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『特別な人』85
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そして迎えた週末、指定されたホテルへと向かった。
私たちが案内されたのはミーティングルームだった。
6人でということだったがあちらは4人だった。
話は婚約中にも係わらず、私が別の男性と交際していることが分かったので
婚約破棄するという内容だった。
両親にも何も話してなかった為、母親は泣いて怒り、父親からは
勘当すると言われた。
知らない顔の男性は弁護士で私は慰謝料を支払うことになると告げられた。
ほとんど雨宮さんもご両親も私に顔を合わせてはくれなかった。
謝罪する両親の横で私も一緒に謝罪するしか術がなく居たたまれなかった。
あちらの家族が退出した後、母が私に訊いてきた。
「それで柳井って人とはこのまま付き合うの?」
私は頭を振り答えた。
「振られた。彼、雨宮さんの親友だったの」
「悪いことはできないもんね。世間は狭いってことね。
だけど心変わりしたのならお付き合いする前に雨宮さんに断りを入れて
謝罪すればよかったものを、こういうことはいつかバレるものでしょ?
今更だけど……いつまでも隠しておけるものでもないんだから。
理生、あなたは私と違って器量よしで今まで男に不自由したことが
ないかもしれないけど、こういうことって先の縁談に不利になるのよ。
慰謝料払ったっていう前例を作るわけだし」
「お母さん、お父さん、迷惑かけてごめんなさい」
社内公認で付き合ってた雨宮と魚谷たちがよそよそしくなると、どうしても
誰かから理由聞かれるのは止められず、雨宮が進んで言い触らしたとかでは
なかったが魚谷の仕出かしたことは社内で知れるところとなり、長年勤めた
会社を逃げるようにして魚谷は辞めたのだった。
そして迎えた週末、指定されたホテルへと向かった。
私たちが案内されたのはミーティングルームだった。
6人でということだったがあちらは4人だった。
話は婚約中にも係わらず、私が別の男性と交際していることが分かったので
婚約破棄するという内容だった。
両親にも何も話してなかった為、母親は泣いて怒り、父親からは
勘当すると言われた。
知らない顔の男性は弁護士で私は慰謝料を支払うことになると告げられた。
ほとんど雨宮さんもご両親も私に顔を合わせてはくれなかった。
謝罪する両親の横で私も一緒に謝罪するしか術がなく居たたまれなかった。
あちらの家族が退出した後、母が私に訊いてきた。
「それで柳井って人とはこのまま付き合うの?」
私は頭を振り答えた。
「振られた。彼、雨宮さんの親友だったの」
「悪いことはできないもんね。世間は狭いってことね。
だけど心変わりしたのならお付き合いする前に雨宮さんに断りを入れて
謝罪すればよかったものを、こういうことはいつかバレるものでしょ?
今更だけど……いつまでも隠しておけるものでもないんだから。
理生、あなたは私と違って器量よしで今まで男に不自由したことが
ないかもしれないけど、こういうことって先の縁談に不利になるのよ。
慰謝料払ったっていう前例を作るわけだし」
「お母さん、お父さん、迷惑かけてごめんなさい」
社内公認で付き合ってた雨宮と魚谷たちがよそよそしくなると、どうしても
誰かから理由聞かれるのは止められず、雨宮が進んで言い触らしたとかでは
なかったが魚谷の仕出かしたことは社内で知れるところとなり、長年勤めた
会社を逃げるようにして魚谷は辞めたのだった。
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