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醒めない夢 70 ☑
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70.☑
~果歩が消えた日から 21
「すみません、どなたかとお間違えじゃないですか」
はっ、何他人の振りをしてるんだ、そう思ったが
随分と年月が経っているのでもしかしたら俺は果歩と暮らしていた頃と
随分風貌が変わってしまっているのかもしれない。
それで気付けないのか?
「俺だよ、康文だよ。
18年前急に居なくなってしまってどれだけ心配したか、どれだけ
探したか。
碧は? 碧は元気なのか? 」
◇ ◇ ◇ ◇
心配なんてほんとにしてたのかしら?
心配なんて必要なかった……
探す必要もね……
だってあなたのことが嫌で自らあなたの元へ帰らない選択を
したんですもの。
目の前の男がなんだか滑稽なくらい一生懸命私に話しかけてくる。
すごく驚いていて興奮しているけれど、私のほうは
あまり驚いてもいないし、腹は決まってる。
こんな日が来ることも想定内だったから。
まっ、この際だからきっちりこの男と離婚して今の生活を続けるつもり。
「どうしたんだ、果歩? この人は? 」
今の夫が私たちふたりの前に現れた。
「私のことを知ってるって。
急に居なくなってずっと探してたって……」
私の少しの説明でピンときた今の夫、溝口啓太が
康文と名刺交換をし『後日説明させていただく日を
設けるので今日はこれで』と元夫に話をつけてくれた。
元夫の康文は、知らない者を見る目で見詰める私の姿に戸惑いつつ
啓太の出現で、本当は今にも私を引きずって帰りたいくらいの
気持ちをなんとか宥めたようだった。
~果歩が消えた日から 21
「すみません、どなたかとお間違えじゃないですか」
はっ、何他人の振りをしてるんだ、そう思ったが
随分と年月が経っているのでもしかしたら俺は果歩と暮らしていた頃と
随分風貌が変わってしまっているのかもしれない。
それで気付けないのか?
「俺だよ、康文だよ。
18年前急に居なくなってしまってどれだけ心配したか、どれだけ
探したか。
碧は? 碧は元気なのか? 」
◇ ◇ ◇ ◇
心配なんてほんとにしてたのかしら?
心配なんて必要なかった……
探す必要もね……
だってあなたのことが嫌で自らあなたの元へ帰らない選択を
したんですもの。
目の前の男がなんだか滑稽なくらい一生懸命私に話しかけてくる。
すごく驚いていて興奮しているけれど、私のほうは
あまり驚いてもいないし、腹は決まってる。
こんな日が来ることも想定内だったから。
まっ、この際だからきっちりこの男と離婚して今の生活を続けるつもり。
「どうしたんだ、果歩? この人は? 」
今の夫が私たちふたりの前に現れた。
「私のことを知ってるって。
急に居なくなってずっと探してたって……」
私の少しの説明でピンときた今の夫、溝口啓太が
康文と名刺交換をし『後日説明させていただく日を
設けるので今日はこれで』と元夫に話をつけてくれた。
元夫の康文は、知らない者を見る目で見詰める私の姿に戸惑いつつ
啓太の出現で、本当は今にも私を引きずって帰りたいくらいの
気持ちをなんとか宥めたようだった。
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