48 / 82
醒めない夢 48 ☑
しおりを挟む
48.
~深山康文と果歩の結婚生活 (45)
悪さをしておきながらこの女はどうして私をなじってんのよ。
自分のしてることを棚に上げてよく言うわよ。
しかし、どうして仲間はこんな話を夫にではなく私にしているのか。
普通はまず付き合っている男に話すもんじゃないだろうか。
腑に落ちない。
どうして、どうして?
考えたけれど、答えは出なかった。
「あなたちょっと調子に乗りすぎなんじゃないの?
あなたの婚約者に全部ぶちまけてもいいのよ? 」
「いいですよぉ~~!
じゃぁ私、婚約者との結婚止・め・て
あなたの旦那さんとヨリ戻して結婚するからン」
「なっ……」
「ほらっ、グーの音も出ない。
出来もしないこと、言わないほうがいいですよ。
私がちょっと可愛く擦り寄ったらオーナーの
気持ちなんてすぐ私の方に向くんだから。
私に無事結婚してもらわないと困るのは奥さんの
ほうでしょ? 」
何を好き勝手言ってるのだろう、目の前の人でなしは。
私はもう何も聞きたくなかった。
「あんたなんか、地獄に落ちればいいのよ。
地獄にお・ち・ろ。
バカ女! 」
-
考えてもなかった呪詛の言葉を女に吐き、私は店を出た。
何か後方であのバカ女が叫んでたけど知ったこっちゃない……だわさ。
私は急ぎ足で家に向かった。
ははっ、お茶代も出さずに帰ってきちゃったよ。
いい気味。
夫の本心はどうであれ、あの日……私が仲間と
別れてほしいと言った日、夫は別れると言った。
心はやさぐれていたものの、 信じたい信じよう
そしてやり直せるものなら心機一転やり直そう
やり直してみたいという気持ちも少し芽生えていたのに。
そんな小さな芽、気持ちが一辺で吹き飛んでしまった。
他所に……娘に異母兄弟ができるかもしれない?
いや、あの女は産むなんて言ってなかったじゃない。
だけど夫ともし結婚するのなら、産むのかもしれない。
私の頭は混乱と怒りとで爆発しそうだった。
帰って来る夫に何と問い詰めようか。
子供のことを夫は知っているのか、まだ知らないのか
さえも分からない現状でどんな風に話し合いをすれば
いいのか、更に私の混乱は広がった。
私をこんなにも苦しめる夫に嫌悪感が走る。
気持ち悪かった。
ただただ、気持ち悪かった。
~深山康文と果歩の結婚生活 (45)
悪さをしておきながらこの女はどうして私をなじってんのよ。
自分のしてることを棚に上げてよく言うわよ。
しかし、どうして仲間はこんな話を夫にではなく私にしているのか。
普通はまず付き合っている男に話すもんじゃないだろうか。
腑に落ちない。
どうして、どうして?
考えたけれど、答えは出なかった。
「あなたちょっと調子に乗りすぎなんじゃないの?
あなたの婚約者に全部ぶちまけてもいいのよ? 」
「いいですよぉ~~!
じゃぁ私、婚約者との結婚止・め・て
あなたの旦那さんとヨリ戻して結婚するからン」
「なっ……」
「ほらっ、グーの音も出ない。
出来もしないこと、言わないほうがいいですよ。
私がちょっと可愛く擦り寄ったらオーナーの
気持ちなんてすぐ私の方に向くんだから。
私に無事結婚してもらわないと困るのは奥さんの
ほうでしょ? 」
何を好き勝手言ってるのだろう、目の前の人でなしは。
私はもう何も聞きたくなかった。
「あんたなんか、地獄に落ちればいいのよ。
地獄にお・ち・ろ。
バカ女! 」
-
考えてもなかった呪詛の言葉を女に吐き、私は店を出た。
何か後方であのバカ女が叫んでたけど知ったこっちゃない……だわさ。
私は急ぎ足で家に向かった。
ははっ、お茶代も出さずに帰ってきちゃったよ。
いい気味。
夫の本心はどうであれ、あの日……私が仲間と
別れてほしいと言った日、夫は別れると言った。
心はやさぐれていたものの、 信じたい信じよう
そしてやり直せるものなら心機一転やり直そう
やり直してみたいという気持ちも少し芽生えていたのに。
そんな小さな芽、気持ちが一辺で吹き飛んでしまった。
他所に……娘に異母兄弟ができるかもしれない?
いや、あの女は産むなんて言ってなかったじゃない。
だけど夫ともし結婚するのなら、産むのかもしれない。
私の頭は混乱と怒りとで爆発しそうだった。
帰って来る夫に何と問い詰めようか。
子供のことを夫は知っているのか、まだ知らないのか
さえも分からない現状でどんな風に話し合いをすれば
いいのか、更に私の混乱は広がった。
私をこんなにも苦しめる夫に嫌悪感が走る。
気持ち悪かった。
ただただ、気持ち悪かった。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
初恋の終わり~私の大切なソフィア
あやむろ詩織
恋愛
「もう初恋の夢は見ない」「初恋の残滓」に続く、カレナ様視点です。
リクエストをいただき、書いてみました。
もしかしたら前作までのイメージを崩す可能性もありますので、ご注意ください。
*小説家になろう様にも投稿しております。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる