24 / 108
23
しおりを挟む
23
「ねぇ、どうだった? 緊張した?」
『少しね。でもどうってことなかったわ』
「で、今の気持ちはどう?」
『可もなく、不可もなくってところかな。
ただ新しい環境に飛び込んだことでの多少の緊張感があって
精神の状態は悪くはないっていうところかしら』
「なんか、不完全燃焼気味に聞こえるんだけど……」
『だって、戦場に兜と甲冑付けて駆けつけてみれば、へなちょこ野郎ばかりが
待ってたぜ、の心境だもん。
女子も男子もって言えるぐらい相手、みんな子供で、
ガクッてかんじ。
考えてみれば学生相手のモデルじゃぁそうなるわよね。
ちょっと迂闊だったわ、この結果は……』
「なぁ~に、またまたぁ~。意味深なこと言い出しちゃって」
「だって想像してみてよ。
目の前の学生たち、考えてみればほんのちょっと前には
ランドセル背負ってたわけよ。
私が中学生の時には彼らは幼稚園くらいでしょ。
何かそんなガキんちょにジトーってどんぐり眼で見られてもねぇ、
屁でもないって感じよぉ~」
『やだー、もう少しお上品に願いしますー』
「はっきり言ってスパイスのない料理なのよね。
もう少し刺激が欲しい~」
『……』
勝手なことばかり桃美相手に話をしていたせいか、彼女は最後は
無言で後ろに隠れてしまった。
はぁ~、この仕事ずっとやり続けて意味あるのかな、なんて一回目から
考え込んでしまった。
それでも私はそれからも週一で大学に通った。
そして……初秋の頃に始めたバイトも3か月が過ぎ気持ちの落ち込みは
軽減したものの、どこかパッと晴れない気分? っていうのかなぁ、
ひとまず今の大学の仕事は辞めて他を探してみようかと思い始めた頃に
植木さんから別口のバイトの話が転がり込んできた。
話は植木さんの友人のそのまた友人かららしい。
「ねぇ、どうだった? 緊張した?」
『少しね。でもどうってことなかったわ』
「で、今の気持ちはどう?」
『可もなく、不可もなくってところかな。
ただ新しい環境に飛び込んだことでの多少の緊張感があって
精神の状態は悪くはないっていうところかしら』
「なんか、不完全燃焼気味に聞こえるんだけど……」
『だって、戦場に兜と甲冑付けて駆けつけてみれば、へなちょこ野郎ばかりが
待ってたぜ、の心境だもん。
女子も男子もって言えるぐらい相手、みんな子供で、
ガクッてかんじ。
考えてみれば学生相手のモデルじゃぁそうなるわよね。
ちょっと迂闊だったわ、この結果は……』
「なぁ~に、またまたぁ~。意味深なこと言い出しちゃって」
「だって想像してみてよ。
目の前の学生たち、考えてみればほんのちょっと前には
ランドセル背負ってたわけよ。
私が中学生の時には彼らは幼稚園くらいでしょ。
何かそんなガキんちょにジトーってどんぐり眼で見られてもねぇ、
屁でもないって感じよぉ~」
『やだー、もう少しお上品に願いしますー』
「はっきり言ってスパイスのない料理なのよね。
もう少し刺激が欲しい~」
『……』
勝手なことばかり桃美相手に話をしていたせいか、彼女は最後は
無言で後ろに隠れてしまった。
はぁ~、この仕事ずっとやり続けて意味あるのかな、なんて一回目から
考え込んでしまった。
それでも私はそれからも週一で大学に通った。
そして……初秋の頃に始めたバイトも3か月が過ぎ気持ちの落ち込みは
軽減したものの、どこかパッと晴れない気分? っていうのかなぁ、
ひとまず今の大学の仕事は辞めて他を探してみようかと思い始めた頃に
植木さんから別口のバイトの話が転がり込んできた。
話は植木さんの友人のそのまた友人かららしい。
1
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと -
設樂理沙
ライト文芸
♡~好きになった人はクールビューティーなお医者様~♡
やさしくなくて、そっけなくて。なのに時々やさしくて♡
――――― まただ、胸が締め付けられるような・・
そうか、この気持ちは恋しいってことなんだ ―――――
ヤブ医者で不愛想なアイッは年下のクールビューティー。
絶対仲良くなんてなれないって思っていたのに、
遠く遠く、限りなく遠い人だったのに、
わたしにだけ意地悪で・・なのに、
気がつけば、一番近くにいたYO。
幸せあふれる瞬間・・いつもそばで感じていたい
◇ ◇ ◇ ◇
💛画像はAI生成画像 自作
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる