異世界八険伝

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新たなる仲間たち

37.黒の召喚【挿絵】

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 部屋の片隅にある黒い膜――恐らく召喚石を守る結界――を抜けて行くと、そこには中央に魔法陣が刻まれた2mほどの扉があった。

 重厚な金属柱を噛み合わせ、物理的に頑丈に施錠されているそれは、金庫にも牢獄にも見えた――。

 1000年に亘る永き歳月、誰一人として此処に入ることが叶わなかった――その事実が酷くボクの胸を締め付けてくる。召喚石が使われないことは、逆に言えば平和が続いていると言うこと。でも、大切な仲間をずっと待たせてしまっていたかのような、凄くやるせない気持ちも湧いてくるんだ。

 魂に急かされるかのように、ボクの手は頑強な扉へと伸びる。そして、指先が扉に触れた途端、扉は開くことなく、そこに刻まれた魔法陣が淡い光を放った――。


 気付くと、ボクは小さな部屋に居た。何度も見たことのある例の小部屋――あの扉は“扉”ではなく、転移装置だったようだ。

 目の前の台座には、横に3mほど雄大な翼を広げた黒竜の像がある。あのブラックドラゴンを象った物だろう。その口には、この大迷宮に挑んだ目的、すなわち黒の召喚石が咥えられていた――。

 ボクは台座に上がり、それを両の手で丁寧に受け取る。

「黒の召喚石、確かにいただきました」

 誰も居ないけど、一応声に出してみる。


 ――しばらく待つが反応はない。

 早く皆のところに行こう!

 ボクは像に向かい、スカートの裾を掴んで礼儀正しく一礼し、くるっと踵を返す。そして、再び魔法陣が描かれた扉に手を触れ、神殿へと戻った。



 ★☆★



 夜空に浮かぶ巨大な神殿――その外縁に立ち、眼下を見下ろす。

 さすがに雲より高いとは到底言えないけど、25階の飛び込み台の100倍はあるもん、普通は足が竦むと言うもの。でも! 今のボクには浮遊魔法が施された腕輪がある! 大空への恐怖は既になかった。空と友達になったんだよ。

 さっき飲んだマジックポーションのお陰で魔力は全快している。貰ったばかりの黒竜の翼を使うことも考えたけど、今は全力で飛ぶことしか頭に残らなかった!


 あのブラックドラゴンの像のように腕を目一杯に広げ、ゆっくりと前方に身体を傾けていく――。

 視界が縦に振れ、足裏に伝わる地面の感覚がつま先を離れたそのとき、ボクは大空を翔る鳥となる――。


 風を追い越し、時には追い越されながら、風と共に飛ぶ。

 巻き上がる地平線を眼下に望み、思わず頬が緩む。

 魔物だけでなく、ここには鳥も居ない。この大空、輝く月や星々さえも独占したような優越感に浸る。

 ひらめくローブ、スカートの裾を押さえる必要もない。優しい風が抱き締めてくれるから。


 とても気持ちいい!

 鳥たちは、自由は、こんなにも気持ちいいんだ!


 山を越え、谷間をすり抜けて飛ぶ。大木を跳び、草原を翔け、今度は天に向かって垂直に舞い上がる。

 湖面に浮かぶ星々、舞い散る滝の水、懐かしい森の香り――ボクの五感は幸せで満たされていく。



 気付いたら1時間くらい空に居た――。

 魔力も半分くらい使い込んでしまった。

 みんなを心配させちゃってるよね、早く戻らなきゃ!

 随分遠くまで来てしまったけど、目印の神殿は相も変わらず月光を浴びて空に存る! 

 その明かり、仲間たちが待つ希望の光を目指して、ボクは再び両手を広げる――。




「「「リンネちゃん!! 」」」

 ブラックドラゴンの神殿がはっきり見える所まで来たとき、みんなの声が聞こえた。

 速度を緩め、高度を落とし、ゆっくりと大地に両の足を着ける。

「ただいま! 遅くなってごめんね! 」


「良かった……です……」

 メルちゃんが泣きながら抱き締めてきた。

「うわぁ~ん! 」

 アユナちゃんも抱き付いてきた。鼻水出てるよ。

「信じてたよ!! 」

 レンちゃんも泣きながら頭を抱いてくれた。


 3人はお互いに目配せした後、ボクの前に片膝を付いて座った――。

「「「勇者リンネ様、貴女に、永久(とわ)の忠誠を誓います! 」」」

 えっ? なになに!?

 ボクは混乱してしばらく言葉が出なかった。3人は下を向いて返事を待ってるみたい――何か言わなきゃ! でも、何を言うの?

「い、いきなり……ど、どうしたの? 」

 うわ、反応がない。ボクは何かやらかした?

「仲間……いや、友達なんだから……忠誠とか言わないで! 」

「私たちは友達である以前に、リンネ様の従者であると思ってください。リンネ様が居なければ私たちは中層で果てていました。しかも、あの空を飛翔するお姿――」

「待って待って! 魔法もアイテムも――浮遊魔法だって借り物の力だよ、全然凄くないよ! 」

「違うよ! さっき、ブラックドラゴンさんが挨拶に来たんだよ……リンネちゃんのこと、凄い凄いって興奮して語ってたもん! 」

「さすがのあたしでも、いろいろと無理だわ……」

 あぁ、あれを見ちゃうとね――。

「でもね、ボク自身は本当に弱いの。だから、みんなに力を貸してほしい――」

 このあと、何だかんだ話して、何とか今まで通りの関係をキープすることが決まった。距離が開いちゃうのは嫌だからね!



「それでは、いきなり告白タ~イム! 皆さんの体重を教えてください! 」

「い~や~!! 」

「あれ? レンちゃんはボクにチューセーを誓うんだったよね? 」

 利用できるものは利用する!

 今、ボクのレベルが22だから、合計220kgまでなら転移できるはず――装備は最悪、外してアイテムボックスに入れれば良いけど、4人ならこのままでも大丈夫かな?

「私は45kgくらいです」
「あたしもそのくらいにしておく! 」
「去年は32kgだったよ! 」

 なるほど。メルちゃん45、レンちゃんはもう少しあるね――48くらい? アユナちゃんは身長その他の成長分で37くらいかな? じゃあ、ボクは重くても40くらいだから――全員で170kg? 装備を外さなくても大丈夫そうだ!

「ありがとう! 皆さん、サバ読んでないですよね? 」

 笑顔でレンちゃんを見ると、顔を赤く染めて目を逸らされた――まぁ、意地悪はこの辺で終了。

「では、飛びます!! 」



 ★☆★



「「「えっ!? 」」」


 一瞬、空間が黒く染まって歪んだ後、ボクたちは夜の町に立っていた――。

 目の前には、見慣れた建物――チロルの冒険者ギルドがあった。イメージするだけで本当に転移できたよ、これは凄い! ブラックドラゴンさんありがとう!!

「実はね、ブラックドラゴンさんが転移アイテムの黒竜の翼をくれたの! 」

 一応、質量制限のことや、一度行ったことがある場所にしか転移できないこと、そして、今の転移で魔法力のおよそ2割を使ったこと等を説明しておいた。

「ではでは、ギルドに報告をして、可能なら泊めさせてもらって――それから、お部屋で召喚の儀式をしてみよう! 」

「「「おぅ!! 」」」



 ★☆★



「皆さん、お帰り! クピィちゃんもお疲れさま! 思ってたよりずっと早かったわね? それで、例の物は? 」

「例の物って――何だかイケない取引をしてるみたいですね。これです」

 ボクは黒の召喚石をアイテムボックスから取り出し、ギルド支部長のメリンダさんに見せた。

 メリンダさんが、目を輝かせながらそれに見入っている。口を開けたままだと、折角の美人が台無しだよ。

 その後、色々な報告をした。

 冒険者狙いのようなパーティに出会ったこと、精霊ロアのこと、守護竜たちのこと、竜神のこと、そして迷宮が崩壊せずに存続するだろうこと、そして最後に魔人ウィズから得た情報――。

 迷宮存続の話に、お乳を揺らしながら飛び跳ねて喜んでいたメリンダさんだったけど、魔人ウィズの件に話が移ると、頭を抱えて床に蹲まってしまった。そして、怪訝そうな表情で語り始める。

「いくらリンネちゃんが可愛いと言っても、魔人の中にファンクラブがあるなんてね」

 誰かさんと似たようなピントハズレな発言――喜怒哀楽と凹凸が激しすぎるよこの人。

「でも、魔王の親衛隊と目される魔人のうちの1人なんですよ? 魔王復活を阻止するのに、本当に協力してくれると思いますか? 」

「それに、今後は魔族と戦うときには、味方か敵かを判断する必要があるよね? 」

 メルちゃんもレンちゃんも、ウィズに対しては懐疑的な立場のようで、結局、この件についてはギルドの協力のもとで情報収集していくことになった。

 また、今後速やかに王都へと向かうことも話した。馬車で片道10日ほど掛かるらしいので、明日は休息に充てて、明後日は旅の準備をし、明明後日(しあさって)、つまりボクが召喚されてから22日目の朝に出発することに決まった。


 ちなみに、アユナちゃんはクピィを抱いたまま、ソファで眠っている。時刻も深夜11時だし、仕方がないよね。

 寝入っちゃったアユナちゃんを出汁(ダシ)にして、ギルドの来客室をまた借りることができた。



「は~い! 深夜のお楽しみ会が始まりますよ! 」

 あ、アユナちゃんが起きた!

「なになに!? お風呂でごしごしタイム? 」

「それはまた今度ね! 深夜で悪いんだけど、召喚儀式をしちゃおうと思います! 」

「ふぇ~!? こんな時間に? 」

「不安で眠れないの――奪われたり、消えちゃったり、割れちゃったりするんじゃないかって。申し訳ないけど、できるうちにやっておきたい。いいかな? 」

「私は賛成です」
「あたしも早い方がいいと思う」
「わかったよぉ、もう目が覚めたし! 」

「召喚した後、みんなに優しくコミュニケーションとってもらうから、協力よろしくね! 」



 召喚の件を聞きつけて飛んできたメリンダさんを含め、全員が固唾を飲んで見守る中、ボクは来客室の中央で女の子座りをする。黒の召喚石を胸に抱き、目を閉じる。

 よし、召喚のイメージを作りあげるよ!

 黒……黒い髪で……でも……心は黒くない……お肌も……それと、下着も……黒はダメ……関係ないか……ヤサカワツヨのイメージは健在……具体的には……黒髪キャラだと……ボクが知ってるのは……赤目なあの子はどうかな……剣士はレンちゃんと被るからダメか……自動人形のあの子はどうかな……可愛いけど……ヤンデレはダメ!……魔法○の妹ちゃんはどうかな……お兄ちゃんラブすぎだからダメか……お兄ちゃんキャラいないもんね……魔法○女のあの子は?……時間停止とか素晴らしいし、戦闘力はおいといても、クールで賢くて可愛くて、なかなかだね! 保留にしておくか……。

 他は……もう別にバトルジャンキー枠いらないじゃんってことなら……可愛い妹の親友とか、気になります系のあの子はどう? ヤサカワでいいけど……やっぱり可愛いだけじゃダメか……メモ○の探偵さんも賢くて可愛くていいんだけど……ド○ペないから無理か……あとは、あのデスゲームのAIっ娘はどうかな……可愛いし賢いし頼りになるね! 戦闘力は期待できないけど、パーティに1人は必要な軍師さんだよ。

 さて……時間停止の魔法○女か……頼れる軍師のAIっ娘か……正直、両方召喚したいよね! 悩む悩む悩む! よし……決めた! 軍師欲しい! 絶対にこれから必要になる人材だし!



「召喚します! 」

 部屋の中が緊張した空気に包まれる――。


 黒くて長くて綺麗な髪……白いワンピよく似合う……清楚な女の子……優しくて、賢くて、頼れる子!


「銀の勇者リンネの名において、黒の勇者を召喚します!! 」

 ボクは胸に抱いた召喚石を目の前に高々と掲げ、できる限り心を込めて宣言した――。


 召喚石から光が満ちてくる。黒ではなく、神々しいばかりの金色の光が部屋一杯に満たされていく!

 光量は飽和状態に達した後、静かに召喚石に収束し始める。それと共に、ボクの視界が徐々に回復してくる。



 ボクが掲げる召喚石を受け取り、胸にしっかりと抱いた黒髪の少女が、部屋の中央に佇んでいる。


「こんにちは、ボクはリンネと言います。貴女をこの世界に召喚しました」

 少女は目をしっかり開いて状況を分析しているようだ。誰かさんと違い、とても落ち着いている。

「こんにちは! 私は青の召喚者のメルです。宜しくお願いします」
「私はアユナです、リンネ様の付き人です! よろしくね! 」
「あたしは赤の召喚者、レンよ。よろしく! 」


「私は……黒の召喚者……アイと言います。皆さん、宜しくお願いします……」

 あら……もしかして、ステータスとか、この世界のシステムを理解しているの!?


↑アイ(清水翔三様作)

 その後、みんなで朝まで話をした。

 アイちゃんはアユナちゃんと同じ11歳らしいけど、見た目はもっと幼い感じがする。アユナちゃんより背が低く、膝丈のワンピースから覗く脚もとても細いし、可愛い小学生って感じ。でも、発言や態度は凄くしっかりいていて、アユナちゃんとのギャップが面白い。

 ボクと同じく、自分で自分の名前を決めていたように、既にシステム的なことは理解しているみたい。だから、この世界の知識や現状、ボクたちの役割、これからのことを中心に話し合った。

 そして、お昼からみんなでアイちゃん用の買い物をしようと決めて、仲良くおやすみなさいをした。

 まさか、明日が大変な1日になるなんて、この時には誰も想像していなかった――。
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