力:46.50(+5.20 消費-10% 効果+10% 木竜/上級)
体力:8.65
防御:5.55(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:5.75
器用:2.10
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:精霊召喚/中級、光魔法/中級
◆後天スキル:風魔法/中級、天使の祝福
◆称号:森に愛されし者、女神の加護を持つ者、大迷宮攻略者、金の召喚者
◆名前:レン
年齢:14歳 性別:女性 レベル:20 職業:剣王
◆ステータス
攻撃:19.50(+3.30 +3.30)
魔力:3.30
体力:5.60
防御:4.25(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:10.10(+3.00 +3.00)
器用:1.45
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:二刀流剣術/中級、隠術、食物超吸収
◆後天スキル:暗視、雷魔法/中級、連撃
◆称号:赤の召喚者、大迷宮攻略者、特別捜査官、ティルス教育大臣
◆名前:アイ
年齢:11歳 性別:女性 レベル:16 職業:識者
◆ステータス
攻撃:1.90(+2.00)
魔力:18.30(+4.50 特殊効果:魅了)
体力:5.05
防御:5.00(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:5.00
器用:1.75
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:情報収集、念話、食物超吸収
◆後天スキル:戦術/略、火魔法/中級
◆称号:黒の召喚者、アルン国王
◆名前:クルン /狐人族
年齢:12歳 性別:女性 レベル:17 職業:導師
◆ステータス
攻撃:2.60(+2.50)
魔力:23.25(+2.50)
体力:5.10
防御:4.95(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:6.75(+2.50)
器用:4.40
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:獣話、占術/中級
◆後天スキル:短剣術/初級、暗視、魅了、火魔法/中級
◆称号:白の召喚者、旧クルン光国教皇
◆名前:エクル
年齢:14歳 性別:女性 レベル:6 職業:親衛隊長
◆ステータス
攻撃:8.40(+2.50 +2.50)
魔力:10.10(+2.50 +2.50)
体力:4.25
防御:3.05(+5.20 魔法防御+4.00)
敏捷:9.85(+2.50 +2.50)
器用:2.80
才能:2.00(ステータスポイント0)
◆先天スキル:闘気術、食物超吸収、魔力授受
◆後天スキル:光魔法/初級
◆称号:緑の召喚者
★☆★
装備の件が一段落すると、主要メンバーを集めてアイちゃんが今後の予定を伝えた。
「皆さん、第1任務お疲れ様でした!引き続き、第2任務に移行します。
まず、第1班マール班は、メンバー集めと組織化を続けて下さい。随時、各都市に派遣して支部を作りましょう。
第2班アディ班は、アルン国内の奴隷解放をお願いします。リンネさん、わたしやアディさん達をニューアルンに転移お願いしますね!
第3班ダフ班は、引き続きメンバーの装備作成をお願いしますね!
あと、リンネさん、アユナちゃん、クルンさんはフリーバレイからグレートデスモス地境へ。フリーバレイは5日後には軍事拠点になります。そこから各地を解放していきます。
わたしと、メルさん、レンさん、エクルさんはウィズとヴェローナを探します。ただし、戦闘は避けます。
では、皆さん、宜しくお願いします!!」
ボクはアイちゃん達をニューアルンに連れて行った後、アユナちゃん、クルンちゃんと食事とお風呂を済ませて準備万端だ。
「では、アユナちゃんとクルンちゃん!グレートデスモス地境へ行こう!リーンに説明してもらわなきゃね!!」
「クルン頑張るです!」
『アユナも頑張るです!』
[アユナがパーティに加わった]
[クルンがパーティに加わった]
そして、ボク達は……グレートデスモス地境に最も近い町、フリーバレイへと転移した。もう夕方だけど、急がないと!
一刻も早く最後の召喚石を手に入れなければという焦りが、ボクを駆り立てるんだ。
移動は……馬の代わりに、スノーに馬車を牽いてもらうつもり。ドラゴンにやらせるって罪悪感があるけど、クルンちゃんが上手く説得してくれるはずさ!
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