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14 お勉強会~
しおりを挟む『直哉さん、驚かせてごめんなさい。
だけど、私ひろみを産んだこと後悔してないよ。
納得いかない離婚するって言うなら、私はいいよ。
ハンコ押すから。
気持ちが決まったら言って』
そう言うと、妻は俺に背を向けた。
何をどう……しばらく呆けていたら、妻の静かな寝息が聞こえてきた。
自分への説明の時、妻には一切の動揺が見られなかった。
当たり前のようにサラッと言ってのけたのだ。
普通、こんな事を夫が妻から聞かされたら逆上ものだ。
俺が切れないと何故思えるのか?
さもなくば俺に背中を向けて眠れないだろ。
掛ける言葉も持たず、俺は妻の背中をみているしか術がなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そこにあるものの正体を俺は知っている。
分岐点は確実に15年前の俺の過ちにあるのだろう。
妻の言い草を聞く限りそのお勉強会とやらは、今も続けられているのだ。
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