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醒めない夢 69 ☑
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69.
~果歩が消えた日から 20
仲間友紀に自分達の、俺と果歩の家庭を壊され俺は
友紀に復讐した。
金だけ引き出したら捨てるつもりで結婚した。
……と友紀には思わせておいてその実籍は入れてなかった。
事実婚は友紀から引き出せる金がなくなるまで続けた。
金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、友紀を追い出した。
後悔は微塵もない。やってはいけないことをしたのは
あっちが先なんだから。
あいつのせいで果歩が娘を連れていなくなってしまった。
友紀の金も全部店の借金に注ぎ込んだが俺には経営者として
再建できるほどの才能はないようで借財は膨らむばかり。
自分でもあきれるほどだ……。
それで友紀を追い出した後、すぐに店は畳み、派遣で
仕事に出るようになった。
正社員登用の道のない、いわば飼い殺しのような不安定な身分
ではあったが、少しずつ借金を返済し細々となんとか暮らした。
金がないというのは本当につらいものだと思い知った。
女も男も誰ひとり寄り付きゃあしない。
侘しいひとり暮らし。
時たま、街行く子連れの夫婦を目にすると、忸怩たる
思いに苛まれ、辛かった。
まじめにさえしていれば、俺にだってあれくらいの
ささやかな幸せがあったのに。
失くしたのは全部身から出た錆。
木枯らしが吹き荒れる季節になり、ふと鍋をしてみる
気になりドライブがてら鍋を探して車を流した。
◇ ◇ ◇ ◇
「くっ! 果歩っ」
とあるShopの駐車場で果歩を見かけた。
髪が長くなっていて雰囲気が違って見えるので
自信はないけど。果歩らしき女性をだ。
前に歩いて行く女性の肩を斜め後ろから叩いて
問い掛けた。
「果歩っ! 」
18年の歳月が流れ老けてはいたが、目の前にいる女性は
確かに俺の記憶のなかの果歩だった。
~果歩が消えた日から 20
仲間友紀に自分達の、俺と果歩の家庭を壊され俺は
友紀に復讐した。
金だけ引き出したら捨てるつもりで結婚した。
……と友紀には思わせておいてその実籍は入れてなかった。
事実婚は友紀から引き出せる金がなくなるまで続けた。
金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、友紀を追い出した。
後悔は微塵もない。やってはいけないことをしたのは
あっちが先なんだから。
あいつのせいで果歩が娘を連れていなくなってしまった。
友紀の金も全部店の借金に注ぎ込んだが俺には経営者として
再建できるほどの才能はないようで借財は膨らむばかり。
自分でもあきれるほどだ……。
それで友紀を追い出した後、すぐに店は畳み、派遣で
仕事に出るようになった。
正社員登用の道のない、いわば飼い殺しのような不安定な身分
ではあったが、少しずつ借金を返済し細々となんとか暮らした。
金がないというのは本当につらいものだと思い知った。
女も男も誰ひとり寄り付きゃあしない。
侘しいひとり暮らし。
時たま、街行く子連れの夫婦を目にすると、忸怩たる
思いに苛まれ、辛かった。
まじめにさえしていれば、俺にだってあれくらいの
ささやかな幸せがあったのに。
失くしたのは全部身から出た錆。
木枯らしが吹き荒れる季節になり、ふと鍋をしてみる
気になりドライブがてら鍋を探して車を流した。
◇ ◇ ◇ ◇
「くっ! 果歩っ」
とあるShopの駐車場で果歩を見かけた。
髪が長くなっていて雰囲気が違って見えるので
自信はないけど。果歩らしき女性をだ。
前に歩いて行く女性の肩を斜め後ろから叩いて
問い掛けた。
「果歩っ! 」
18年の歳月が流れ老けてはいたが、目の前にいる女性は
確かに俺の記憶のなかの果歩だった。
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