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大人の恋心 51

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51.

" Bother 気になる "

 なんかどうやって自宅に帰ったのか、店を出てからずっと
心ここにあらず状態だった俺は、気が付くと自宅のドアノブを
回しているところだった。

 はぁ~、女は化けるとはよく言ったものだ。
 あれから彼らが隣接しているバーへ行ったのは想像に難くない。

 しかし、その後のことは考えたくなかった。

 そんな最悪のことを考える暇があるなら・・同じ時間ならば
前向きなことに時間を掛けようと俺は思った。


 家に招待されておきながら、礼のひとつもその後フォローを
入れていない。

 もちろん、帰る際に礼は述べているが。

 桂子のほうではもう自分との縁もこれまでと思っているかも
しれない。

 そう思うとこれまで以上に焦りを感じる水曜日の夜の小野寺であった。


 俺は弟の一平に1通のメールを送った。

 「嫁さんと付き合ってた頃、どんな風にデートに誘ったんだ? 」

 「あの、ふざけてんの? 今飲んでる? 」
 と一平からすぐに返信があった。

 弟の一平からしてみれば昔からさほどモテない自分と違い
小学生の頃からバレンタインの日には何人もの女子たちから
本命チョコを貰い、ほとんど自分の知ってる限りいつも彼女のいた
兄、尊のこと、デートなんて自分の何倍、何十倍も経験しているはずで
ふざけてるとしか思えないのも仕方のないことだった。

 
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