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醒めない夢 71 ☑
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71.
~果歩が消えた日から 22
すごいことが起こった。
俺はとうとう果歩を見つけた。
18年間見つけられなかった妻を。
碧と会えなかったのは残念だが。
ただ果歩が俺のことを忘れてしまっている風なのが
腑に落ちない。
あの様子を見ているとやっぱりどこかで事故に巻き込まれて
記憶喪失とか、その類で今まで帰って来なかったのでは?
と思えて仕方ない。
名刺交換したあの男は誰なんだ?
疑問が次から次へと浮かび、いてもたってもいられない。
鍋を買いに行ったのに名刺交換した後、鍋のことなんて頭の中から
吹っ飛んでしまっていた。
家に着いてから買い忘れたことに気付いた。
果歩は帰ってくるだろうか?
帰って来るだろ、帰る家はここしかないのだから。
果歩とあの溝口とかいう男と会うまでの間、俺は
グルグルそんなことばかりを考えて過ごした。
アラフィフのひとり暮らしの寡生活にこれからは
妻と娘という彩りが添えられるのだという可能性が俺の心を躍らせた。
◇ ◇ ◇ ◇
「今の人、旦那さんだよね? 」
「元よ。今の旦那さんはあなただもん」
「彼に見つかって返ってよかったのかもな。
ここではっきりと、俺たち戸籍上もちゃんとした夫婦だと知らしめた上で
縁を切ればすっきりするだろうし。
彼にはすまないが」
「あなたにはすごく迷惑かけちゃうけど、私もそう思う。
元夫はなかなかわかってくれないかもしれないけれど
法律上なんの問題もなく私たちはれっきとした夫婦なのだし。
気にしないようにしてたけれど、やっぱり元夫は私の喉元に
突き刺さった小さなちいさな小骨のようなものだったのかも
しれないわ。
これでスパッと抜けると思うとほっとするというか……」
「大丈夫さ。
それに君とあの人が暮らした年数よりも俺たちは長い年月、夫婦なのだし」
「うん、そうよね。大丈夫よね」
~果歩が消えた日から 22
すごいことが起こった。
俺はとうとう果歩を見つけた。
18年間見つけられなかった妻を。
碧と会えなかったのは残念だが。
ただ果歩が俺のことを忘れてしまっている風なのが
腑に落ちない。
あの様子を見ているとやっぱりどこかで事故に巻き込まれて
記憶喪失とか、その類で今まで帰って来なかったのでは?
と思えて仕方ない。
名刺交換したあの男は誰なんだ?
疑問が次から次へと浮かび、いてもたってもいられない。
鍋を買いに行ったのに名刺交換した後、鍋のことなんて頭の中から
吹っ飛んでしまっていた。
家に着いてから買い忘れたことに気付いた。
果歩は帰ってくるだろうか?
帰って来るだろ、帰る家はここしかないのだから。
果歩とあの溝口とかいう男と会うまでの間、俺は
グルグルそんなことばかりを考えて過ごした。
アラフィフのひとり暮らしの寡生活にこれからは
妻と娘という彩りが添えられるのだという可能性が俺の心を躍らせた。
◇ ◇ ◇ ◇
「今の人、旦那さんだよね? 」
「元よ。今の旦那さんはあなただもん」
「彼に見つかって返ってよかったのかもな。
ここではっきりと、俺たち戸籍上もちゃんとした夫婦だと知らしめた上で
縁を切ればすっきりするだろうし。
彼にはすまないが」
「あなたにはすごく迷惑かけちゃうけど、私もそう思う。
元夫はなかなかわかってくれないかもしれないけれど
法律上なんの問題もなく私たちはれっきとした夫婦なのだし。
気にしないようにしてたけれど、やっぱり元夫は私の喉元に
突き刺さった小さなちいさな小骨のようなものだったのかも
しれないわ。
これでスパッと抜けると思うとほっとするというか……」
「大丈夫さ。
それに君とあの人が暮らした年数よりも俺たちは長い年月、夫婦なのだし」
「うん、そうよね。大丈夫よね」
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