56 / 74
55
しおりを挟む
55
電話の切れた後、放心状態でいるところへ珍しいメゾネット型の4LDK
マンションの1階に付いているパティオで奈々子に外遊びごっこをさせて
いたのだろう、手洗いさせて抱いたままの奈々子の手を拭きながら夫が
自分のところへ連れてきた。
「奈々子、今度はお母さんと遊ぼうか」
そう娘に言うと、桃に子守をバトンタッチしてきた。
「電話、誰からだった? お義母さん?」
「ううん、友達から……」
被りを振りながら桃は答えた。
娘の子守から解放された夫がゆっくりする為にリビングへと足を向けた
その背中に桃は言葉を投げた。
「ねっ、明日ってどこかへ出かけたりする予定あるのかなぁ?」
とそんな風に。
「あぁそうそう、言わなきゃって思ってたとこ。
午後から友達と会う予定があるんだ。なるべく早く帰るよ」
「そう……」
『早く帰るって、なに。……行くなよ』
と桃は言いたかった。
ここ最近休日に出かけたりすることなんてほとんどなかったのに。
桃は目まぐるしく頭をフル回転させた。
そしてデッサン教室の受付のスタッフに電話を入れた。
「体調が悪いので明日は休ませてください」と。
そして、次には母親に奈々子を明日見てほしいと電話で子守を
頼んだ。
そう、この時桃は、恵子の話していたホテルとやらに乗り込むことに
決めたのである。
電話の切れた後、放心状態でいるところへ珍しいメゾネット型の4LDK
マンションの1階に付いているパティオで奈々子に外遊びごっこをさせて
いたのだろう、手洗いさせて抱いたままの奈々子の手を拭きながら夫が
自分のところへ連れてきた。
「奈々子、今度はお母さんと遊ぼうか」
そう娘に言うと、桃に子守をバトンタッチしてきた。
「電話、誰からだった? お義母さん?」
「ううん、友達から……」
被りを振りながら桃は答えた。
娘の子守から解放された夫がゆっくりする為にリビングへと足を向けた
その背中に桃は言葉を投げた。
「ねっ、明日ってどこかへ出かけたりする予定あるのかなぁ?」
とそんな風に。
「あぁそうそう、言わなきゃって思ってたとこ。
午後から友達と会う予定があるんだ。なるべく早く帰るよ」
「そう……」
『早く帰るって、なに。……行くなよ』
と桃は言いたかった。
ここ最近休日に出かけたりすることなんてほとんどなかったのに。
桃は目まぐるしく頭をフル回転させた。
そしてデッサン教室の受付のスタッフに電話を入れた。
「体調が悪いので明日は休ませてください」と。
そして、次には母親に奈々子を明日見てほしいと電話で子守を
頼んだ。
そう、この時桃は、恵子の話していたホテルとやらに乗り込むことに
決めたのである。
8
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
Husband's secret (夫の秘密)
設樂理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
夫のカノジョ / 垣谷 美雨 さま(著) を読んで
Another Storyを考えてみました。
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
『 ゆりかご 』
設樂理沙
ライト文芸
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと -
設樂理沙
ライト文芸
♡~好きになった人はクールビューティーなお医者様~♡
やさしくなくて、そっけなくて。なのに時々やさしくて♡
――――― まただ、胸が締め付けられるような・・
そうか、この気持ちは恋しいってことなんだ ―――――
ヤブ医者で不愛想なアイッは年下のクールビューティー。
絶対仲良くなんてなれないって思っていたのに、
遠く遠く、限りなく遠い人だったのに、
わたしにだけ意地悪で・・なのに、
気がつけば、一番近くにいたYO。
幸せあふれる瞬間・・いつもそばで感じていたい
◇ ◇ ◇ ◇
💛画像はAI生成画像 自作
女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる